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大塚ひかり全訳『源氏物語第一巻 桐壺~賢木』その8 2009.6.4

"月" も "山" に入ってしまったのか、胸打つ空をながめては、恋の恨みを訴えるので、御息所は積もり積もった辛さも消えてしまいそうです。
「ようやく、これで最後」と諦めたのに、案の定、かえって決心が揺らいで思い乱れます。


とあるのですが、ひかりナビでお勉強できていたので、意味がわかりましたよん。
六条御息所の伊勢下り前のシーンです。
以下ひかりナビより引用です。

「"月" も "山" に入ってしまった」とは、月=源氏が山=御息所の中に入った、つまりセックスしたことを表すのでしょう。直後、御息所の決意が揺らいだと描かれるゆえんです。手に入らぬ距離になると惜しくなって、すがる源氏の男心は残酷です。

そんな源氏を振り切って下向した御息所は立派です。
出来た女は幸せになれないのか…と考えてしまいました。以下の所も涙涙。 (´;ω;`)

御息所は、源氏を振り棄てながらも、どんな慌ただしい折にも即レスしているのが印象的です。返事の早さは『源氏物語』では思いの深さと比例しているようなところがあって、源氏が惹かれるのはこういう即レス女より、紫の上のように新枕の後朝の文の返事をしなかったり、藤壷や朝顔の姫君のようにめったに返事をくれない女であるのは確かです。

これって源氏に限らずな気がしてならないのですが、そんな所もこの小説が見事なところですね。
自分ももっと早く、こういうNO即レス的なテクを身につけておくべきだったと悔やまれます。 (´;ω;`)
『失われた時を求めて』の恋にも通じるところが多々ありますので、是非比べてみてください。



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大塚ひかり全訳『源氏物語第一巻 桐壺~賢木』その7 2009.6.1

『源氏物語』で見事だと思うのが、これだけ長く登場人物が多いながらも、把握出来るっつーのは、1人1人のキャラが皆個性的でおもしろいんですよね。
源典侍なんてキョーレツすぎ!!
ずーずーしいオバさんぶりを発揮しつつ、五十七、八にもなるのに源氏と頭中将ともエチーしてしまう所は、やるぢゃねえか!と感心してしまいます。スケベおばさん万歳!
これ↓もおもしろそうですよねー。



そして、前回寂聴訳で読んだときには、生き霊にまでなって出てくるなんて、スゴイ~おもしろい~オカルトだ~と大変おもしろく読んだ六条御息所。
今回私、この人に共感し、めちゃ可哀相に思ったんです。
入内を勧められたのを断って、源氏と関係したのに愛されず、その上化けて出て正妻を殺したような噂が立ったり。
この六条御息所、名高い教養人であり、文化サロンの女王だったんです。
彼女の歌を見ても、やはり流石だと源氏も認めている訳で。
以下、またまた「ひかりナビ」より引用です。

年上の優れた女として尊敬はしている。けれどメスとして愛でることはできない。今もありがちな男心です。それにしても源氏の「女の顔を立てる」姿勢には感心します。女の面目をつぶさぬために、嫌な手紙の返事もする。こういうことができない男のなんと多いことか。一言一句、訳していると、源氏って、ずるいけれども、やっぱり偉いと痛感します。

まあ、だから六条御息所も断ち切れないっつー事もあるかと思うんですけどね。
辛いですよねえ。
次回も六条御息所について、つづきます。



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大塚ひかり全訳『源氏物語第一巻 桐壺~賢木』その6 2009.5.29

私、前回寂聴訳で読んだ時には、光源氏ってぜんっっぜん良いと思えなくて、嫌なところばかり目がついちゃったのですが、今回大塚ひかり訳で読んでみると、こんな良い所もあるのだな、と思えた箇所が時々ありました。
そして、紫式部のどこが凄いかも良くわかります。
とんっっでもなく進んだ小説だったと思います。
『ジェーン・エア』よりも、ずっとずーーーっと昔ですもんね。驚きです。
以下「ひかりナビ」より引用です。

美人に惹かれるのが常道の当時の物語において、源氏はブスでもしとやかな空蝉のほうに心惹かれるという設定です。彼は容姿だけで女を選ぶ男ではないことがここで示されるのです。これは美男美女がくっつく物語を見馴れた当時の読者には新鮮な驚きを与えたはずです。多くの美しくはない女性読者の共感をも得たことでしょう。

末摘花にしたって、その醜さに驚愕しつつ、自分以外の男は我慢できまい、と結婚を決意するって言うんですから、凄いです。
そして、関わった女の面倒を最後まで見る所なんぞも、責任感があるんだなあ、と。まあモテるのも納得、みたいな…。
でも嫌な所、身勝手さ、ずるい所もちゃーんと描かれている所が、唸らされるのですね。
大塚ひかりのこれら↓の本も読んでみたくなりました。ううっ、また読みたい本が増えてもーて…。

      



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大塚ひかり全訳『源氏物語第一巻 桐壺~賢木』その5 2009.5.26

*18禁?

ひかりナビは、かなり露骨にハッキリと書かれていますので、こうハッキリ書いてあると、全くいやらしくないよなーと私なんぞは思うのですが、シモネタ苦手な人は苦手かも…。
昔の歌についての豆知識です。

 風俗歌や催馬楽はかなりダイレクトにエロいことが多く、「陰名 (くぼのな)」という女性器の名ばかりを並べた歌もあります。『源氏物語』を生んだ一条帝の時代、この手の歌が流行っていたのは注目すべきで、日本古典文学の校注に「王朝的典雅の対極には諧謔的猥雑の存することを忘れてはならない」と言い、同感です。露骨な性表現のない『源氏物語』は一つには、こうした歌を多用して性描写をしています。「セックス政治」が行われていた当時の性愛の重さを考えても、歌の文句一つとっても、現在以上にエロい意味が込められていると考えるのが自然ですが、下ネタが酒宴で歌われるのは、まぁ今の酒の席とさほど変わらないのではという気もします。

次回につづきます。



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大塚ひかり全訳『源氏物語第一巻 桐壺~賢木』その4 2009.5.24

寂聴訳で呼んだ時も「雨夜の品定め」は大変おもしろく読めた記憶があります。
そして、ココって、こんなに役立ちそうな事が書かれていたんだ!と以下の「ひかりナビ」を読んで思いました。

 雨夜の品定めは白熱しますが、改めて読むと、女にとって役立つことが満載。まず女には階級がある。「雨夜の品定め」では、最初に身分と育ちで上中下に女を分かちます。ところが左馬頭は「もう身分でも顔でも判断するのはよそう」と断言する。これは身分と顔で女の価値がほぼ決まっていた当時、現代人が思う以上に斬新な結論だったでしょう。いい女がいないと嘆く左馬頭のセリフからは逆に、男を惹きつける女の手練手管も学べます。手紙を出す時は差し障りのない内容で、墨つきほのかにという下りは、今なら、意中の男からメールが来てもすぐに返信しない。返信しても好意を丸出しにせず、次はもっとはっきりとした返事をほしいと思わせる。会っても自分を小出しにする。要はじらしのテクニックです。

上のように、今現在の恋にとっても役立ちそうな記述が多かったです。
いやー自分なんてもう、この点ぜんっっっぜんダメっすね。テクニックねえ…、身につけといた方が良いのかしらん……。真正直なもんだから、とっっても苦手です。_| ̄|○



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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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