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『戦争と平和』その9 2006.9.30

こちらに書きましたが、マーガレット・ミッチェルは『風と共に去りぬ』を書く際に、この『戦争と平和』の影響を最も強くうけたと言っており、以前から、死ぬ前に1度は読んでおこうと思っていた、この『戦争と平和』を今読んだのは、『風と共に去りぬ』を読んだからと言うのが大きいです。
なので、どうしても比較してしまいますね。
特にスカーレットとナターシャは、比較しつつ読んでしまいます。
ぜんっっぜん性格は違うとも言えるのですが、かなりの共通点も見られます。
スカーレットには、常にレット・バトラーの暖かい目がありましたが、ナターシャにもピエールがいます。
以下のピエールがナターシャに言うセリフは、実に良いなあ、と思いました。

踏み慣れた道から突き落とされたら----それですべてはおしまいだ、とわれわれは考えます。ところが、そこからはじめて新しい、よい道がはじまっているのです。

可愛く細く可憐だったナターシャは、3人の子供を儲け、太って逞しく、乳母が当然のこの時代に母乳で子供を育てます。
その点も、女が仕事をするのが非常識な時代に、バリバリと仕事をして稼いだスカーレットとの共通点が見られました。
次の所なんて、良いですねえ。

「愚かしいわねえ」とふいにナターシャは言った。「蜜月だの、最良の幸福は新婚当時にあるだのと。反対よ、いまがいちばんしあわせだわ。--後略--」

また、同じ戦争ものである『チボー家の人々』も思い出したのですが、私としては、チボー家の方を強くお薦めします。

解説を読むと、トルストイは、放蕩生活にのめりこみ、酒、賭博、ジプシー女に溺れた時期もあったそうで、そんな所はヘッセを思わせられました。
また、ピエールとアンドレイは、どちらもトルストイ自身の自己の投影であるらしく、そこにもヘッセと同様の自己の分裂が見られるかもしれません。

新潮文庫 工藤精一郎・訳で読みました。
戦争と平和(1)改版
戦争と平和(2)改版
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戦争と平和(4)改版

こちらの岩波文庫の新訳が、読みやすいと言う評判です。
戦争と平和(1) 戦争と平和(2) 戦争と平和(3) 戦争と平和(4) 戦争と平和(5)
戦争と平和(6)

戦争と平和

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『戦争と平和』その8 2009.9.29

次の引用は、ネタバレを避ける為に、一部伏せ字にしました。

 ******の死後、ナターシャと公爵令嬢マリヤは同じようにこのことを感じていた。二人は、頭上に垂れ下がった恐ろしい死の雲のために、精神的にちぢこまり、目をかたくつぶって、生の顔を見る勇気がなかった。二人はそのあらわな傷口を無神経に痛くさわられることから用心ぶかくかばっていた。通りを軽快に走りすぎてゆく箱馬車、食事の知らせ、どの衣裳にするかという小間使いの問い、もっと悪いのは----口先だけのおざなりの同情の言葉、そうしたすべてが鋭く傷口をこすり、侮辱のように思われて、二人がせっかくその中に身をおいて、心の耳の中でまだ鳴りやまぬ恐ろしい厳粛な合唱に聞き入ろうとつとめている、その静けさを破り、束の間二人のまえに開かれたあの神秘的な無限のかなたに目をこらすことをさまたげるのだった。

「口先だけのおざなりの同情の言葉」あるある ! 日常的にネット上でも目にしますねー。時と場合によっては、社交辞令として、これを言うのが必要な時もあるのかもしれませんが…それすら自分には実に苦手であります。
実際、お向かいのおじさんが急に亡くなられ、おばさんにバッタリ会ってしまった時、「この度は御愁傷様で御座いました」とゆーお決まりの言葉が言えなかった自分でした。_| ̄|○ ほんっっとにいきなりだったし、よく2人で歩いてるのを目にして仲良いなーと思ってたものだから、気の毒で何も言えなかったっす。
しかし、自分がどんなに親切か、やさしい人柄かを皆に知らしめたいが為に、これを言う、書く人を目にすると、ケッ ! と冷笑しながら立ち去ります。

次の一文、実にうまい表現だと思いました。

 魂の本質の破裂から生じる心の傷は、それがどんなに奇異に思われようとも、ちょうど肉体の傷と同じように、しだいにふさがってゆくものである。深い傷が癒えて、傷口の端がくっついたように思われてからは、心の傷は、肉が盛り上がると同じように、あとは生命の盛り上がる内部からなおってゆくだけである。
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『戦争と平和』その7 2009.9.28

アンドレイに共感する所が多かったので、どうしてもアンドレイのセリフや独白の引用が多くなりますが、以下もアンドレイ公爵とピエールとの会話より、アンドレイのセリフです。

「ああ、きみ、このごろぼくは生きているのが辛くなった。あまりにも多くのことがわかりかけてきたのだよ。人間は知恵の木から果実を食べすぎると、よくないのだな……---後略---」

そうなんですよね。人間知らない方が幸福だと思うことってありますよね。
しかし、たとえそれが辛い道だとしても、「知る」方を選びたいとは思います。

次はアンドレイ公爵の妹である、公爵令嬢マリヤ。
彼女の神経質で真面目な性質、共感する所も結構あります。
大事な用事の前には、私も狼狽えて、くよくよと考え過ぎる傾向があります。

公爵令嬢マリヤは、彼が言うであろう言葉と、それに自分が返す言葉とを、あれこれと思いめぐらしてみた。するとそれらの言葉が不当に冷たいと思われたり、あまりにも意味深長すぎはしないかと思われたりするのだった。彼と会う際に何よりも彼女が恐れていたのは、彼を見たとたんに、すっかりうろたえてしまって、そんな気が彼女はしていたのだが、不様な自分をさらしはしないかということであった。

これから起こる会話を想像することって、結構ありますねー。その時になったらスッカリ忘れてたりするんですが…(笑)
次の一文ですが・・・

 捕虜になってから、バラックの中で、ピエールは、人間というものは幸福のために創られているのだ、幸福は自分自身の中に、人間の自然の要求をみたすことにあり、いっさいの不幸は不足からではなく、ありあまることから生じるのだということを、頭脳によってではなく、自分の全存在によって、生命そのものによって知った。

この「いっさいの不幸は不足からではなく、ありあまることから生じるのだ」に、唸らされました。
なるほど、その通りかもしれません。

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『戦争と平和』その6 2006.9.27

◆フリーメーソン◆

*ちょっとだけネタバレ


ピエールがフリーメーソンに入る所はドキドキでした~。
そして、あの「ヨハネの黙示録」の666の獣がココに出てくるんですね !
元オカルト好きの私としては、こういう箇所は実に嬉しいですっっ。そしてこのカバラっぽい数字と文字の組み合わせのおもしろい事と言ったら !
ちゃんと表示されるか不安でありますが…。(英字と数字の所)

ピエールはフリーメーソンの同志の一人によってナポレオンに関する次のような予言を知らされた。それは使徒ヨハネの黙示録から引かれたものだった。
 黙示録の第十三章十八節にこう述べられている。『知恵はここにあり、心ある者は獣の数字を算えよ。獣の数字は人の数字にして、その数字は六百六十六なり』
 さらにその同じ章の五節にこう記されている。『獣また大言と涜言とを語る口を与えられ、四十二ヵ月のあいだ働く権威を与えらる』
 フランスの文字は、ヘブライの数字の表示法にならって、はじめの十文字を一単位にし、あとを十単位にすると、次のようになる。

  a b c d e f g h i k l m n o p q r s t u v w x y z
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

 このアルファベットの数字で L'Empereur Napoleon (訳注 ナポレオン皇帝) という語を書くと、その数の合計が六百六十六となる、したがってナポレオンは黙示録に予言されているその獣である。そのうえ、このアルファベットによって quarante deux (訳注 フランス語の四十二) という語、つまり獣に大言と涜言を語る権威をあたえられた期限を書くと、quarante deux をうらわすこの数の合計もまた六百六十六になり、したがってナポレオンの権威の限界は、彼が四十二歳になった年、つまり一八一二年に来ることになる。


うげっ ! ( ̄□ ̄;)上下合うように丁寧に入れたスペースが全て無視されてUPされてます・・・_| ̄|○ 楽天のいぢわる。

フリーメーソンに関しては、以前こんな記事を書いてます。ちと読んでみてくださいな。
ベートーヴェン「第九」とフリーメイソン

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『戦争と平和』その5 2006.9.25

世の中は不条理に満ちていて、このつまらない、たった1人の人間に、こうまで自分がひどい目に合うのはどういう事だ? と疑問を突きつけたい事って、あるんですよね。すんごいわかりますっっ !
何故こんな人間が存在し、人の領域にずかずかと入ってくるんだろう? とか。
以下、アンドレイのセリフより引用です。

「ああ、情けない ! なんということだ ! 」と彼は言った。「考えられるか、
だれが何をしたというのだ、あんな屑みたいなやつが、人の不幸の原因になりうるとは ! 」


アナトーリとエレンの兄妹は、ピエール、アンドレイ、ナターシャに深く関わってきて、不幸をもたらす訳ですが、この2人の父親にしても、家族全体の特徴というのが表れていて、大変おもしろいです。
アンドレイ、マリヤの兄妹と、その父親の特徴にしても、ナターシャの家族の暖かい雰囲気にしても、家族の特徴と、その人々の関わりと言うのが実におもしろかったです。

◆国民性◆

トルストイはドイツ人に恨みでもあるのか?と思えるくらいに、ぼろくそ言ってますが、この国民性、当たってますでしょうか?

アンドレイ公爵は、この短い会見だけで、アウステルリッツ当時の記憶のおかげで、この人物の明確な人間像を組み立てることができた。プフールは、もう治療の見込みがないほど、狂信的にまで自己過信にこりかたまっている人々の一人だった。こういう人間はドイツ人にしかないが、それは科学という抽象的理念、すなわち完全な真理の観念的認識の基礎の上に立って、絶対の自信をもつことができるのは、ドイツ人だけだからである。フランス人が自信をもつのは、自分は頭脳も肉体も男性をも女性をも無抵抗にするほど魅力的であると考えるからである。イギリス人の自信は、自分は世界でもっともよく組織された国の公民であるという基礎の上に固定している、だからイギリス人は、イギリス人として何をすべきかを常に知っているし、イギリス人として自分がなすことはすべて疑いもなくりっぱなことである、と心得ている。イタリア人が自信をもつのは、自分が熱狂しやすく、自分をも他人をもあっさり忘れてしまうからである。ロシア人が自信をもつのは、まさに、自分は何も知らないし、知りたいとも思わないからであり、だからロシア人は、何事も完全に知ることができるなどとは信じないのである。ドイツ人の自信はもっとも始末が悪く、もっとも頑強で、もっとも鼻持ちならない、というのは、ドイツ人は、自分は真理を知っている、それは自分が考えだした科学で、これこそ自分にとって絶対の真理である、と思いこんでいるからである。

こういう文は実におもしろいものですが、そうそう、言えてる~~と素直に共感できない自分がおりました。(^^;)
と言うか、よくわかりましぇん。(イタリア人に関しては、言えてる気がするけど…)
このドイツ人に対する見方は、時代のせいもあるのかもしれません。
現在ではドイツという国は、早くから環境問題に取り組み、徹底してゴミを出さない、地球に対して素晴しい国だと思います。全世界が見習ってほしいものです。

まだまだつづきます。

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『戦争と平和』その4 2006.9.23

◆ナポレオン◆

ナポレオンの事をよく知っている訳ではないので、このトルストイの強烈でかなりしつこいナポレオン批判が正しいのかどうかは知りませんが、ああ、わかるなあ。いるいる ! とおもしろく読めた部分を、いくつか引用します。

どうやら、彼は自分だけが語る必要を認めていたらしく、甘やかされた人々にありがちな、おさえのきかぬいらだちを見せ、ひとりよがりの美文調に酔いながら、弁じつづけた。

ナポレオンは、自分の正しさを自分自身に証明するという、ただそのために、何が何でもしゃべりまくっていなければ不安なような、そうしたいらだちの状態にあった。

これ、すんごいわかりますねー。こういう人はしゃべればしゃべる程ド壷にハマッていくよーな。自己弁護の為にしゃべりまくって、醜態さらして、どんどん変な方向に行く人 !

次はナポレオン批判とクトゥーゾフ援護です。

 ロシアの歴史家たちにとって (なんとも奇怪で、口にするのも恐ろしいことだが ! )、ナポレオン----一度も、どこでも、追放地においてさえ、人間の価値を見せたことのなかった、この無性格な歴史の道具にすぎぬナポレオンが、讃美と渇仰の対象であり、偉人なのである。それにひきかえクトゥーゾフは、----一八一二年におけるその活動の初めから終りまで、ボロジノからヴィルナまで、その行動によっても、言葉によっても、一度として自分を裏切ることなく、自己犠牲と、現状の中に事件の未来の意義を洞察することとの、史上にまれな模範を示した人物である、そのクトゥーゾフが、彼らには何かあいまいな、みじめな人間に見えて、クトゥーゾフと一八一二年を語るとき、常にいささか恥ずかしさをおぼえるらしいのである。

 仲間の無学と、競争相手の弱さと無気力と、嘘に迫真力をあたえる能弁と、視野の狭さからくる幻惑するような満々たる自信とが、この男を軍の首脳へ押し上げる。

人間いかに見た目に騙されやすいかがよくわかる文章です。
例えば、戦わないことが、あるいは退くことが勇敢な場合もあるんです。
トルストイの、あまりにもしつこいナポレオン批判とクトゥーゾフ援護には、読む方はしんどくて、いいかげんに目を通した程度で頭に入っていかなかったのですが、このトルストイの気持ち、訴えたい事というのは良くわかるんです。真面目に読まなければいけなかったのかもしれません。・・・にしてもなあ。

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『戦争と平和』その3 2006.9.21

時には善人が及ぼす <悪> と言うものは、悪人が及ぼす <悪> よりも始末におえないことがあります。
ニーチェが「ツァラトゥストラはこう言った」で、以下のように書いています。

「悪人がいくら害悪を及ぼすからといっても、善人の及ぼす害悪にまさる害悪はない」

ツァラトゥストラはこう言った(上)
ツァラトゥストラはこう言った(下)

ツァラトゥストラ(1) ツァラトゥストラ(2) 

ピエールは常に善人でありたい人で、しかし、その善の施し方が、あまりにも考えなしであり、よかれと思ってやっている事が、どんなに不幸を及ぼしているか、それに気付かない所は本人は幸せだなあ、と思わされる所がありました。
以下、そのピエールとアンドレイとの会話から、アンドレイのセリフを引用。

「さあ、論じ合おう」とアンドレイ公爵は言った。「きみは学校とか」と指を折りながら、彼は言葉をつづけた。「教育とか、そうしたことを並べたてる。つまりきみはあの男を」彼はそのとき帽子をとって、まえを通っていった一人の百姓を指さした。「動物的状態から救い出し、精神的要求をあたえてやろうというわけだ。だが、唯一の可能な幸福は----動物的幸運だ、とぼくは思うな。ところがきみはそれを百姓から奪おうとする。ぼくはあの百姓が羨ましい、ところがきみはあの百姓をぼくのようにしようとする、しかもぼくのような財産を持たせずにだ。もうひとつきみは、彼の労働を軽減してやると言う。ところがぼくに言わせれば、彼にとって肉体的労働というものは、ぼくやきみにとっての知的労働と同じように、生活の絶対の必要であり、条件なのだよ。--後略--」

この時には、ピエールはまだアンドレイの言っている事がわからないようです。
そして、そんなアンドレイを憐れに思います。
後になって、彼もアンドレイの言っていた事を、きちんと理解するように成長するのですが。

周りがきちんと見え、ものごとが解っているアンドレイのような人に、私は惹かれます。
ただ、このアンドレイは、人を寄せつけないような冷たさも持っており (トルストイはそのように描いています) 暖かみがないのは、ちと辛いかなーと。
しかし、愛情も備えた立派な人物なので、沈着冷静ではあるはずなのですが、ひんや~りした人格に描いてあるのが、何だか違和感を感じてしまいます。

次は、あーこういう事、あるある~と思った一文。私も、雑談している内容の中で、おもしろい話を挟もうとして何度も弾かれ、諦めた事があります。やっと間があいて言える時が来た時には、もう話が別に行っていて遅かったり、なんですよね。
この表現が上手いじゃないっすかっっ。

 彼は何度か話に加わろうとしたが、そのたびにコルクが水中からはじき出されるように、彼の言葉はどこかへ飛んでいってしまって、彼はいっしょに冗談を言い合うことができなかった。

その4へとつづきます。

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『戦争と平和』その2 2006.9.19

この話は、社交界から始まり、戦場、そして平和な家庭、という感じでしょうか。
社交界シーンの中、ちょっとシャレた言葉が1巻に出てきましたので、引用します。

女というものは自分の年齢のことを言ったあとは、何かを期待しながら、きまってちょっと口をつぐむものである。

あーわかる~~。なんとなく~。

私は、映画では、オードリー・ヘプバーンのはちゃんとは観ていなくて、ソ連のものを観ていて、大変素晴しかったと記憶しているのですが、ナターシャ役のリュドミラ・サベリーエワは、『ひまわり』で、マストロヤンニの奥さんになってる人なんです。
全然印象が違うので、気付かないですよ~。

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映画では、ずっとナターシャを見守るピエールがいいなあ、と思いましたが、小説では、アンドレイ公爵の頭の良さに惹かれました。
そして、トルストイを今まで避けてきた理由が「純粋に神様寄り」という印象で、苦手意識を持っていたのですが、そういう部分はちらほら見られました。
アンドレイのような人が、突如として神様を信じるというのが、ちと疑問に思います。以下引用。(*ネタバレ気味です)

『これはどうしたのだ? おれは倒れるのか? 足をすくわれたようだ』こう思いながら、彼は仰向けに倒れた。彼は、フランス兵たちと味方の砲兵たちの肉弾戦がどのような結果に終ったか、赤毛の砲兵が刺し殺されたかどうか、砲が奪取されたか、それとも救われたか、見たいと思って目を開けた。しかし彼には何も見えなかった。彼の頭上には、空のほかは、----灰色の雲がゆるやかにわたっている、明るくはないが、やはり無限に深い、高い空のほかは、もう何も見えなかった。『なんというしずけさだろう、なんという平和だろう、なんという荘厳さだろう、おれが走ったり、叫んだり、戦ったりしていたときとは、なんという相違だ。フランス兵とロシア砲兵が恐怖と憎悪に顔をゆがめて洗杆の奪い合いをしていたときとは、なんという相違だ、----あのときこの無限に高い空をこんなふうに雲がわたってはいなかった。どうしておれはこれまでこの高い大空に気がつかなかったのか? やっとこの大空に気がついて、おれはなんという幸福だろう。そうだ ! この無限の大空のほかは、すべてが空虚だ、すべてが欺瞞だ。この大空以外は、何もない、何ひとつ存在しないのだ。だが、それすらも存在しない、しずけさと平和以外は、何もない。おお、神よ、栄えあれ ! ……

すごく良いシーンと思い読んでいると、ありゃ、と言う感じでした。(^^;)
また、もうちょっと先の3巻で、こんな独白も出てきます。

『あわれみ、兄弟たちや愛する者たちに対する愛、われわれを憎む者に対する愛、敵に対する愛----そうだ、これは地上に神が説いた愛だ。妹のマリヤに教えられたが、理解できなかったあの愛だ。これがわからなかったから、おれは生命が惜しかったのだ。これこそ、おれが生きていられたら、まだおれの中に残されていたはずなのだが、いまはもうおそい。おれにはそれがわかっている ! 』

次回につづきます。

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『戦争と平和』その1 2006.9.17

いやあ、しんどかったです。
ナターシャの出番があんなに少ないとは。
戦場がメインで、トルストイの哲学話とナポレオン批判がすんごい長いです。
楽しい場面はすごく楽しく、それぞれの家族とその特徴と、家族たちの繋がり等、実に素晴しくおもしろいのですが…。だるい部分がとにかく多かった !

そして、私が読んだのは、平成17~18年刊行の新潮文庫 (改版) なのですが、こんなに新しい本なのに、ひっじょおおおに不親切だと思うのですが、登場人物紹介も家系図もないんですよ。
母が昔読んだ本には、家系図が出ていたそうです。(母の記憶もちと当てにならないですが)
この小説には、絶対家系図必要ですからっっ !
まあ、読んでるうちに、わかってはくるんですが。あったら、かなーーり楽なのに~~~と思いました。

ナポレオン批判は、クトゥーゾフ援護をしたいと言う、トルストイのやさしい気持ちの表れだとは思うのですが…。かなーりしつこいっす。ナポレオンに対するキョーレツな皮肉がおもしろい所もありますけどね。

やはり、ナターシャと、その周りの人々だとか、ピエールの出番があると、楽しくぐいぐい読めるのですが、なにしろ退屈な所が多くて、そういう主張は、別の作品でやって頂き、こちらは純粋に彼等の物語だけにしていただけたら、楽しく読めたと思うんです。
名作である事には間違いないんです。

フリーメーソンの所なんかは、妖しい暗黒の世界好き~な私には、大変おもしろく読めました。
ここの所は、文字と数字の組み合わせ等がおもしろく、長~い引用をするつもりなので、是非我慢してお読みくださいませ。(汗)

辛い読書ではありましたが (汗)、光る箇所も多く、またまた引用地獄に引きづり込んじゃいますね。これまた長くなりそうです。

こちらに人物紹介が出てました。これコピーして読むと良いかも~

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【漫画】西村しのぶ『下山手ドレス (別室) 』その3 2006.9.16

コレコレのつづきです。

こんなお役立ち情報があったので、引用を。エアコン清浄のおにーさんのセリフです。

冷房を切るときは1時間ほど"送風"にして、エアコン本体の冷えをとってやると結露を防ぐのでカビも生えにくくなるですよ

にゃるほど ! もう夏も終わりだけど、来年実行しよっと。

「カフェ立居ふるまい」のところにハゲしく同意 !

~悲しいとき~
「きれいなひとがデカイ音たてて席を立つのをみるとき……」
「きれいなひとが化粧室やトイレのドアを、なにも考えずに、いきおいだけで閉めるのに居合わせちゃうとき……」
「……さらに、きれいなひとが思いっきりトイレットロールをひっぱってる音聞かされるとき……」


*注 漫画なので改行バシバシな為、てきとーに勝手に句読点つけちゃってます。

そうそう ! すごい勢いでバタンって閉める人、若い女性に多い気がするんですが、あれはほんっっとに苦手。別に怒っているとかでなく、フツーにやっているようなのですが…あー苦手 ! 遭遇すると、なんで~?といつも思います。

さあ、あなたもこれを読んで素敵な女性になってしまうがいいわ ! !

オススメです !

HP ありますよん。

*同じ漫画家さんで、赤星たみこさんと言うエコ生活の達人がいらっしゃいますね。
このキッチンにはびっくらこきました。ええなあ。こーゆーキッチンがいい~~~。
この方の知恵、頭の良さには、ほんと驚かされます。
赤星コム

エコロなココロ もったいない事典 きれいに暮らす簡単石けん生活 はいッ!ガンを治した赤星です
赤星たみこの石けん達人


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(2006/07/07)
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【漫画】西村しのぶ『下山手ドレス (別室) 』その2 2006.9.14

こちらのつづきです。
MASACOさんの石けんの話を書きましたが、さらに読んでいくと、いつも愛用している、散々いろいろ試した末、コレをずっと使っていこうと私も思っている、パックスナチュロンのシャンプー&リンスも出てきました~ !

ナチュロンシャンプー ナチュロンリンス
ナチュロンシャンプー
ナチュロンリンス

 ・湿しんが治った
 ・抜け毛が明らかに減った
 ・枝毛もなし
 ・お風呂場スッキリシンプルになった
 ・とにかく地肌がスッキリ


ってほぼ自分にも当てはまりますっっ ! (湿疹は元々なかったので、それ抜かせば全部)
是非こちら↓も見てみてん。
石けんライフの薦め☆石けんシャンプー&リンスについて☆
石けんライフの薦め☆さらにこわ~いお話☆

さらに、こう書かれています。

1ヵ月から半年で髪の根元がしっかりしてくるのが実感できます。石けんシャンプーであなたの髪も健康になってしまうがいいわ ! !

パックスナチュロンでは、最近新商品が出てまして、私はまだ試してないのですが、評判いいですよ~

オリーブから生まれたお肌に、髪にやさしい石けんシリーズです合成添加物無添加。肌にやさしい... パックスオリーリンス本体太陽油脂

そして、ココにご紹介したばかりの「布ナプ」も出てくるじゃああーりませんかっっ !
その布ナプの使用感を、以下のように書かれています。

 ・肌ざわりがよい
 ・あたたかい
 ・通気がよい

そのせいで気分も良いからか、生理痛も軽く、期間も5日程で終わりもスッキリ


って、全く私と同じですっっ。
さらに……もっと早く知ってたら ! ! と悔やまれますって、そうそう ! 私もまったーーーく同じこと思いました !
こちら是非見てくださいね。

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【漫画】西村しのぶ『下山手ドレス (別室) 』その1 2006.9.12

実はサイン本が当たりましたー♪\(>▽<)/♪
いつもお買い物しているネットショップで、抽選で139名 ! (応募が予想以上に多く、100名だったのを増やしたそうです。)
知らない漫画家さんだったのですが。(汗) 漫画読むのも久しぶりだし~。
すんません、実は応募した事も忘れてますた。

とってもオシャレで素敵な本ですっっ。
ちとブランドものには、私あんまし興味ないんで、ブランド好き買い物好きな部分は特に共感はしないのですが (でも気取ってないので好感持てます)、例えばバリ島に行くと、双児ちゃんのような日本人ばかり見かける、Tシャツにらく~なズボン姿にウエストバッグか、いかにもな旅行用バッグの斜掛けみたいな…そして、皆子供に見えるって。
「せめてクタやレギャンのお色気GOGO ! ! な女子たちの半分でも
オシャレしてる日本女子はホントにきれいなの」
ってとっっても同感 ! (いや、バリ島にはまだ行った事はないんだけどね。10年以上前から行きたい~と思っている場所であります。行く計画してて、何かでボツった事あるし) もし行ったら、バリ島ぽい可愛いワンピかなんか着たいし~♪ ビーズのサンダル履きたいし~。アタバッグ(←荷物になるか?) かグラニーあたり持ちたいもんね。
バリのファッションって、ほんとに可愛くて大好き♥
・・・ちと横道にそれましたが、お友達同士おんなじ格好すんのやめて、自分流オシャレしませんか~?っつー話でした。

ブランドばりばりの派手な奥さまかと思いきや、ガーデニングに凝ってみたり、エコ生活している所が良いと思いました。

エコ生活大好きな私としては、まず、バリ島ウブドで石けんをつくられているMASACOさんの登場に嬉しい驚き !
なにしろエコ生活のきっかけになったのが、MASACOさんの石けん工房でつくられているブラットワンギソープなのですから !
(こちらも。)
大好きなバリ雑貨・ファッションのお店アパカバールさんでのお買い物に、この石けんの切れ端がサービスでついていたんです。それが気に入り、調べたら、シャンプーバーなるものを発見 ! それが私の石けんシャンプーの入り口でした。(パチュリー がお気に入り)

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吉乃黄櫻

Author:吉乃黄櫻
ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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映画の部屋も( `・∀・´)ノヨロシク

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