スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ラシーヌ『アンドロマック』その2 2006.3.30

とりあえず、解説から、だいたいの所を把握していただこうかと…。以下解説より引用。

 トロイア戦争において、ギリシャ方の英雄アキレウスに倒されたトロイアの武将ヘクトール、その後に残された妻アンドロマックは、トロイア落城に際して、他ならぬ夫の的アキレウスの息子ピリュスの女奴隷にされる。しかし、そのピリュスは、亡きヘクトールの妻アンドロマックに胸の炎を燃やし、自分に靡かぬなら、ヘクトールと忘れ形見アスチアナクスを殺害すると脅迫している。死者への愛に忠実であろうとしてピリュスの愛を拒否するアンドロマックを一方の極に、そしてピリュスと、ピリュスを愛する婚約者エルミオーヌを挟んで、もう一方の極には、そのエルミオーヌに宿命の恋を捧げるオレストを配した「片思いの連鎖」。悲劇『アンドロマック』が、トロイア戦争の終盤戦、エンドゲームとして成立するのは、まさにこの「死者に繋がれた情念の連鎖」によってである。

って訳でして、もうどいつもこいつもっつー話なんです。
好きなら相手の幸せとか気持ちとか、ちっとは考えるものだと思うのですが、この人達と来たら、とにかく自分の思いを強引に遂げようとするばかり。

ピリュスもそうとうヒドイですが、アンドロマックも、これがまた、ちと虫が良すぎないっすか~?と言いたくなるセリフが。以下引用。

 いいえ、敵方の悲惨にもお目をかけられ、
 不運にあえぐ者どもを救い、息子を母の手に返し、
 その子のためには、あまたの国の冷酷な要求をも打ち破り、
 しかも命の代償に、この身の愛をお求めになることもなく、
 わたくしの心がどうであれ、必要とあらば、その子に隠れ家を賜わる。
 これこそ陛下、アキレウスの御子にふさわしいお心遣い。


次のオレストのセリフは、サド小説を思い起こさせられました。
そしてこれは、『フェードル』のイポリットにこそふさわしいセリフだと思います。

 俺には分からぬ、いつでも何か不正な力が、
 罪ある者を平穏無事にしておきながら、罪なき者を追いまわす。


p.89の「思い起こすのだ、セフィーズよ、」で始まるセリフは、実に詩的。
ダンテの神曲と同じく、アナフォラの型式ってやつですね。
そーいや「あれはあれでいいのかね」の人消えたですね。

中でも、いちばんとんでもねーと思ったのがエルミオーヌですが、それについてはまた次回。

フェードル アンドロマック
恋の女神ヴェニュスの呪いを受け、義理の息子イポリットに禁断の恋を抱くアテネの女王が、自らの恋を悪と知りながら破滅してゆく「フェードル」。トロイア戦争の後日譚で、片思いの連鎖が情念の地獄を生む「アンドロマック」。恋の情念を抗いがたい宿命の力として描くラシーヌの悲劇が、名訳を得てここに甦る。


フェードル アンドロマック (岩波文庫)フェードル アンドロマック (岩波文庫)
(1993/02/25)
ジャン ラシーヌ

商品詳細を見る


クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ

スポンサーサイト

テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

ラシーヌ『アンドロマック』その1 2006.3.29

ラシーヌの『フェードル』は、ゴダールも『右側に気をつけろ』でつかってたり、いろんな本読んでると、至る所に出てくるんですよ。
確か『失われた時を求めて』でも出てきた記憶があるのですが…。サラ・ベルナールの舞台だったか?

右側に気をつけろ [DVD]右側に気をつけろ [DVD]
(2005/11/25)
ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・ペリエ 他

商品詳細を見る


ジャン=リュック・ゴダール DVD-BOX(4枚組)ジャン=リュック・ゴダール DVD-BOX(4枚組)
(2005/11/25)
ジャン=リュック・ゴダール、アンヌ=マリー・ミエヴィル 他

商品詳細を見る


なので、いつか読まねばなるまい、と思っていたら、図書館で岩波文庫の渡辺守章訳の『フェードル アンドロマック』を見かけたので、借りて読みました。
『フェードル』目当てで借りたのですが、私は『アンドマック』の方が断然おもしろかったです。
片思いの連鎖のすごいのなんのって !
オレスト→エルミオーヌ→ピリュス→アンドロマック
そして、アンドロマック→オレストと来れば、完全なる円が出来る訳ですが、アンドロマックは亡くなった夫のヘクトルをずっと思いつづける訳です。

ただ、これ、ちと説明不足とゆーか…読む前にトロイア戦争の事を知っておく事が必要かと思われます。彼等の子供達の話なのですが。
私もいちおうホメロスの『イリアス』読んでますが、結構戦争の話ってめんどうで苦手なんすよ。
なもんだから、きちんとは把握できてなかったり忘れてたりしてまして、この人はギリシャ側だったけ?トロイア側だったけ?てな感じでして(^^;)、最初はよくわかんないまま読んだのでした。
しかも訳注がすんごい多いもんだから、訳注と行ったり来たりしながらですからね。
イリアス(上)
イリアス(下)

読了してから、訳注無視しつつ再読したら、実におもしろいぢゃないの !
『フェードル』の方は面倒で再読せず。

ちなみに、私はまだ未読ですが、元ネタとして、エウリピデスの『アンドロマケー』、セネカの『トロイアの女』、ウェルギリウスの『アイネーイス』を読んでおくと、ラシーヌぽい所が良くわかって、おもしろいかと思います。『アイネーイス』は前から読んでおきたいと思っていたのですが、図書館にあったのだけど、すんごいブ厚いハードカバー。とても持ち歩けんっつーぐらいの。
文庫本は品切れで、古本高いっす。_| ̄|○
ちなみに、『フェードル』の場合は、エウリピデスの『ヒッポリュトス』を読んでおくといいみたい。

・・・って訳で、前置きだけで字数いっちゃいまして(^^;)、すみません。次回につづきます。

フェードル アンドロマック
恋の女神ヴェニュスの呪いを受け、義理の息子イポリットに禁断の恋を抱くアテネの女王が、自らの恋を悪と知りながら破滅してゆく「フェードル」。トロイア戦争の後日譚で、片思いの連鎖が情念の地獄を生む「アンドロマック」。恋の情念を抗いがたい宿命の力として描くラシーヌの悲劇が、名訳を得てここに甦る。

セネカ悲劇集(1)
ヒッポリュトス

フェードル アンドロマック (岩波文庫)フェードル アンドロマック (岩波文庫)
(1993/02/25)
ジャン ラシーヌ

商品詳細を見る


クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ


テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

アポリネール『聖公爵』 2006.3.28

河出文庫の『一万一千の鞭』に入ってる作品で、二十世紀になってのサド再評価の先駆の一つとなったそうです。
ここの所、生田耕作氏の薦める近代エロス文学をいくつか読み、それらに見られるサドの影響の凄さを実感してます。まずはサドありき、という感じ。
エロだけに限らず、サドの無神論哲学も、多大な影響を与えています。
やはり ! と思いましたが、この本によると、ニーチェがサド侯爵の抒情的哲学と精力的思想をわが物にしてみせると憚らず語ったそうです。
サドについて書いたものはこちらから~。

ド・サドその人は、執政政治と帝政の上級裁判権の裁判外の犠牲となった人間の原型なのである。との文が印象的でした。

アナトール・フランスは「サド侯爵のテクストをパスカルのそれと同様に扱う必要はない」と蔑んで書いたそうですが、エミール・シュヴェという人はすでに1882年に、サド作品の、ある力と偉大さを認めていたそうです。その『男らしさ』という作品が引用されています。

  侯爵よ、君の著書は強烈だ、だから将来なんぴとも、
  これほど卑しく汚濁に身を沈めることはないだろう、
  魂の毒素をごっそり集め、こんな花束にまとめてしまう芸当は、
  君のあとなんぴともできるものでない……

  ……少なくとも、君、淫猥を見るその眼力のしたたかなことよ !
  強姦、親殺し、近親相姦それに掠奪が
  君の文章に充満し、だからわれわれ人間は、この横腹に君の人喰いミューズの吼え声を聞く……


澁澤龍彦の『サド侯爵の生涯』も是非読んでみてくださいね。ココココに感想UPしてます。

ところで、解説に、アポリネールはローランサンと恋仲だった事が出ています。
そして、ぬわんと、私の大好きなアンリ・ルソーが、アポリネールとローランサン絵を描いてるんですよ !
「詩人に霊感を与えるミューズ」という絵です。コレですよん。
私の部屋にはルソーの「ライオンの食事」のポスターが貼ってあります。

ルソー「ライオンの食事」 プリハード 世界の名画 目安サイズ8号 額縁Jルソー「ライオンの食事」 プリハード 世界の名画 目安サイズ8号 額縁J
()
世界の名画

商品詳細を見る


こちらも勝手に拝借。すみましぇん。

血と薔薇コレクション(1)



クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ

テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

アポリネール『一万一千の鞭』 2006.3.18

*またまたR指定でお願いしますっっ

まず、おもしろいのは、この序文をルイ・アラゴンが書いていて、ルイ・アラゴンの『イレーヌ』の序文を、マンディアルグが書いているのです。
そして、マンディアルグは本『ボマルツォの怪物』の中の「ジュリエット」で、サドについて書いていますが (こらちを是非)、この本 (河出文庫) に載っている「聖公爵」(植田祐次 訳) では、アポリネールもサドの事を書いているのです。
このように、アポリネール、ルイ・アラゴン、マンディアルグが繋がっている所はおもしろいではあーりませんか。

ボマルツォの怪物

さてさて、この作品ですが、流石詩人、詩的なリズムでおもしろく書かれています。
結構笑える所満載です。
男同士69している所に召使が手紙を盆に載せて入ってきて…その手紙の内容から、
 公とコルナブーはお互いに行なっていた69によって自分たちの感激を表明した。
なんて……。(笑) 召使も驚かないっつー事は日常かよ?と。

*次の文は食事中・食事前の方は御注意を !
これも笑えてしまいました。

 やがてとがったわずかなう●この小さな先端が現れてき、それは、頭を出すとすぐに洞穴の中にもどってしまった。それはまた現われ、船の大索のように静かに放出された。
*一部伏せ字にしました

しかし、何なんだろなーと思うのですが、詩の感想の所に書きましたが、何か苦手な部分があるのです。
何とゆーか…オヤジにセクハラ受けてるよーな感覚を覚えてしまうのです。
これだけエロ小説読んでるのに、と自分でも不思議なのですが、この正体は何なんだろなあ…と考えている所です。
あまりに情熱的かつ素直でストレートだからでしょうか…。

ちなみに、「シュルレアリスム」という言葉は、アポリネールのつくり出した語だとか。すごーい !

  

クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ


テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

ルイ・アラゴン『イレーヌ』その2 2006.3.17

*R指定でお願いします。

巨乳流行りって、少し落ちついてきたのでしょうか。
トリノオリンピックで注目を浴びたフィギュアスケートの選手なんて、皆小さいですしね。コーエンなんて特に…
しかし世の中オッパイ星人なんてのがごろごろいる訳なのですが、好かれるのは有り難いとは思いますが、これがもうほんっっとに大変なんすよ。サイズがでかい分、その重みに背中で支えきれずに、肩から背中にかけての凝りがすんごいんです。
毎日背中の痛みに悩まされてるんですよ、まぢで。
誰か対処法教えてくださーい。まぢ辛いっす。(泣)

・・・と前置きが長くてすみましぇん。
普段あまり考えた事がありませんでしたが、男性は男性で大変なんだなあ、と思った文に遭遇したのです。

 始末に困るのはち●ぼうという厄介なしろものだった。はじめのうちはなんでもない様子をしている。こっちも問題にしない。そのうちに時間が経つ。そいつの重みを感じだす。立ってみたり、坐ってみたり。私の場合は胸がつかえる。そこまでいかなくとも、食事のあとは、どういったらいいか……腹にもたれるような、身動きが苦しいような。
*一部伏せ字にしました

後半は、独り言のような文が続くのですが (ま、ずっと独り言な訳ですが…お××こから離れての独り言です)、これがまた、結構共感できたりしました。そして流れるような詩的な文が実に見事 !

 他人の暮らしを物語る連中がいる。或いは自分たちの暮らしを。なにを手がかりに彼らはそいつをつかまえようというのか? 要するに彼らはなにもかも要約してしまうまでのことだ。階段だろうと隙間風だろうと。他人の暮らしにしても自分がそこに聞き取れることを聞いただけだ。だけどたとえそうだとしても、そいつは違ったふうに変えられちまうだろう。

この小説が、作者名も発行所も明かされずに刊行されたその年、同じく匿名でバタイユの『眼球譚』が発表されてるそうです。
眼球譚

『眼球譚』は19ぐらいの頃に読んで、大衝撃でした。今だにこれこそ現代エロス文学の最高傑作だと思っているのですが、今の自分が読んでどう思うか、ちと再読してみよっかと思っています。
こうなったら、今年はとことんエロでいっちゃいますかね。

  

クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ

テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

ルイ・アラゴン『イレーヌ』その1 2006.3.16

*R指定でお願いします。

生田耕作の『黒い文学館』で紹介されていたこの小説。(こちらに感想UPしてます)
ココで引用した文は、そっくりそのまま、『イレーヌ』の後書きに出ているものなのですが、『イレーヌ』の後書きの方は「女陰」の部分が、もろ例の4文字で書かれています。(^^;)
いやはや、しかしスゴイタイトルっすね。
原題は『Le Con d'Irene』。
白水Uブックスに合うブックカバーがないので、まあ、だいじょぶだろうと、私このまま電車で読んでいたのですが、裏表紙にこのフランス語のタイトルが出ているので、もしフランス人とかフランス語わかる人が見たらやべえな、と思いました。(^^;)

んで、小説ですが、実に実にイレーヌのお××こに対する愛情が切実に伝わってくるお話です。

 おお イレーヌのえも言われぬお●●こよ !
*一部伏せ字にしました

そして、上の文につづく、p.115からの「とても小さい、それでいてとても大きい ! 」から始まる文の、なんと美しい事よ。これほど美しいお××こに対する描写は見た事がありません。
カミュは、「エロティシズムの領域における最も美しい文章」として賛えているそうですが、全く同感であります。

次の文なんかも、実に良いではないですか。

こうして私はジャンティ・ダニエルという名の荷車引きの家で、イレーヌと知り合うことになったのだ。彼女は文節の貝殻の中から誕生するのだった、突然。

「文節の貝殻の中から」なんて、この美しさにハッとさせられます。
アンドレ・マッソンの挿絵にも注目 !

またまた長くなっちゃいましたので、次回につづきます。


  

クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ

テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

ヘミングウェイ『武器よさらば』その3 2006.3.15

戦争の場面から、2人の世界へ、そして戦争が別世界のものになり…この辺の対比が実に鮮やか。
この映画は観てないのですが、ヘミングウェイというのは、映像化したくなる文章を書いているように思います。映像として目に浮かびます。

そして、感情がすごくダイレクトに伝わってきて、とても切なくなる小説でした。
ちなみに、ア●ゾンレビュー見たら、思いきりネタバレされてました。
筋書きは書かなくていいっちゅーねん。
以下、解説より引用。これは、この作品の特徴を正確に言い当てていると思います。

ヘミングウェイの他の多くの作品がそうであるように、ここでも主人公は、みずからの重荷を負うて、素手のまま世界の無意味さ愚劣さに堪えねばならぬのであり、そうした黙々たる忍耐のポーズに、主人公の存在理由のすべてがかかっているのである。

後半はキャザリンと2人がメインになりますが、前半の、戦友リナルディや牧師との交流も良かったです。

新潮社世界文学全集 大久保康雄・訳で読みました。

作品名から引ける世界文学全集案内

 

クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ


テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

ヘミングウェイ『武器よさらば』その2 2006.3.14

ちと間があいてしまいましたが、これのつづきです。

前回、ブコウスキーとの共通点として<<正しく鋭い目を持ち、とてもストレート>>だと書きましたが、にゃるほど、そうかもしれない、と思った1文を引用。

私は酔いにまかせて、人間が、やりたいと思いながらやらない事情、やりたいと思うことに限って人間は決してやらぬものだ、というようなことをしゃべった。

次のは、私もよく思う事です。

人間は、他人と一しょにいるとき、自分を孤独に感じるものだ。

次のセリフは、実にうまい言い方ではあーりませんか。

まあぼくは、二割三分は打つが、それ以上は打てないことを知っている野球選手みたいなものさ

この小説は、戦争小説という見方もありますが、戦争のなかにめばえた恋愛の物語と言っていいと思います。
相手のキャザリンという女性のキャラは、いまいち好きになれない部分もあったのですが(^^;)、ちょっと変っつーか…。
主人公のフレデリック・ヘンリーは、彼女の事を最初は何とも思わずに、会いに行っていた訳ですが、ある日、行ったら会えなかった時があったのをきっかけに、恋心が発生するんです。これって結構ありがちな気がします。わかるなあ。
やがて、キャザリンは妊娠するのですが、まるで体内に宿った生命の事を思う気持ちが皆無のように思えます。逆に憎みさえしているような感じがしてしまいました。
お腹の赤ちゃんの事より、自分の体型がくずれる事ばかり異常に気にしてるんですよね。こーゆー所が共感できなかったのでした。

またまた次回につづきます。

 

クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ

テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

ヘミングウェイ『武器よさらば』その1 2006.3.11

私の愛する作家ブコウスキーは、作品の中で、ほとんどの作家をけなしてるように思いますが (ドストエフスキーやゴーゴリさえも)、彼が唯一誉めていたり、好きだと宣言しているのが、私が見た限りでは、セリーヌとヘミングウェイだったと思うのです。

夜の果てへの旅(上) 夜の果てへの旅(下)

そんな理由だけでなく、いつか読まねばと思っていたのですが、大変恥ずかしい事に未読なのでした。なんとなく先伸ばしになってしまって…。
ヘミングウェイならいつでも読めるだろ、とか思ってしまって…。絶版もなさそだし。

そして、ちょっと前に、NHK-BSの映画を録画したついでに、その前か後にやっていた短い番組でヘミングウェイを取り上げていたので、ついでに録画して見たのをきっかけに、ちと読んでみよっかなと思いまして、うちにあった世界文学全集の31『武器よさらば・日はまた昇る』を読みました。
作品名から引ける世界文学全集案内
その番組は、矢作なんとかっつー作家がやたらエラそうでかっこつけてて、いまいちだったのですが。

んで、読んでみたら、ブコウスキーの原点発見 ! でした。かなり影響受けているのではないでしょうか。まあ訳されたものを読んでいるので、わからない所もありますが、文体なんかひじょーにブコウスキーはヘミングウェイ的なのだな、と思ったり。
次のなんて、もろブコウスキーぢゃん。

いいウィスキーの上等なやつは楽しみなものだ。人生の楽しみの一つだ。

作品に出てくる人出てくる人、とんでもない大酒飲みな所がまたブクですね。
フツーは飲みに行けば、数人でワイン一瓶ってなもんですが、1人数本単位だったり・・・。(笑)
シャンペン3人で3本あけたりしちゃうんだもんな。6本だったかな。

そして、正しく鋭い目を持ち、とてもストレートな所が、また、ブコウスキーとの共通点だと思いました。

この2作は、もう一回読んでから感想書こうかと思ってたのですが、ハードカバーだし再読がなかなか大変。いつになるかわからんので、とりあえず書いておきます。(『日はまた昇る』の方はどうしよっかと考えてるのですが)
読んでからだいぶ日数が経ってしまったよ…。
次回につづきます。

 

クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ

テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

トーベ=ヤンソン『ムーミン谷の彗星』その2 2006.3.9

この本の良さは、哲学的な所にもあると思うのです。
「彗星って、ほんとにひとりぼっちで、さびしいだろうなあ……。」というムーミントロールのセリフとか、「なに、いそがしい。そうか、みんないそがしがって、がさがさしよって。この世界には、どこにも平和がないわい。」というヘムルのセリフなど。

それぞれが実にジコチューで自分勝手だったりする所が、またおもしろくもあり、イラつく所でもあります。(笑)
自分の容姿ばかり気にしているスノークのお嬢さんとか、あまりに相手に対して思いやりのないキツイ言葉を吐くムーミンとか、弱い自分よりも弱いものを求めて安心したいスニフとか。
好感が持てるのは、スナフキンと、ムーミンママ、ムーミンパパだなあ…と思い、フと気づくと、皆大人ではありませんか。にゃるほど、これは子供の世界なんですね。
誰もが子供の時は、こんな感じだったのではないでしょうか。

それにしてもスナフキンは素敵です。惚れちゃうね。♥

最後に、ムーミンママの歌う子もり唄がとても素敵なので、これを引用して終わります。

  ねむれ いとし子たち
  空は黒く
  いくつもの 流れ星さまよい
  そのゆくえを知らず
  ねむりて ゆめを見
  さめては ゆめをわすれよ
  夜はちかく 大空はさむい
  百もの子ひつじ
  大空の牧場をさまよう


   

ムーミン谷の彗星 [DVD]ムーミン谷の彗星 [DVD]
(2006/12/22)
高山みなみ、かないみか 他

商品詳細を見る


クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ

テーマ : 児童文学・童話・絵本
ジャンル : 小説・文学

トーベ=ヤンソン『ムーミン谷の彗星』その1 2006.3.8

だいーーーぶ前に、『たのしいムーミン一家』と『ムーミン谷の彗星』は私の本棚にあったのですが、時々絵を眺めて楽しんでいたものの、未読でした。
プーさんを読んだ後に、なにげに思い出して『たのしいムーミン一家』を読んだのですが、なんかいまいちつまらなくて感想も書かないままでいました。そして、持っているもう一冊のコレは読まずにいたのですが、それから数日後に、新聞でこの『ムーミン谷の彗星』が紹介されていて興味を覚え、こちらも読んでみたら、実におもしろいではあーりませんか !
なんとゆー人間くさい人 ( 妖精?) 達なのでしょう。
彗星が接近して地球に衝突すると言う、なんとも恐いお話なのです。子供が感じる恐怖や孤独等が実によく描けていると思うのです。そんな重大時にもとぼけた所もあったりするのが、またおもしろいです。そんな事してる場合かよっ ! と思いつつ。(笑)

ムーミントロールがスニフと一緒に天文台に、この事を調べに冒険の旅に出かけるのですが、 スノークのお嬢さん (アニメではノンノン) やスナフキンとも、この時に出会うのです。
スナフキンとの出会いの箇所ではびっくらこいちゃいました。ムーミンはカバみたいだけど妖精だと言う事は (ですよね?確か) 知っていたけど、スナフキンは人間のような気がしていましたが・・・・・・以下引用。

 ハーモニカの音がやんで、テントからは、一ぴきのムムリクがあらわれました。みどり色の古ぼけた帽子をかぶって、パイプをくわえています。

これがスナフキンなんですぜ、あーた。ムムリクという生き物なんですね。ムムリクって何だろ。

長くなったので次回につづきます。

   

ムーミン谷の彗星 [DVD]ムーミン谷の彗星 [DVD]
(2006/12/22)
高山みなみ、かないみか 他

商品詳細を見る


クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ

テーマ : 児童文学・童話・絵本
ジャンル : 小説・文学

アポリネール詩集 2006.3.7

図書館でたまたま見かけて借りてきました。
だんぜん良かったのが『動物詩集 または「オルフェさまのお共の衆」』。
小さいきらわれものの虫にまでも思いをよせる所は、シュヴァンクマイエルのアートや、ガレやラリック等も連想しました。以下引用。

  虫類
    オルフェの言葉
 
 千の足を持ち 百の眼を持つ
 この忌わしい一群を
 もう一度よっくごらんよ
 そいつらは 世界の七不思議より
 ロズモンドの宮殿より
 より美しい担輪類であり
 壁蝨であり 昆虫であり 黴菌だ


  蚤
 
 蚤も 友人も 恋人も
 どれも 僕らを愛するものは残酷だ !
 僕ら血はすべて彼らに吸われる
 ああ 愛せられるのは禍いだ


  蛸

 天へ向って墨汁を吐きながら
 愛するものの生血をすすり
 そうしてデリシャスに感じている
 この不人情な怪物は僕だ


  海月

 君ら海月よ 紫色の毛の生えた
 世にも不幸な頭よ
 君らは好んで暴風雨の海に住むが
 僕も君らのように暴風雨が好きだ


蛸 (たこ)、海月 (くらげ) なんてカッコイイではあーませんか。

そしてやはり『アルコール』。
あの「ミラボー橋」や「ローレライ」、そしてこれは『カリグラム』に入っている、辻芸人の事をうたった「雲の幽霊」等は、実に実に美しい傑作です。
『秘めごと歌』はドキッとするほどエロいです。
「あんたの肉体の九つの戸口」なんて、タイトルだけでもエロいじゃないっすか。両目、両耳、鼻腔、口、とだんだん戸口がさがってくるにつれ、ドキドキして読んじゃうですよ。
情熱的で結構露骨かつ素直とゆー感じ。ちと苦手っぽい面もあったりするのですが…(^^;)、その辺は、この後に読んだ『一万一千の鞭』の感想で書きたいと思います。

最後に、これええなあ、と思った詩を引用して終わります。

  ホテル

 僕の部屋は鳥籠形
 窓から太陽の腕がにょきっ
 蜃気楼見たさにタバコ吸う僕だが
 日光の火で一本つける
 仕事はいやだがタバコは吸いたい


新潮文庫、堀口大學訳で読みました。
ジュネの訳では散々な堀口大學ですが、詩人でもある堀口氏、詩の訳はいいですね。

 

クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ


テーマ : 詩・想
ジャンル : 小説・文学

マンディアルグ『ボマルツォの怪物』その3 2006.3.6

◆イギリス人◆
『城の中で語る英吉利人』の抄訳と言うか、残酷シーンの第一段階の氷のち●ぽ (こちらを) の所までで終わっています。
この本を通して読んだら、おもしろい発見がありました。
まずは『イギリス人』より引用。

その丸い石は、たぶん波に洗われて自然に生じた形であろうが、かの洞窟の巨大なウェヌスの臀そのままの形を示していたのである)。そしてこの石には、そのあるべき箇所に二つの孔が穿たれており、そこから熱湯や冷水を好みのままに吹き出させることができるのだった。

これは、もしかしたら、マンディアルグは、ボマルツォの彫刻を見て連想したのではないか、と思うのです。
以下、『ボマルツォの怪物』より引用。

たとえば、実物大よりも大きなニンフの像があるが、これはかつて給水管が機能を果していた時には、その股のあいだのぽっかりあいた孔から、勢いよく水をほとばしり出させていたものであろう。

なんとなく苦手に感じていたマンディアルグの感覚、美意識、エロティシズムが、この本を読んで理解でき、好感持てました。
これを読んでから、マンディアルグの他の小説を読んでみる、というのもいいかもしれません。

マンディアルグ

 

クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ

テーマ : エッセイ/随筆
ジャンル : 本・雑誌

マンディアルグ『ボマルツォの怪物』その2 2006.3.3

◆黒いエロス◆
エロティシズムに関するエッセイです。マンディアルグのエッセイはバタイユみたいにコ難しくなくて、そんでもって彼の美学、思想が明確に伝わってきて、なかなか良いと思います。
「エロティシズム」という言葉に限らず、共感しまくりな1文を。

ともあれ言葉が (あまりに) 大流行するとき、私が懸念するのは、その意味するものが各人にとって同一ではなくなるのではないかということ、さらに言葉がすべての者の目に、同じ輪で限界づけられなくなるのではないか (言葉は水に投ぜられた小石のように輪を描くものである) ということなのである。私は、言葉が不幸な運命、言葉というものに起こり得る最悪の運命を知ることになるのではないか、そして痛ましくも、すべてに通じる符牒のようなものになってしまうのではないかと思う。それはやがて傷だらけになり、もはや精彩もなくなり、ほとんど無意識の言葉になってしまうだろう。

是非ココのレオノール・フィニーの所を読んでから、次の引用を読んでみてください。

仮面は夜の門番なのだ。それは狭い入口から、君がもはや君自身ではない別世界に、君をもぐりこませてくれるのだ。

◆ジュリエット◆
マンディアルグが、サドをいかに敬愛しているか、そして、実に正しく鋭い見方をしているかがわかります。
(こちらの『悪徳の栄え』も是非あわせて御覧くださいませ。)
ジュリエットはサド作品に出てくる女性の中では、抜群に活き活きと描かれていると思います。
そして、妹のジュスティーヌについて、にゃるほど、確かに ! と唸らされた1文を。
『美徳の不幸』のラストのネタバレ (と言っても有名なラストですが) ありです。
(ジュスティーヌに関してはこちらの『美徳の不幸』の所を是非。)

彼の書物は善と悪とをほとんど対立させていないのである。なるほどジュスティーヌはジュリエットに対立しているが (ジュスティーヌはその『栄える』姉の前に屈従させられるが)、ジュスティーヌは聖女として、あるいは通俗的な言い方をすれば善の天使として認めてもらうわけにはいかないのだ。私たちが彼女のなかに認めるのはむしろ愚かな女、自分がどんな場所にいるかを一向に知らず、自分が出遭うひとたちの正体を見抜くことができず、自分がどんな目に遭おうとしているかをまるで理解することができない、あわれな馬鹿女でしかないのである。善の聖女ならばまた別の態度、また別の高貴さを備えているはずで、サドとしても、あの草食獣の横顔をもった女の弱さを相手にしている時ほどには、気楽な気分でいるわけにはいかなかったにちがいない。なにしろこの女ときたら、なぐられたり、いじめられたり、辱しめられたりする以外には何の役にも立たず、あげくの果てには天の雷によって、語り手の前からも読者の前からも、都合よく厄介払いされてしまうという女なのである。

 

クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ

テーマ : エッセイ/随筆
ジャンル : 本・雑誌

マンディアルグ『ボマルツォの怪物』その1 2006.3.2

マンディアルグの短編集ですが、ほとんどエッセイです。
これは澁澤龍彦編訳。

◆ボマルツォの怪物◆
澁澤訳でも、マンディアルグは、やはりかったりいな、と思いつつ読み進むと、女を引き裂くヘラクレスの写真が出てくるあたりから俄然興味が深くなってきちゃいました。
これらが実在する彫刻の数々だという事に驚かされます。
マンディアルグは描写が細かく、映像化に向くのではないか、という気がしているのですが、これも是非とも映像とナレーションで観てみたいものです。
これ、観に行きたくなっちゃいます。
ちなみに訳者の澁澤は、1970年にボマルツォを訪れていて、それがこれを翻訳するきっかけともなったそうです。その時の紀行文は『ヨーロッパの乳房』のなかに収められているそうです。
こっそりと残酷な行為を演ずるにはまことに打ってつけな、この秘密の場所は、もしかしたら、大きな声では言えないような或る目的のために造られた場所ではなかったろうか。とマンディアルグは書いてますが、これらの彫刻からサドの『悪徳の栄え』の特にミンスキーの住居を連想するのは、とてもわかります。
(『悪徳の栄え』についてはこちらから是非。)

またまた次回につづきます。


 

クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ


テーマ : エッセイ/随筆
ジャンル : 本・雑誌

来訪者数:

現在の閲覧者数:

検索フォーム
プロフィール

吉乃黄櫻

Author:吉乃黄櫻
ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

メインブログ黄櫻御殿
映画の部屋も( `・∀・´)ノヨロシク

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR

アフィリエイト・SEO対策


国内格安航空券サイトe航空券.com


FC2ブログランキング


[PR]アクセスカウンター
[PR]東京 税理士

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。