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羽田圭介『スクラツプ・アンド・ビルド』

母に借りた文藝春秋で『火花』に続き読んだのですが、最初は、なんでこの人のじーさんの悪口を延々と読まされなきゃならないんだよ!と思ったんです。
まあ、近くでこうネガティブな発言を毎日聞かされてれば、かなわんだろなあ、とは思うし、イラつくのはとても分かるんだけど~
と思いつつ、我慢して読み進んでいくうちに、妙な可笑しみが出てくるんです。
主人公健斗の筋トレに対する持論もギャグだし、加藤鷹の名前が出てきた時は爆笑!



読み終えた時には、このじーさんと、いつもじーさんに悪態つくお母さんに対する愛のようなものも、じわりと感じられ、読後感は良かったです。
現代日本における老人と若者の問題提起的な事も、描かれていると思います。

最近頻繁にテレビに出ている羽田圭介、この人やはり、かなり面白い人だと思います。
芥川賞に値するかは、他の芥川賞作品をあまり読んでいない為に判断出来ませんが、自分としては結構好きです。



ところで芥川賞候補で僅差で落ちたのが「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」だそうで、これはタイトルからして読んでみたいです。




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又吉直樹『火花』

主人公徳永と、崇拝する先輩漫才師の神谷さんって人との会話が延々と続く、実に退屈極まりない、読み進むのが苦痛な小説でした^^;
まず、この「神谷さん」って人のどこが凄いねん、っつー感じでして^^;
メールのやりとりもぜんっっぜん面白くないし、このくらい破綻してる人は、自分が20代でバンドをバリバリやってた頃は周りに結構いたっつーレベルの人かなあ。
全然好きになれないし、どちらかと言うと嫌いなタイプ。
屁理屈やデカい事言うけど、人間的には小さいタイプ。
本当にデカい人と言うのは、口数は多くなくとも、ズバッと確信つく言葉を発する人だと私は思うので、正反対な気がします。

文章に関しては、やたらと凝った言葉を使うんだけど、たまに、おっ上手いねっつー表現も出てくるし、そのくせ、やけに安易な表現も出てきて、全体的にひとつひとつの言葉に気を使えてはいないと思いました。
自分的には、冒頭の「夜気で溶かし」(この「溶かす」という表現が何度か出てきました) とか「笑みを顔面に貼りつけて」などの表現に違和感があり、好みではありませんでした。




冨田勲『音の雲』



※私的な話ばかりで全く本の感想になってません。

まず、この本を読むきっかけとなったのは、なにげに父の名前をググッていたら、この本に父が度々登場するらしいという情報を目にしたからです。
冨田勲さんと父とは大学時代からの友人なんです。
こちらにアルバム『月の光』の感想を書いてますが、子供の頃によく家でかかっていて大好きだったのですが、このアルバムを出すのに随分苦労された話が出ていました。



日本のレコード会社にはどこも契約してもらえず、アメリカからリリースされ大ヒットしたのですが、そのアメリカRCAとの契約の実に大きな力になったのが父だったんです。
ぜんっっぜん知らなかったので唖然です。
モーグシンセサイザーを使っての最初のアルバムを世界に売り出し、世界のTOMITAを生み出すきっかけのひとつに父がなっていたなんて、それを全く自慢こいたりしなかったと言うのも、ただただビックリでした。
誇らしいなんて、父と仲が悪かった私の口からは言いにくいけど、もうホント、やっぱり誇らしい事です。

そして小松左京とのコラボコンサート日本武道館での「エレクトロオペラ」、中学生だった私は、父に連れられて観に行ってるんです。
コンサートの帰りにインドカレー屋さんに連れて行ってもらったのを覚えています。
高田馬場あたりだったかなあ。
汁っぽいカレー初体験。めちゃ衝撃でした。
後にスパイスカリー好きになったのも、この時の体験の影響が大きいかも。
こんな記事も書いてます→おうちで本格インドカリー

この本、絶版みたいなので、図書館で借りて読みましたが、母に聞いたら家にあるみたいなのだけど、まだ見つからず(;_;)
とりあえず本返してこなきゃ・゚・(ノД`)・゚・

彼岸花についての本2冊

「黄櫻御殿」の方にこんな記事を書いてますが、歌詞については、その後いろいろとご指摘アドバイス等受けまして、彼岸花の事を歌っている『Spider Lily』という曲の歌詞の修正を、いろいろと模索していました。
そんな訳で、また図書館で彼岸花の本を2冊借りてきました。
1冊は再読の『日本のひがんばな』



もう1冊は『ヒガンバナの博物誌』



この博物誌の方は、染色体がどーのこーので訳わからず^^; 途中から飛ばし読みでパラパラという感じでした。
「魅せられた人々」の所等は大変興味深く読めまして、ココなどはヘー(´ν_.` )ソウナンダと思いました〜以下引用。

 総じて歌謡曲の作詞者は、ヒガンバナそのものに魅入られたというより、曼珠沙華なる言葉が聴衆に与えるインパクトを狙っているように思えます。ことに山口百恵が歌っていた、阿木燿子作詞の『曼珠沙華 (マンジューシャカ)』は植物学的に見ればヒガンバナではありません。なにしろ、ほのかに花が匂ったり、はかなく花が散ったりするのですから。もっとも、かって熱烈な百恵ファンの一人であったらしい家人にこの話をしたところ、「つまらないことをいうのね」と顰蹙を買ってしまいました。そういえば、"写生" を信条とするホトトギス派のさる俳人の句にも「曼珠沙華散るや赤きに耐へかねて」というのがありました。赤い花びらは白く色が抜け、褐色の糸のように捩れ縮れて、朽ち果てます。けして散ることはありません。

儚い綺麗な花は全て散るものだと思ったら大間違いなんですね(笑)

そして『日本のひがんばな』を再度読もうと思ったのは、数限りなくある彼岸花の異名をいくつか歌詞に入れたのですが、もっと歌詞的に良いのはないかな、と思い、確かこの本に一覧的に出ていたかな、と思ってでした。
まあ出ていたんですが、カタカナ表記なので、漢字が欲しいところでした。
しかし隅々見ていたら爆笑でした(笑)
「ハヌケババア」とかあんまりですよねぇ(´Д⊂ヽ「オマンジュバナ」とか「ドクマンジュウ」とか「アタマイタイ」なんて訳わからんのまでありました(≧▽≦)

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IMG_7368 posted by (C)SEAL OF CAIN

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この本は大変楽しく再読したのですが、以下の文に共感しました。

 渡来の謎を秘めるヒガンバナは、人里植物となって、雑草の茂みの中に埋もれている。過酷な環境と取り扱いにもめげず、生き続ける姿は、強く胸に迫るものがあり、その訴えに耳を傾けたいと思うものである。

泉鏡花『義血侠血』

前から興味はあったものの、何から読んで良いのやら状態で手つかずだった泉鏡花。
私、曲はつくっているけど、歌詞は過去に3コぐらいのみ書いてて、しかも英語でやってたので、英語の出来るドラマーに英訳してもらって曲にしてたんです。
そして最近、いろいろあって、自力で歌詞を書こうと思いました。
メロディーに日本語で歌詞をのせるというのは、初めての試みです。
阿部定の曲をつくっている所だったので、レトロなエロ用語を使いたいな〜と澁澤龍彦を再読。そして、美しい日本語、カッコ良い日本語を知りたい、歌詞に反映させたいな〜と思って、やはり泉鏡花が良いんでないか、と。
まず最初に読むには何が良いのだろうと、Twitter・FBでつぶやいてみたところ、高野聖、草迷宮あたりをお薦めいただき、図書館でこの2冊を借りてきました。

 

 

私の借りてきた『高野聖』は、角川文庫の古〜〜いやつで、短編がいろいろ入ってたので読みやすいかな〜と、こちらから読み始め、その最初に入っている『義血侠血』を読み終えました。
前置き長過ぎてスミマセン^^;

◆ここから本題◆
わからない漢字も言葉も多く、結構とっつきにくかったんですが、終盤に入ると、もうぐいぐいと読まされてしまいました。なんか凄い力で。
後から考えると、何故いきなり水原友が村越欣弥にそこまで惚れこんじゃったかが全くもって不明ではあるのだけど…。
そんなこたあどーでも良い感じで読み進んでしまいます。
読み終えた時は、あまりの切なさにショックで呆然となってしまいました。
日本語の美しさも、やはり思った通り。例えばこんなの。↓↓↓

白糸の胸中は沸くがごとく、焚ゆるがごとく、万感の心を衝くに任せて、無念已む方なき松の下蔭に立ち尽くして、夜の更くるをも知らざりき。

是非自分のものにして、歌詞に反映させたいと思いました。
消えていく日本の文化も知ることが出来るのも良いですよね。
例えば「水芸人」って何だか分からなかったんですが、いろいろググッて出てきて出てきたこちらが参考になるかもです。
(ちなみに「水芸人」でググると、水のトラブルなら水芸人、ってのが出てきちゃいます・笑)

wikiってみると 、いっぱい映画化もされてるんですね。
溝口健二のサイレント、入江たか子主演の作品、すんごい観てみたいです。
ちなみに村越欣弥役は岡田時彦。岡田茉莉子のお父さんですね。




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感想(1件)


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Author:吉乃黄櫻
ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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