『《ドラキュラ公》ヴラド・ツェペシュ』その3 2006.10.31
ヴラド・ツェペシュが本拠地にした城は、アルジェシュ城だそうですが、ブラム・ストーカーは別の城をモデルにしたようです。以下引用。
なお、ブラム・ストーカーが小説『吸血鬼ドラキュラ』の冒頭部分で雰囲気たっぷりに描写した断崖絶壁のうえにそそりたつドラキュラ城は、まったく架空のものであって、この実在したアルジェシュ城とはなんの関連性もない。ストーカーがモデルにした城砦は、やはりヴラド時代に実在したビストリツァ城あるいはブラン城であったようである。
◆性格◆
吸血鬼ドラキュラのモデルになったヴラド・ツェペシュという人は、ドラキュラ像とあまり一致するものがあるとは思えず、どうにも不思議な感じが、この本を読んでも消えなかったのですが、大変きびしい性格ではあったようです。
私は本書を読んで、あまりにも寛容でなさすぎる、とは思いましたが、また、なかなか正しく、理不尽な事はしない人でもあったようです。そして、誇り高く立派な人物でもあったようです。以下引用。
その絶対的な権力を確立するために、ヴラドは政敵の存在を許さなかったし、また一般国民にたいしても、治安維持に反するような行動はきわめて厳格で容赦ない態度で処断した。彼はひとびとがつねに勤勉にはたらき、盗みや不正をおこなわず、妻は夫によくつくし貞淑であることをもとめた。こうした道徳律にたいする違反についても、それが些細なことであってもたちまちきびしくとがめられた。違反したために極刑に処された例は、伝承やドイツ語本物語などのなかには数多くみることができる。---中略---わずかな盗みのような軽犯罪まできびしくとりしまられたので、ワラキア国内では治安がゆきとどき、水飲み場に置かれた黄金製の杯を持ちさるものはいなかったほどだったので、外国からの旅人も安心してすごすことができたともいわれる。
この辺の所は、後に『吸血鬼ドラキュラ』の感想で、またふれますね。これ読んだ後に再読したんです。なので、しばらく吸血鬼ネタとなる訳ですが・・・。
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