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『阿部定正伝』その6 2006.6.30

この男どもは、美人で色っぽいお定に参ってしまったのか何なのかわかりませんが、定を庇うあまりなのか、吉蔵が変態でマゾヒストであり、お定はそれの犠牲になったとの見方が、何人にも見られるのです。をいちょっと待てよ、と。
まず、首を締めるという行為、これ、言い出したのは定だそうです。
「男でも、濃厚なのは、女の首を絞めるということだってね」
「うん、そうらしい、のどを締めることはいいんだってね」


そして、定の首を締めてみたものの、「なんだか、お前がかわいそうでイヤだよ」と吉は言うんです。そして逆になり、吉の首を締めてみたら、定は気持ちが良い。吉の方は苦しくて嫌だけど「お前がいいなら少し苦しくても我慢するよ」と言うんですよ。

さて、この吉蔵のどこがマゾで変態なのでしょうか。

出所後の定は、これまた実に波乱万丈で、ちとそれについては割愛させていただきます。
年をとってからの定の写真が、いくつか載っていましたが、年をとってもキレイな人でした。いつもオシャレに気をつかい、ホルモン注射までしていたそうです。
その経歴の中でビックリしたのが、実名で自分の役で舞台出演までしてるのです。
劇作家長田幹彦が主催する劇団で『昭和一代女』の一幕「浮寝鳥」の小料理屋の女中"定"の奮闘記だって。
さらには、映画にもちょこっと出ているんです。
それもですね、ぬわんと石井輝男の『明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史』 ! !
ただし、阿部定の役は別の人がやっていて、愛についてしゃべっている姿が少し映されているのだそうです。これ、手に入りまっせ ! ! ↓↓↓




暗黒舞踏団の土方巽は、定を崇拝していたそうです。
嫌がる定を説得して撮らせたこの写真が、阿部定最後の公式写真だとか。昭和44年8月です。雑誌『潮』(昭和44年10月号) に掲載。
「どうしても、阿部定さんと撮りたい。そして、阿部定さんの清らかな魂を自分にも宿らせたい」と熱心に頼んだそうです。

そして、ある時定は、マスコミからも知人からも姿を消しました。生死もわからない状態です。今生きていれば、100才を超えています。
雑誌「女性自身」の取材で、こんなふうに語っていたそうです。

「……でもねえ、この頃、私が考えるのは、死ぬときのことばっかり。私が死ねば、いずれ新聞、雑誌がおもしろ半分、いろいろ書くわよ。
 養老院や貧乏のどん底で死んだら、世間の人は何て言う? 死に際だけは、きれいに死にたい。できれば、だれにも知られず、そっと死にたい。--後略--」


少女の頃の、銭湯のエピソードなんかも好きな話で、書きたかったのですが、長くなりすぎたので、この辺にしておきます。
興味のある方は本を読んでくださいね。

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(1998/02/03)
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『阿部定正伝』その5 2006.6.27

◆お定ファン・お定援護の人々◆
『阿部定事件』~愛と性の果てに~その5に書きましたが、竹内金太郎という弁護士には、私はほとほと呆れました。
『週間新潮』(昭和31年10月15日号) の「この事件に誤審あり」という記事で、20年前の裁判を竹内自身が振り返る形で次のように述べています。

 十七日の午前一時頃、お定は吉蔵の上に馬乗りになって首を締めたが、無論殺意があってのことではない。首吊りの一物はかならずボッキしているというが、それは衰えた男の精力に苛立つお定の性的技巧にすぎなかった。--中略--
 十八日の明け方、お定は再び馬乗りになって吉蔵の首を赤い細ひもで締めた。もう疲れ切った吉蔵である。いくら締めても、思うようにならない。力を入れて締めつけているうちに、吉蔵の息が絶えた。お定は吉蔵の苦しむ顔は見ず、もっぱら下腹部の方へ集中していたので、気がつかなかったのである。彼女の異常な愛欲の激しさが、殺意のない殺人を犯させたのであった』


『阿部定事件』~愛と性の果てに~その4の定の供述を読んでみて、判断してくださいませ。私にはどうにも理解できましぇん。

この本には、定と坂口安吾との対談が出ています。ビックリ。
文藝春秋社から創刊された雑誌『座談』の昭和22年の12月号「阿部定・坂口安吾対談 真率なる人生記録 !!  これを読みてエロと思ふ者に恥あれ !!」という記事だそうです。
紹介したいものが多すぎて(^^;)、この対談は泣く泣く割愛しますが (あなたは素晴らしくいい事をしましたとかって事をさかんにゆーてます。人殺しがそんなにいいことなのかと…)、対談後安吾による「阿部定さんの印象」という文章が、これまた???でいっぱいであります。(旧漢字を出すのが大変なので、新漢字で引用します。)

 思ふに、お定さんに変質的なところはないが、相手の吉さんには、いくらかマゾヒズムの傾向があったと思ふ。吉さんは恋の陶酔の中でお定さんにクビをしめてもらうのが嬉しいといふ癖があった。--中略--
 たまたま、どこかの待合で遊んでいるとき、遊びの果てに気づいてみると、吉さんは本当にクビをしめられて死んでいた。ただそれだけの話なのである。
 いつも首をしめられ、その苦闘の中で恋の陶酔を見ている吉さんだから、お定さんも死んだことには気づかなかったに相違なく、--中略-- むしろ、いとしい人が、いとしいいとしいと思ふアゲクの中で、よろこんで死んで行った。定吉一つといふやうな激越な愛情ばかりを無上に思ひつのつたらうと思う。さういふ愛情の激越な感動の果に、世界もいらない、ただ二人だけ、そのアゲク、男の一物を斬りとつて胸にだいて出た、外見は奇妙のやうでも、極めて当りまへ、同感、同情すべき点が多々あるではないか。

 お定さんの刑期は七年だか五年だか、どう考へたつた、長すぎる。僕はせいぜい三ヵ月半か半年、それも執行猶予くらいのところと思つていた。人を殺した、死体に傷をつけた、といつてもどこにも犯罪的な要素は殆どないではないか。純愛一途のせいであり、むしろ可憐ではないか。
 やつぱり時代のギセイであつた。あのセンセーショナルなところが軍人時代に反撥され、良俗に反するからというやうな、よけいな刑期の憂目を見た原因であつたと思う。


さらに驚いたのは、次の、著者・堀之内雅一の言葉です。

ここに文人としての彼の洞察力の深さと明治男の潔いほどの単純さを見せられた思いがするのみだ。

まだつづきます。(^^;) 次回で最終回です。(字数制限が来なければ…)


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『阿部定正伝』その4 2006.6.27

◆吉蔵の妻おトク◆
本『なつかしく思います』では、このおトクの写真を見ての、あまりにひどい言われようには同情してしまいます。おそらく何かの記事の不鮮明な写真 (それしか手に入らないだろうから) 1枚ですよね?それを見て、きっとこういう人だとか、ほんっっとに勝手に判断しては言いたい放題でした。
このおトクさん、亭主の死を知らされて以来ずっと体調を崩して床に臥せっており、阿部定逮捕の報に接して、「ああ、よかった。これで私もやっと安心しました」と新聞記者に語っただけで、葬儀にも出席できなかったそうです。
『なつかしく思います』では、吉蔵の息子の悪口も書かれていましたが、この時二人の子供たちは、母親を助けて健気に店を手伝っていたそうです。
吉田屋も、この人1人で切り盛りしていたそうだし、実にしっかりした常識的な方だったようです。以下引用。

 病の床にあったとされるトクだが、事件発覚直後には、亡き夫が雇い人の女中と多大な迷惑をかけてしまった満佐喜に家人を使って挨拶に遣らせ、滞っていた宿代も払っている。この行動一点をとっても、気配りの行き届いたしっかり者の奥方だとわかるが、その謹厳さが吉蔵には窮屈だったのかもしれない。

うーーん。こういうしっかりした人とじゃないと、吉蔵と夫婦になれないんじゃないかと思うんですが…それに吉蔵は、奥さんがどんな人であろうと、浮気する人なんじゃないっすか~?

まだつづいちゃいます。(^^;)


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『阿部定正伝』その3 2006.6.26

*R指定にするかびみょ~な所。

◆誰が見てようがおかまいなしに◆
映画『愛のコリーダ』の感想で、ひたすらやるばかりの映画。誰が見てようが所かまわず。てな事を書いたのですが、これもまた事実だったようで、ビックリです。これは創作だろ、と思ったのですが…(^^;) 以下引用。

 特に満佐喜に入ってからのエスカレートぶりについては、「以前、待合を泊まり歩いたときより猛烈だった」と定本人も認めているが、次に紹介する、二人が二週間ほど前に流連していたみつわと田川の関係者の証言 (『精神鑑定書』) にふれると、これ以上の猛烈ぶりとはどんなことを想像すればいいのかと、ちょっと困ってしまう。
「毎日、一時間ぐらいで三回ほど別な芸者を取り換えて呼び、酒を飲んでいい気持ちになると、寝床に入り、外出せず、ぶっ通しに寝たり起きたりしていました。料理はろくに取りませんでしたが、酒は毎日一五、六本から二〇本くらい取り、ビールも一本か二本飲みました」(みつわ女中)
「 (床は敷きっ放しにして) 疲れると眠り、目が覚めると酒を飲むという具合にして、ぜんぜん外出もせず、飯も食わず、湯も入らず、顔も洗いませんでした」(田川女将)
「私のいるのもかまわず、寝ている男の布団をめくって、男の物を舐めて平気な顔をして、また酒を飲み……」(同)
「お定さんは、いきなり布団をめくって小さくなっている男のおちんこをちょっと舐めては平気な顔でまたお酒を飲んだり、キッスしたり、頬を舐めたりしており、私がそのお座敷に三時間くらいいる間、二、三度おちんこを舐めました」(田川に呼ばれた芸妓)


その4につづきます~

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『阿部定正伝』その2 2006.6.24

◆包丁の謎◆
私がいまいち理解できないのが、「ふざける為に」包丁を買うという事です。
5月10日に定は包丁を買っています。(殺害が5月18日)
*ちとこの辺の日付けが、書いてある箇所によりずれています。
この日、定が浅草で観た芝居に、出刃包丁を使う場面があったそうです。それを見て自分も出刃包丁を買って、石田にふざけてやろうという気になったそうなのです。
包丁で遊ぶなんて…おっかねーよ。しかも常に酒浸りで酔っぱらっているのだから、過って傷つける恐れ大じゃないっすかっっ。地震が起こったりする恐れだってあるし。
どーもこれが私には謎でして。この時から、頭のどこかに、ち×ぽちょんぎりの発想が、もしかしたらあったのでしょうか。
包丁購入の経過は、以下の通りです。印象的だったので、そのくだりの少し前から引用。

 裁判長----なぜ、石田を誘って家出をしたか。
 定----吉田屋を出る二、三日前、屋外で私と石田がひそひそ話をしていたことがおかみさんに知られ、また板場の人たちからも石田との関係を気づかれ、こうなっては吉田屋にいられないと思い、出かけたのです。
 裁判長----家出をするとき、石田はお前に何と言ったか。
 定----家の女房には少しも愛情が持てない。ただ子供とはどうしても別れられない、と言ってました。
(この後、裁判長は、定が予審で述べている『流連した後、離れ離れになったつらさと、吉蔵の自宅での夫婦生活を想像して嫉妬に狂った』という件を読み上げて)
 裁判長----まったくこんな気持ちだったか。
 定----それどころじゃありません。もっと切ない気持ちでした。
(この定の返答に、一瞬、どよめく傍聴席)
 裁判長----被告は五月九日の夜に明治座で新作『新版艶物語』という芝居を観たか。
 定----観ました。
 裁判長----それはどんな筋だった。
 定----なにか芸者がかわいい男を出刃包丁で殺して、その血で男の姿をふすまに描くところがありました。
 裁判長----それにひどく感動したわけだな。
 定---- (答えず)
 裁判長----お前は五月一一日の晩、下谷区元黒門町五上田という家で出刃包丁を買ったが、それは何にするつもりだったか。
 定----その頃、私は石田と別れていましたから、とにかく石田が別な女など変な真似をしているんだろうから、脅かしてやる考えで出刃を買ったのです。
*注 出刃ではなく牛刀と言う事だったと思うのですが…
 裁判長----殺す気はなかったか。
 定----殺す気はありませんでした。


・・・しかし、包丁でふざける定に、吉蔵も大喜びだったとゆーから、不思議です。
まあ、全ては定の供述からしかわからない事なので、正確な事は未知のままなのですが。(しかも、この定っつー人は、へーきで嘘をつく人な訳でして…)

その3につづきます。
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『阿部定正伝』その1 2006.6.23

私、最初にネットで見た時にビックリしたのですが、逮捕連行される阿部定の笑っている写真があります。
*注↓↓↓トップにいきなり殺害現場写真があるので、心臓の弱い方、見たくない方はご注意を !
ココの一番下の写真です。
このPC画面や小さい写真では分かりにくいのですが、ハッキリめの写真を見ると、この阿部定の謎の微笑、この目はヤヴァイとしか言いようがないです。
そして、少しはだけた色っぽい着物。
まさに狂女そのものだと、私には思えました。
その写真から、この本ははじまります。

それにしても絵になる人だ、と、何度も見ては思います。殺害現場の「定吉二人キリ」のあの芸術性にしても。
さらには、ちょっとした小説よりも、ずっとおもしろい、あの実に正直で明確な予審調書。
なんだか1つ1つ完璧なように思えます。
定には、潔さを感じます。言葉を濁す事なく、1つ1つ明確にハッキリと答えているように思います。この人には「迷い」というものは、あまり存在してなかったように思います。

最初の微笑に戻りますが、これには裏話があったようです。
阿部定は最初は笑っていなかったらしいのです。この本によれば、報道陣がしきりに「笑って、笑って」とせがみ、隣の横田刑事が「おい」と言って、定の手錠に繋がれているほうの手を軽く握ったのだそうです。そしたら途端にニッコリ笑ったのだとか。
リンク先の写真は左側が写っていないのでわからないのですが、全体の写っている写真を見ると、殺人事件の連行なのに、皆なにげになごんでいるのがわかります。
・・・と探してみたら、全体の写真がありました。この正伝に出ている写真と微妙にちがい、こちらの方がさらに皆笑っています。ってか、これ爆笑してねーか?誰か何かおもろい事言ったんでしょか。阿部定が笑っていて無気味とかっていっぱい書かれていたようですが、連行する方も爆笑してんじゃん ! (笑)
(あり?後に書こうと思っていた、土方巽との写真も出てますねえ。正伝にこの写真があってビックリだったのですが…ああ、後のネタが…)

ではでは、次回につづきます。

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カポーティ『夜の樹』その2 2006.6.22

昨日のつづきです。

「誕生日の子どもたち」で、それまでとはちょっと変わって、明るくおもしろい話になります。
ミス・ボビットは読んでてホント、楽しかったです。
風変わりで素敵なこの子のセリフの一つ一つが、真実を語っているとゆー感じ。
こんなセリフがあります。

でも、どうして私の悪口をいうか、わかる? ビリイ・ボブ。悪口って、一種のお世辞なのよ。あの人たちも心のなかでは、わたしがとても素晴しいって思っているんだから」

そして、このミス・ボビットの運命を見ると、もしかして悪魔に魂を売ったと言うことなのかな?と思いました。こんなセリフがあります。

イエスを愛するように、悪魔を愛するのよ。だって彼は力があるもの。彼のことを信じているってことがわかれば、彼はいいお返しをしてくれるわ。

「銀の壜」も良かったなあ。
「ぼくにだって言いぶんがある」は、ユーモアたっぷりで笑えます。
ラストの「感謝祭のお客」が、実に実に良いんですよ。とっても良い読み終わり感でした。ええ話や~。
カポーティーの文には、人の心理を突いてきてハッとさせられる事が度々ありますが、次の一文、誰もがこんな空想をした事があるんじゃないでしょうか。

 ひとつだけはっきりしていることがあった。わたしはその晩、あの家と町から出ていく。旅に出る。貨物列車に乗ってカリフォルニアに向かう。ハリウッドで靴磨きをして稼ぐ。フレッド・アステアやクラーク・ゲイブルの靴を磨く。あるいは----わたし自身が映画スターになるかもしれない。子役のジャッキー・クーパーの例がある。そうなったら、みんな後悔するだろう。金持になり、有名になり、あいつらから手紙や電報をもらって返事も出さない。そうしたらたぶん、みんな後悔するだろう。

子供の頃の気持ちを忘れずにいる作家でしたよね。

カポーティ『冷血』の感想はこちらから~

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カポーティ『夜の樹』その1 2006.6.21

『冷血』を読んでから、カポーティは良いかも~と思い、ずーーーっと前に買ってあった『夜の樹』を読みました。短編集です。
(『冷血』の感想はこちらから~)

「ミリアム」「夜の樹」「夢を売る少女」「最後の扉を閉めて」「無頭の鷹」「誕生日の子どもたち」「銀の壜」「ぼくにだって言いぶんがある」「感謝祭のお客」

読んですぐ書きたかったのですが、だいぶ時間が経ってしまいました。相変わらずネタはあるが時間がにゃい~~~状態。
読んですぐの気持ちからは少し離れてしまって実に残念なのですが、何かそういう心を揺さぶるようなものが、この短編集にはあるんです。

「ミリアム」~「無頭の鷹」あたりまでは、どれも共通点がある気がします。
解説によると「ドッペルゲンゲル」と言うらしいですが、自分と同じもうひとりの自分がいる、という事です。
これらの小説には、強烈な孤独、さびしさを感じます。
自分に強引に深くかかわり、迷惑をかける、もう1人の自分。そんな所がとてもおもしろかったです。
「夢を売る少女」より、オライリーのセリフを一部引用。

たいていの夢は、われわれの心のなかにすべての心の扉を押し開く怨霊のようなものがいるから生まれるんだ。私は、イエス・キリストは信じないが、人間の魂は信じる。だから、ベイビー、こう考えるんだ。夢というのは魂のひとつの状態で、われわれの隠された真実の姿だって、ね。

「無頭の鷹」より、うんうん、あるよなあ、と思った箇所を引用。

作品よりもそれを描いた画家のほうに興味をかきたてられるという芸術作品があるものだ。それは、ふつう、見る側の人間が、その種の作品のなかに、それまでは自分にしかない、他人には説明出来ないものと思われていた特別な何かが描かれていることに気づくからである。そして、自分のことを知っているこの画家は誰だろう、どうして知っているのだろうと不思議に思うからだ。

これ、作家にも当てはまると思うんですよ。私はヘッセを読んだ時にこう感じました。
長くなったので、次回につづきます~


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『なつかしく思います』~阿部定に愛された男~ 2006.6.20

森珪という人が書いた『なつかしく思います』という本。
まず、このタイトルは、『阿部定事件』~愛と性の果てに~その6の最後に引用した、公判廷で石田のアルコールづけの陰茎が示されたときに定が言った言葉から来ています。
私は阿部定に興味を持ち、被害者の吉蔵にも興味を覚えたので、とりあえず前回書いた伊佐千尋の『阿部定事件』と、吉蔵の事を書いたと言う、この『なつかしく思います』を購入してみたのですが・・・

なんだか、この人の編み物の趣味だとか、お花見とか晩御飯のおかずとか、この人のカレシの事だとか・・・そんな事ばかり読まされ、(゚Д゚)ハァ?って感じ。立腹させられちゃいました。
1500円も出して購入したんですよ。まさに金返せ状態。
挙げ句の果てには、この人のカレシとのこんな話まで・・・。(-_-;)

三時間近くももつれあっていて、何回か、わけがわからなくなりかけた。
わからない、わからない、わからなく----だって……。
一体何を書いているんだろう。


一体何を書いているんだろう。って・・・こっちが聞きたいよ !
まあ事件も事件な訳ですが、シモネタ中心になっていくので、そして、結構刺激的なので、気に入る方もいるだろうし、後半の「オーガズム」ネタなどは、結構興味深くおもしろいものでありましたが、雑誌の特集程度のおもしろさです。プレイボーイあたりでやっていそうです。

そして、私も吉蔵の写真を見てみたいと思って、サイト中探しまわっても見つからず状態だったのですが、この人も吉蔵の写真探しに追われます。
そして、いくつか見つけてるのに、この本には1つも写真が出ていないんですよ。(-_-;)
見たい気持ちだけが増加し、腹立たしい事この上ないです。
さらに、吉蔵の奥さんや、子供の写真まで入手し、あーだこーだと言ってるんですよ。あーーーもうっっ !
吉蔵の奥さんのトクについてなんて、恐い顔だの、貫禄があるだの、双葉山に似てるだのと言いたい放題。肝心の写真はナシです。

ただ、この人も、私と同じく、「定に殺意はなかった」との見方に疑問を持っており、いろんな人の定援護文を載せて、その疑問を明らかにさせている所は、同感ではありました。

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『阿部定事件』~愛と性の果てに~その6 2006.6.15

前回書いた、「阿部定に殺意はなかった」との見方には、びっくり仰天ですが、さらにお定に対してすっっごく同情的な意見。
何でもかんでも「社会が悪い」と言われたって、それは違うだろ、と。以下引用。

 置かれた環境によっては、彼女は学問の道へ進んでいたかも知れないし、幸福な結婚生活をいとなむこともできたであろう。
 何が彼女の生活を狂わせてしまっかのか?
 彼女にとって、人生の岐路は、娼妓の世界へ足を踏み入れたことではなかったかと思う。
---中略---
 前借金などに縛られず、自由な世界に生きていれば、もっと別の人生を歩んでいたにちがいない。少なくとも、あのような犯行に走らずに済んでいたのではないかと思う。
 彼女の一生は悲惨であったとしか言い様がない。宿命という言葉では片付けられない世間の非情がそこにはある。嫌な時代に生まれあわせたといえばそれまでだが、時世に翻弄されたその数奇な流転の人生、幸せ薄い一生は何とも哀れに思えて仕方がない。


その4から読んでくださった方は、矛盾点にお気付きかと思いますが、「判決は誤審であり、定には殺意はなかった」と書いているにもかかわらず、上の引用は、定が殺人を犯したと言う前提でしか成り立たないではないですか。
性の遊びから、つい度が過ぎて過ちを犯してしまったと書いているのに、あのような犯行に走らずに済んでいたのではないかと思う。って、なんか矛盾してるんでねーか?と思うのですが。

それに、娼妓の前借金制度と言うのは、お定に限った事ではなく、大勢の女性がそれに縛られた訳です。それがこういう犯罪を犯す原因だというなら、あの頃にこのような事件が頻繁に起こっていないと不思議ではないですか。
娼妓の世界に入った事と、この殺害は、それ程関係があるようには思えませんでした。
やはり、独占力が強く、欲しいものは手に入れなければ気が済まないと言う、幼い頃からの定の性格による所が大きいのではないか、と私には思えました。
家の金を勝手に持ち出して遊ぶ金に使ったり、定の少女時代はかなり素行が悪かったようです。そんな事がきっかけになって、娼妓の道に入っていったのです。
そして、心底愛しあった男を殺害した事で遂に自分のものにし、常に欲望に忠実に思う通りに生きてきた定の一生は、決して「幸せ薄い一生」とは私には思えません。
また、古川薫と言う人が、「解説」で以下のように書いています。

 チャタレー夫人の恋を語るには、あの「悲劇の時代」に触れなければならなかったように、阿部定事件を理解するには、事件が起きた昭和十一年という特異な、暗い時代背景に目を向ける必要がある。
 もし、別の時代であったなら、事件はあのようにセンセーショナルな報道にはならなかっただろうし、新聞がいくら派手に騒ぎ立てても、世人もそう乗りはしなかっただろう。


これも違うと思うのですよ。まあ、後に読んだ正伝を読むと、その過熱ぶりが凄まじい事がわかり、わからなくもない気もしましたが。
この事件が今現在起こったとしても、世間は絶対大騒ぎすると思うのですよ。それほどの事件だから、70年経った今でも語られるのではないでしょうか。
あの流連から殺害、「定吉二人キリ」、逮捕時の微笑、何度辿っても、その完璧な芸術性に唸らされます。読めば読むほど、もっと知りたくなってしまうのが、この事件なのです。

最後に、実に印象に残った1文を紹介します。

 公判廷で石田のアルコールづけの陰茎が示されたとき、定は「非常に懐かしく思っています」と、裁判長に答えたという

*って訳で、現在阿部定関連本4冊目読んでまっせ。もう終わりの所。最初は2冊ぐらい読めばいいやと思っていたのに…まだ物足りなくて、図書館で他のを借りてこようかとオモてる私に愛の1クリックを~~~。
定の魔力ですかねえ…
*石井輝男監督の『明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史』には、モノホンの阿部定が出ていますっっ。

 



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『阿部定事件』~愛と性の果てに~その5 2006.6.13

まずはその4の予審調書からの引用を読んでくださいませ。

作者は阿部定が竹内金太郎という優れた弁護人を得たことは、非常な幸運であった。と書いています。
その竹内弁護士、後年、記者に次のように語っていたそうです。
「あの裁判には誤審がある。あれは殺人ではなく、たんなる傷害致死で、せいぜい三年ぐらいの刑が妥当であった」

そして、著者の伊佐千尋は、こうも書いています。

 確かに、予審調書を読んでも、定に殺意があったとは認められない。殺したことは動かせない事実だが、殺意があったとは彼女はどこにも述べていないのである。
 性の遊びから、つい度が過ぎて過ちを犯してしまった、というのが自然な見方ではなかろうか。
「お定は初めから終わりまで、殺意というものはなかった。彼女の心を占領していたものは、いかにして彼女の愛欲を満足させ、楽しむかという一事だけで、殺意がないかぎり、法律上の殺人罪は構成しない」
 という見方が、正しいように思う。


エーーーッ ! ? って感じっすよ。わたしゃ目を疑いました。
どこをどうとって、殺意がなかったと言えるのか、全く理解に苦しみます。
(後に読んだ「正伝」に出ていた、坂口安吾の意見も同様にビックリ。後々UP予定ですが。)

この男性の方々の一様なお定援護は、一体何なのかと。もう揃いも揃ってなんですよ。
殺人犯でも、美人で色っぽいと、こうまで盲目的な見方をされるものなんでしょか?

次回この本の最終回につづきます。阿部定事件については、まだまだつづいちゃいます。(^^;)
この事件はハマる。


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『阿部定事件』~愛と性の果てに~その4 2006.6.12

◆殺意はなかった?◆
阿部定の判決は、ぬわんと、懲役6年。模範囚だった為に、さらに短くなり4年4ヵ月で出てきたのです。
そんなに短かったんだ~と私なんぞはびっくらこいちゃったのですが・・・この本の著者の伊佐千尋や、担当弁護士等のあまりの定贔屓に、さらにびっくり仰天です。
まずは、予審調書からの2つの引用を読んで頂きたいのですが・・・

<その1>
 ----どうして吉蔵を殺す気になったか?
 私はあの人が好きでたまらず、自分で独占したいと思い詰めた末、あの人は私と夫婦でないから、生きておれば外の女に触れることになるでしょう。殺してしまえば、外の女が指一本触れなくなりますから、殺してしまったのです。


<その2>
「お加代、お前、俺が寝たら、また締めるのだろうな」
 と言い、私が「うん」とニヤリとすると、
「締めるなら、途中で手を離すなよ。後がとても苦しいから」
 と言い、そのとき、私はこの人は自分に殺されるのを望んでいるのかしらと、ふと、思いましたが、そんなはずのないことは、いろいろのことから判り切ったことですから勿論、冗談だとすぐ思い直しました。
 そのうち、石田が寝たようすですから、右手を伸ばして枕もとにあった私の桃色の腰紐を取り上げて、紐の端を左手で首の下に差し込み、二巻き巻いてから、紐の両端を握り、少し加減して締めたところ、石田がパッと目を開けて、
「お加代」
 と言いながら、少し身体を上げ、私に抱きつくようにしましたから、私は石田の胸に自分の顔をすりつけて、
「勘弁して」
 と、泣き、紐の両端を力一杯引き締めました。
「ウーン」
 石田は一度うなり、両手をブルブル震わせ、やがてグッタリしてしまったので、紐を離しました。
 私はどうにも身体が震えてなりませんから、卓子の上にあった酒の一杯入っているお銚子を取り上げ、ラッパ飲みに全部飲んでから、石田が生き返らないように、喉の正面の辺りで腰紐を堅く一度結び、残りの部分を首にグルグル巻き付けて、両端を石田の枕の下に差し込んでおきました。


これを読んで、どう思われます?
私は明らかに「殺意はあった」としか思えません。
生き返らないよう工夫までしているじゃないですか。
裁判官に言わされたとゆーのも、ここまで具体的だと、それも可能性薄いと思うのですが…。
ところがですね・・・と一気に書きたいのですが、字数がいっぱいなので次回につづきます~

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『阿部定事件』~愛と性の果てに~その3 2006.6.10

作者は、阿部定の事を、なかなかの才女だと考えているようですが、私にはそうは思えませんでした。
映画『愛のコリーダ』を観て、頭の悪い男女としか思えんかったのですが…この予審調書でも、しっかりとした記憶力と話の巧さは認める所もありますが、次のセリフなんて、30代の大人の女とは思えなく、悪いけど、ちと笑える所でありました。

 今まで、どんな男にも、石田と同じようなことをしたわけではありません。自分を忘れて男と関係したことはなく、好きな男だと思い、金をもらわないで遊んだことも随分ありますが、それでも自分を忘れず、時と場合とを考えて、簡単に別れておりました。
 たとえば、山川雄二郎さんにしても、寝たときにはよいが、顔や姿の悪いアラがよく判っており、山川さんと関係して自分が眠っている間に帰られ、今ごろは家内を抱いているなと想像しても平気でした。
 大阪で淫売当時知り合った三木博之という人は、金もないのに取り繕い、見栄を張るようすが目について、別れるのを何とも思いませんでした。
 今まで私はそれくらい理性が勝って、男にびっくりされたこともありました。


それって理性とはちと違うんでないかと・・・。かわいそうな山川さんと三木さん。(涙)
こんな事も言ってるんですが、

 芸者を落籍すのも結局、自分の独占にしようとするからで、男に惚れたあまり、こんどの私がやった程度のことを思う女は世間にあるに違いないのですが、ただ、しないだけのことだと思います。

その、するかしないかが、とんでもなく大きな違いなんじゃないっすかっっ !
人殺したいと思うのと、実際殺すのと、ぜんっっっぜん違うんですけど。

まだまだ続きます~

阿部定事件に関してはこのサイトに詳しく出ています。

*阿部定正伝 (楽天ブックスでは品切れです) も読了したのですが、これを読んでから、阿部定はバカではないな、と思ってます。下町気質のなかなか魅力的なおもしろい粋な女性だったようです。後日感想もUPする予定です。ちなみにこれです。↓
阿部定正伝

*豪憲君殺害の凶器が、阿部定の吉蔵殺害と同じく腰紐だと新聞で知り、ビックリです。着物着そうじゃなさそうな人だし。

*日活ロマンポルノ実録 阿部定をフリマで1000円でゲットしちゃった私に愛の1クリックを~~~。

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『阿部定事件』~愛と性の果てに~その2 2006.6.7

◆吉蔵の魅力とは◆
これについては、次に読んだ『なつかしく思います』の感想の時に、詳しく書きたいと思いますが…(ちなみに、こちらは買わない方が良いかと思います。吉蔵の事が知りたくて読むのであれば、あまり役に立ちましぇん。(-_-;) ま、今度書きますが…)
何故ここまで定が吉に入れ込んだか、以下予審調書から引用します。

 ----被告はなぜ、石田をかようにまで恋慕愛着したか?
 どこがよかったかと言われても、ここと言って答えることはできませんが、石田はようすといい、態度といい、心持ちでけなすところ一つもなく、あれほどの色男に会ったことはありません。
 四十二とはとても思えず、せいぜい二十七、八に見え、皮膚の色は二十台の男のようでありました。
 気持ちはごく単純で、ちょっとしたことでもとても嬉しがり、感情家ですぐ態度に表し、赤ん坊のように無邪気で、私が何をしても喜んでおり、甘えておりました。
 石田は寝間がとても巧者な男で、情事のときは女の気持ちをよく知っており、自分は長く辛抱して十分気持ちをよくするようにしてくれと口説百万陀羅で、女の気持ちをよくすることに努力し、一度情交しても、またすぐ大きくなるという精力ぶりでした。


定は、母性本能の強いタイプだったのでしょうか。
私は甘えてくる男性は苦手かも~
しかし、エッチが巧い…っつーよりは、相手の事をちゃんと考えてくれるえっちをする男性ですよね。自分が気持ち良ければ…って人、結構いるんじゃないっすか~?男性諸君、ここは見習うべし ! (笑)
定は自分の方が多く吉蔵に惚れていたと言っていますが、映画『愛のコリーダ』を観た時にも思ったように、吉蔵の愛の方が、強いものがあったのではないか、と思えました。本当にやさしい男だったみたいですね。

それにしても、ほんっっとに素直に語るよなあ、定は。

ではでは、また次回につづきます~

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『阿部定事件』~愛と性の果てに~その1 2006.6.5

*やはりR指定にするべきか…

映画『愛のコリーダ』を観てから、俄然興味を持ってしまったのが、阿部定事件。(映画はつまんなかったんだけど)
早速購入してみたのが、伊佐千尋の『阿部定事件』と、被害者吉蔵のことを書いたと書いてあった『なつかしく思います』の2冊を購入し、読んでみました。
とりあえず『阿部定事件』の方を。

阿部定の子供時代の事や、予審調書など、しっかりと書かれてあるので、大変おもしろかったです。
予審調書が実におもしろいです。旧漢字仮名づかいを改め、読みやすいようになっております。
いやあ、よくここまで言ったなあ、って感じです。
「オチンコ」ですか・・・。

映画『愛のコリーダ』の、定と吉のふざけている所など、こいつらアホか?と思って観ていたのですが、定の供述によれば、実際こんな感じだったようです。
包丁持ってふざけるなんて、おっかねーよ、と思って観てましたが、これもホントらしいです。定も定ですが、それを喜ぶ吉もわかりましぇん。(^^;)
以下引用しますが、これなんて『愛のコリーダ』の1シーンそのまんまですよね。

 十六日の晩、石田に抱かれていると、とても可愛くなり、どうしようか判らなくなり、咬んだり、息が止まるほど抱き締めて関係することを思いつき、
「こんどは紐で締めるわよ」
 と言って、枕もとにあった私の腰紐をとり、石田の首に巻きつけて、両手で紐の端を持ち、石田の上になって情交しながら、首を締めたり、緩めたりしていました。
 初め石田はおもしろがって、オデコを叩いたり、ときに舌を出すと、同じようなふざけ方をして首を締めると、舌を出してふざけており、途中止めて紐を首に巻きつけたまま、酒を飲み、首を締めながら関係するという具合にしており、少し首を締めると、腹が出てオチンコがビクビクして気持ちがよいものですから、石田にそれを話すと、
「お前がよければ、少し苦しくても、我慢するよ」
 しかし、石田はヘトヘトに疲れて、目をショボショボさせておりましたから、
「ほんとは嫌なんでしょう。嫌ならもっと締めるわよ」
「嫌じゃない、嫌じゃない、俺の身体はどうにでもしてくれ」
 と言っていました。


長くなったので、次回につづきます。

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
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