【本】風と共に去りぬ その6 2006.7.31
よくぞ、ここまでアクの強い女性を主役にした ! と思う、スカーレット。
我が道をゆく、と言うタイプで、周りからは相当に嫌われます。
表面は、ほんっっとにヒドイ事ばかりしてるように見えるのですが、彼女がそういう手段に出るのも、全くジコチューな考えからでも物欲からでもなく、家族友人、全てを自分の肩に背負い、自分も決して飢えたくない、勿論家族にも決して飢えさせない、との気持ちからなんです。以下引用。
ひもじさが、また彼女のからっぽな胃をかみはじめた。彼女は声を出して叫んだ。
(神さまが証人だわ。神さまを証人にして、あたしは誓う。あたしはヤンキーなんかに屈服しない。どこまでも生き抜いてみせる。そして戦争が終ったら、もう二度とひもじい思いなんかしない。そうだ、うちの人たちにだって、ぜったいにそんな思いをさせない。よしんば、そのために盗んだり人殺しまでしなければならないとしても----。神さまを証人にして、二度とひもじい思いなんかするものか)
「盗んだり人殺しをしてでも」と神様に誓う所が何とも面白い所ですが(^^;)、彼女は本当は、素晴しく思い遣りのある女性だと、私は読んでいて思いました。
自分が日焼けで肌がぼろぼろになるのも構わず、自分の日除けをメラニーに使う所なんて、感動ものでした。
彼女が皆を助ける為にしている事ひとつひとつが、その助けている家族達に批難されてしまう所が、実に皮肉で悲しいです。
しかし、メラニーだけは、スカーレットのする事に何1つ批難はしません。そして、彼女は正しいです。メラニーのような友達がいるって、実に心強いですよね。決して彼女は裏切らないし、スカーレットを悪く言う人達にも毅然と立ち向かうのですから。
そして、アシュレもまた、よくわかっているなあ、と思いました。以下引用。スカーレットの荒れた手を見て言ったセリフです。
「ぼくは、こんなに美しい手を知らない」と言い、両方の手のひらに、かるく接吻した。
「この手が美しいのは、この手が強いからだ。まめは、いわば勲章なんだよ。スカーレット。そして、一つ一つの水泡は、勇気と自己犠牲の賞牌だ。この手はぼくたちみんなのため、きみのお父さん、妹さんたち、メラニー、赤ん坊、黒人たち、それから、このぼくのために、荒れてしまったのだ。---後略---」
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