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ジェームス・C・ヴァンダーカム『死海文書のすべて』その2

こちらからつづいてます。
私にとっては、この本、夜寝る前に読むと丁度良く眠くなってくれると言う類いの本でして(^▽^;) 、前回書いたように、知りたい情報は少なく、どこで発見され、どの団体が関わっているとか、 そういう事が事細かに正確に書かれている本です。なのであまり頭に入ってないと思います~(笑)
死海文書の内容について知りたかったので、完全に選本ミスでありました。
そしてWikiに書かれてあるように、死海文書を書いたのはエッセネ派説というのが以前は一般的だったそうなのですが、そのエッセネ派の「排泄物の始末」について書かれた所が、おもしろかったので、引用します。

彼らはつるはしで一尺くらいの深さの穴を掘り、そして神からの光の気を損じないよう、外衣で身をおおいながら、その上にしゃがむ。ついで彼らは掘り起こした土を穴の中にかぶせる。このために彼らは人気のない場所を選ぶ。この排泄は自然な働きであるが、彼らは、排泄の後、あたかも汚されたかのように、身を洗い清めることにしている。

こ、これはっっ!
まるで猫ではないですかっっ!

ところで、次回は死海文書に関する本とかではなく、そのものの翻訳本を読んでみたいと思っている訳ですが、訳者が使用しようとして、あまりにも読みにくいものであるためにやめたと言うのが、日本聖書学研究所編『死海文書』(山本書店、一九六三年) と言うことなので、この本は避けようかな、と思います。



んで使用したというペンギン・ブックスのヴェルメシュ訳って、翻訳本ではないのでしょうね。
この読みにくいやつ以外ないのでしょうか。(;_;)
こんなニュースもあったので、今後に期待という感じなのでしょうか。



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ジェームス・C・ヴァンダーカム『死海文書のすべて』その1

エヴァンゲリオン観てから死海文書の事が知りたくなってしまった私。
図書館にある中で密林チェックして評判の良いのを借りてみました~~



確かにレビュー通りのきちんとした本なのだと思いますが、死海文書がどこで発見されたか、だとか、背景だとかが主な本でして、知りたい情報があまりなかったと言う・・・
中身が知りたかったので、翻訳本みたいなのを探すべきでした。まあタイトル見ても、よくわからんのですが…。

そんな中でも時々は内容についての紹介もあったりしまして「戦いの書」の所を引用しようと思います。
その前にザッと説明しますと、「戦いの書」は終末論的なもので、「光の子ら」と「闇の子ら」 と呼ばれる者たちの間で戦われる四十年戦争の事が書かれているそうです。以下引用。

 これは神の民にとっては救いの時、神の一団の者たちすべてにとっては支配の時、サタンの一団のすべてにとっては永遠の破滅の時……。キッティームの支配は終わり、不正は跡形もなく消え去る。闇の[子らにとって]逃れる術はない。[義の子ら]は地の果てまで輝きわたる。闇の季節がすべて尽きるまで、彼らは輝きつづけ、そして神によって定められた季節に、その方のいやましに高められた偉大さが、すべての光の子らの平安、祝福、栄光、喜び、そして長寿のために代々にわたって輝く。

 この戦争は、他の章節においては「報復の日」とか「神の戦闘」と呼ばれたりしている。いくつかの行でも、光の子らは単独で戦うのではなく、彼らの同盟者である天使たちと戦う、と述べられている。だがあいにく、闇の子らも天使たちを味方につけるため、その衝突は最後の戦闘まで引き分けに終わる。第一欄は、光の子らが闇の子らに優勢になる三度の「割り当て」について語る。これは明らかに、どちらの側もその戦闘で三度勝利者になることを意味する。三勝三敗の戦闘の後、「七度目の割り当てのとき、神の力強いみ手が[サタンの軍勢と]彼の王国の天使たち[すべて]と[彼の一団の]成員すべてを[永遠の破滅の中に]打ち倒す」。この終末論的な戦争は、人類史における善と悪、光と闇の間で進行中の抗争を反映させる。ただ神だけが正義に味方してその均衡を破ることができる。

このくらいにしておきます。^^;
後の方に、わかりやすく要約された文が出てました。

戦いの書は光の子らと闇の子らの間の最終の戦いを評述する。どちらの側にも天使がついて戦うが、神は、頃合いを見はからってその争いに決定的な仕方で介入し、勝利を光の子らに引き渡される。

エッセネ派の排泄物の始末の所がおもしろかったので、次回コレを引用してザザッと終わりたいと思います。


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アーサー・C・クラーク『前哨』 2008.6.12

1940~50年代に書かれた短篇集です。
『幼年期の終り』でほとほと参っていたアーサー・C・クラーク、一緒に図書館で借りていたこの本を手にとると、短編集なので少しホッとしました。(^^;)
と思ったのも束の間。最初は、やはり長編より楽だ!と思ったのですが、読み進むにつれ、さっぱりわからん!!じょーたいに陥る事もしばしば。
そんな中、「破断の限界」と「優越性」は、大変おもしろかったです。
隕石によって予備の酸素がなくなり、宇宙船で2人のうち1人なら生き残ることが出来るという状況での心理劇。
話の展開が実に上手くて、飽きさせません。
その「破断の限界」より引用です。

本当に悪いニュースは、どうやらつねにたしかな裏づけをともなってやってくるようだ。眉つばなのは、いい知らせにかぎるらしい。

にゃるほど、真理をついてる気がしゅる~~

「優越性」は、カフカ的ユーモアだと思いました。かなり好きです。こんなユーモアのセンスもあったなんて!いやはや凄いっす。

本のタイトルになっている「前哨」は、この作品に想を得てキューブリックが映画『2001年宇宙の旅』を作ったのだそうです。
モノリスの原型が出てきます!



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アーサー・C・クラーク『幼年期の終り』その2 2008.6.11

この小説、1953年に書かれているのですが、全く古くなく斬新な所は流石です。
そして、次の文などは、まるで現代を予言しているかのようです。

世界はいまや泰平無事で、なんの面白味もなく、そして文化的には死んだも同然だ。オーバーロードがやってきて以来、本当に新しいものは一つとして創造されていない。そうなった理由は明白だ。そのために戦うべき目的が、なに一つ残されていないからであり、あまりに多くの気晴らしや娯楽がありすぎるからでもある。現在では、ラジオもテレビも、あらゆるチャンネルから、毎日述べ五百時間にもなろうという番組が氾濫している。あなたはこの事実に気づいていますか? 一日中ねむらず、ほかのことは一切せずにラジオ、テレビにかかりきっていても、毎日スイッチをひねるだけで、出てくる娯楽番組の二十分の一も見聞きできないのですよ! 人類が、受動的なスポンジに――吸収するばかりで決して創造しない動物になってしまったのも不思議はない。現在、一人あたりの平均視聴時間は、日に三時間にもなっておるという事実をご存知ですか? このままでいくと、近いうちに人間は、自分の人生を生きることをやめてしまうかも知れない。テレビのシリーズものに遅れないようについていくのが、一日がかりの仕事ということにもなりかねないのです!

現代なんて、3時間どころぢゃないんぢゃないかと・・・。
自分なんて、CATVが観られるようになってたら、とんでもなく忙しくて大変ですし。(汗汗)
録画した映画とインターネットとギターと、何故こうも仕事以外でいそがしいんだーーーたまにはぼ~~っと何もせずに過ごしたい~~!なんて思うこともしばしばです。

それと、この小説、『2001年宇宙の旅』のスターゲイトを思わせる、〈スタードライヴ〉なんてのも出てきます。

アーサー・C・クラークは、大学では物理学と純粋数学、応用数学を専攻し、その後は電気技術大学の教員になったり、物理雑誌の副編集長をやったり、小説を書きながら、ラジオ・テレビで科学解説や講演をやったり、宇宙科学の解説者としてレギュラー番組を持ったりしていたそうで、それだけ飛び抜けた科学の知識があったからこそ、こういう矛盾のない計算されつくされた凄い小説が書けたのだと思います。



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アーサー・C・クラーク『幼年期の終り』その1 2008.6.10

幼年期の終り

『2001年宇宙の旅』(感想こちら) を読んだ時も、苦手~と思ったんですが、やはりアーサー・C・クラークは苦手です。(^^;)
話としては、すごくおもしろいし怖いので、なんとか頑張って全部読んだものの、途中かなりだるくて辛い読書でした。
元々SFは得意ジャンルではなく、ほとんど読んでいないと言う事もあるかもしれませんが。(やっぱ理数系はダメだ~~)
と言いつつ・・・それでもこの小説は凄いんです。

私、ジョン・レノンの「イマジン」が、どーにも好きになれん、という事を、度々書いているのですが、あの「イマジン」で歌われているユートピアの世界って、まさにこの『幼年期の終り』で描かれている世界だと思うんですよ。
以下引用です。

 それ以前のあらゆる時代を標準にしても、現在はまさしくユートピアだった。無知、疫病、貧困、恐怖などは、もう事実上存在しなかった。戦争の思い出は、悪魔が暁とともに消え去るように、過去へと消え失せていった。―中略― 生産は大規模に機械化され、無人工場が絶えまなく消費物質を市場に送り出したので、一般の生活必需品は事実上無料になった。人間はただ自分の望む贅沢のために働くか、それともまったく働かないかのいずれかだった。

・・・と引用した箇所を読むと、ちょっと違うかも。(^^;) でも国境も人種もなく、ってな事も、確か書かれていて (違っていたらスミマセン) もろ「イマジン」の世界だーと思った訳でして。
わたしゃ、そんな世界が良いものだとは到底思えない訳でして、それを、この小説が解明してくれてるぢゃないの!と思ったですよ。
そのユートピアは、異星人に支配された世界なのですが、もう実に実に恐ろしいことこの上ないかと。
アーサー・C・クラークの優れた所は、理数系のみに走らず、人間の本質を見抜き、心理描写にも優れている点だと思います。
異星人オーバーロードであるカレルレンのセリフを引用です。

あなたは、ドイツの独裁者ヒットラーの活動が、どれだけつづいたと思う? もし彼が、どこに行こうと絶えず耳に囁きかけてくるしずかな声を聞いていたとしたら? あるいは、うるさい歌の一節がくりかえし耳もとに鳴りひびき、他のあらゆる音を呑みこんで、眠りをさまたげ、夜も昼も彼の脳髄を錯乱させたとしたら? この方法に、なんら残忍さのないことは誰でも認めるだろう。しかし、最終的な分析の結果を見れば、トリチウム爆弾とまったく同様な効果があげられるのだ」

こんな、ちょっとしたセリフに、その恐ろしさとクラークの頭の良さが散りばめられています。
そして、地球に対する警告、メッセージも込められているのではないかと思いました。以下同じくカレルレンのセリフより引用です。

「諸君の種族は、諸君自身の、どちらかといえば小さい惑星の問題を処理することにすら、驚くほどの無能ぶりをしめした。われわれがやってきたとき、諸君ら人間は、科学がほんの僅か性急に諸君に与えた力のために、自から絶滅への道を辿ろうとしていた。われわれが干渉しなかったら、いまごろ地球は放射能まみれの砂漠と化していたろう。

長くなったので、(いつもの事ですが(^^;)) 2回に分けます。




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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
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