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鈴木邦男・川本三郎『本と映画と「70年」を語ろう』その6 2009.2.28

私、年をとることは悪い事ではない、自分は年をとる事に肯定的だ、と随分前から書いてきたと思うんですが、そして、あらゆる面で今でもその通りだと思うし、若い頃に戻りたいなんて思ったこともないんです。
それは、知識も増えて知恵もつき、人生経験も積んで若い頃より賢くなるから、という事なんですが、その反面、勿論体力の衰えだとか、お肌の調子だとか、しわだとか、い、いつの間に・・・ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン  
ってな事もいっぱいあって 物覚えの悪さとかも・・・ 、それは人間生きていれば、誰もが通る事であって、全く当たり前な事なので、逆らわずに自然に受け入れよう。

ってな事を思っていたハズなのに・・・、いざ実年齢言ってもビックリされなくなってみるとですねえ。以前はビックリされるから年齢言うのやだなー、なんて思っていたハズなのにですねえ。
ああ、このおでこのしわさえなければ、とか、全く興味なかったアンチエイジングなんてのもやらないと、とか、やっぱし思ってしまう訳でして。
「信じられんくらい若く見える」「化け物としか思えん (イザベル・アジャーニなんてそうだよね)」「年齢不詳」
ってなのに憧れる人って、物凄く多い気がするんで、以下の文は目から鱗な感じでした。

鈴木 「早く大人になりたい」とか、「早く老人になりたい」とか、「早く○○翁と呼ばれたい」という人は、昔はいたんでしょうけど、今はあんまりいない。みんな、ぎりぎりまで若さを維持したいという人ばかりですね。
川本 そうですね。「一生現役」とか、そういうこと言う人多いですね。
鈴木 昔の人なんかは結構三〇代ぐらいで○○翁とか言われたとか。でも今じゃ、四〇代でも若者じゃないですか。
川本 ええ。
鈴木 昔は、落ち着いた老人というか、手本になる老人がいたからそうなりたいと思ったんでしょうね。でも今はその手本がない。永井荷風のように、亡くなった人にしか見いだせない。


「ぎりぎりまで若さを維持したいという人ばかり」って、ほんっっとその通りだと思いました。



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テーマ : エッセイ/随筆
ジャンル : 本・雑誌

鈴木邦男・川本三郎『本と映画と「70年」を語ろう』その5 2009.2.25

にゃるほどと思った2箇所の引用から行きますね。

鈴木 アラブのテロは、日本のカミカゼに習ったんです。それ以前はないですからね、爆弾を抱いて突入するなんて。

にゃるほど、そっか!と思いました。
次の文、右翼や極端な左翼のことは良く知らんのですが、にゃるほど納得、そんな感じする~~と思いました。

川本 喜怒哀楽っていう言葉がありますね。これは、やっぱり人間の四つの感情なんですけど、右翼も、左翼の極端な人たちも、喜怒哀楽の中で持っているのは、おそらく怒りと悲しみですよね。
鈴木 ほう。
川本 楽しみとか、喜びがない。だから息が詰まっちゃうんですね。まあ、それはユーモアがないということにも通じるんですけど。ユーモアとか笑いというのは、人間がどんなに追い詰められた場面でも、何とか行きようとする力になるエネルギーでしょう。ところが、怒りとか悲しみというのは、それをむしろ死のほうに引きずり寄せていく感情ですよね。極右も極左も、その点では似ていると思いますね。


「ユーモア」ってのは、日本人は比較的軽視しているように感じるんですが、すっっっごく大事なことだと思っています。
多分次回最終回です。



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鈴木邦男・川本三郎『本と映画と「70年」を語ろう』その4 2009.2.23

私、時々書いてますが、実は家ではあまり本を読みません。
電車の中や、会社で読んでるので、本の為に新たに時間をつくる、ということは、あまりなかったりします。
電車で読む派ですが、読むために電車に乗るっつー事はした事がないのですが、川本さんの本の読み方が、実に楽しいので、引用です。

鈴木 僕は国営喫茶をつくるべきだと思います。日本の文化伝統のために。なかなか自分の家で本を読むってできない人が多いでしょう。本読みますか、自分の家で。
川本 自分の家で読む本というのは、仕事と関係ない、古本屋で買ってきた昭和初期の小説とか、現代と関係ないものを読むことが多いですね。それこそ鈴木さんの本を読むときは、電車に乗るんです。京王線に乗って、昼間だから座れるから、高尾とか橋本まで行って戻ってくることもあるし、高尾まで行ったら、その先中央本線のローカル線に乗って、大月のほうまで行くんです。そうすると、鉄道の旅を楽しみながら、本が読めるじゃないですか。新書だったら、往復で読める。現代を語った本は、そのほうが頭に入るんですね。家の中では、永井荷風とか井伏鱒二を読んでいるほうが楽しい。たまに仕事で北海道に行くときでも、飛行機では行かないんです。つまらないから。最近は夜行の本数が少なくなったから難しいけれど、行きは夜行に乗るんです。


よく高尾まで電車の旅してる友達がいますが、もっぱら夢の中です。(笑) 朝まで飲んで電車で寝落ち。

次回、にゃるほどと思ったのを2箇所ほど引用して、字数制限にひっかからなければ最終回です。
・・・のつもりでしたが、もう1箇所付箋貼り忘れたけど、書きたい箇所を思い出したので、多分残り2回になりますです。



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鈴木邦男・川本三郎『本と映画と「70年」を語ろう』その3 2009.2.20

◆ソクーロフ『太陽』◆
映画の感想こちらにUPしてますが、今自分の日記を読み返し、川本さんが同じ感想を持たれたのを知り、嬉しくなりました。以下引用です。

川本 イッセー尾形は素晴らしかった! かわいい天皇でした。ああいう天皇を描いたのは初めてじゃないでしょうか。子供みたいな天皇ですよね。

天皇を子供のようにかわいく描いた事で、実際右翼の人達は「天皇陛下を馬鹿にしてる!」と批判していたそうですが、鈴木さんは、右翼が映画館に行ってスクリーンを切るんじゃないかと心配されたそうですが、それはなかったんですね。
何故かというと、あの映画は「切り」づらいんだとか。
天皇が映っているからなんです。にゃるほど~~とこの辺も大変おもしろく読みました。
それと、ソクーロフが『太陽』をつくる前に、鈴木さんは助言を求められてたんです。以下引用です。

鈴木 いや、全く。ただ二点だけ異議を言わせてもらったのは、最初は「ヒロヒト」というタイトルでやると言っていたこと。もうひとつは全員ロシア人でやるということ。右翼の代弁をするわけじゃないけれど、それはかえって、ソクーロフさんの意図を誤解されますと言いました。日本人には天皇を「ヒロヒト」と呼ぶ習慣はないし、それだけで皆反発したり、観なかったりするかもしれない。だから「天皇」でもいいし、「エンペラー」でもいい。とにかくタイトルは変えたほうがいいんじゃないかと言った。そして、やはり俳優は日本人がいいんじゃないかと言いました。でも、ロシアには日本人とそっくりな顔の人がいっぱいいるんだという。実際に、ヒトラーを題材にした『モレク神』(99年) もロシア人でやったし、レーニンを描いた『牡牛座』(01年) もロシア人でやったと。あとで聞いたら、レーニンとヒトラーは同じ役者がやったんですね。その役者を今度、天皇にするという計画だった……。

次回につづきます。



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鈴木邦男・川本三郎『本と映画と「70年」を語ろう』その2 2009.2.19

◆戦争映画◆
にゃるほど、そうか!と思った一文を。

鈴木 ある評論家が「戦争映画にはすべてがある」と言っていた。友情もあるし、愛もある。戦いも裏切りもある。すべてを凝縮しているから「戦争映画はなくならない」と。なるほどなと思いました。日常生活でそういう殺したり、殺されたりっていう極限状況はないでしょう。

『靖国 YASUKUNI』とソクーロフの『太陽』についての所は、ひじょーに興味深かったです。
・・・とこう書いていくと、結構映画の話してましたね。(汗汗)
どこまで引用していいんだろか、と迷いますが、とにかく引用行きます。

鈴木 先日、『靖国 YASUKUNI』(監督・李イン) に対して、自民党の国会議員が事前に観せろと言ってきた問題がありました。
川本 鈴木さん、あの映画のチラシに推薦文をお書きになっていましたね。
鈴木 それでみんな、僕のところに抗議が来ている。「何でこんな反日映画の推薦しているんだ、ばかやろう」って叱られているんですよ。でも、その人たちは実は映画を観ていないんです。週刊誌で反日映画だと書いてあるので初めて知る。反日映画に文化庁が七五〇万円も金を出しているのはおかしいじゃないかと報道されているので知る。
 国会議員はさらに「われわれに観せろ」。配給側は、じゃあ試写会で観てくれと返答したら、試写会へ行く時間がないから、われわれだけに観せろ。「自分たちは国政調査権がある」なんて言っている人がいたんです。じゃあ全国会議員を対象に試写会をやるから、というかたちを取ったんです。
川本 それで、反応はどうだったんですか。
鈴木 いろいろ批判しています。思い上がりですよ。だって、公開されて一般の人が観て、その上で国会議員も「これはけしからん」と言うならまだわかりますが。
川本 誰かが具体的に被害を受けた事でもないのに、なんで調査なんて……。
鈴木 思い上がりがあるのでしょう、自分たちが観て批判してやると。それで、国民に観せていいかどうかわれわれが判断すると。何か勘違いしている。


いやー拍手!まったく同感であります。
長くなりましたので、ソクーロフの『太陽』については次回です。



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Author:吉乃黄櫻
ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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