◆時計じかけのオレンジ◆
「アレックスはイド (潜在的衝動) の怪物だ。それは誰の中にも隠れている」スタンリー・キューブリックひとこと映画評にチラッとミニミニレビューを書いてますが、好きな映画3本にも入る大大大好きな映画ですっっ!
んで、↓え~~~?!なのですが、ご存知でしたか?
六二年に出版された『時計じかけ~』はイギリスでは売れなかったが、アメリカではベストセラーになり、六五年にはアンディ・ウォーホルがバージェスに無許可で『ビィニール (Vinyl) 』という短編映画にしている。また、六八年にはケン・ラッセル監督が映画化しようとしたが、版権が取れずにあきらめている。仕事で池袋に通っていた頃、マニアックなビデオレンタル屋に、確かコレありました!
そして、借りようとは思っていたのですが、借りて観たかどうか、記憶がさだかでなく。(^^;)
ああ、観たい・・・。
さらにさらに・・・
ファッション・センス、セクシーさ、少年っぽさ、それにルールに囚われず本音を言うこと。それはロック・スターの条件でもある。実際、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーがアレックスを演じる予定もあったのだ。うーーん、果たしてミック・ジャガーが演じてたら、どうだったんでしょね。
今となってはマルコム・マクダウェル以外に考えられましぇんっ!
余談ですが、母の誕生日に妹がうちに来て一緒に食事した時の会話ですが、今年住民税がとんでもなく上がったじゃないっすかっっ。
母が「でも昔はもっと働いて、休みもなくて」ってな事を言ったら、妹が「でも企業努力によって、今は休みもとれるようになって環境が良くなったのであって、国がしてくれた訳じゃないのに」ってな話になったんです。
発泡酒なんて、ビール会社が努力を重ね思考をこらし、なんとかして安いビールをと、試行錯誤の結果生まれたものなのに、それを国から税金をかけられちゃあ水の泡じゃないっすか。ひどい話です。
アレックス一味の暴力より、もっと恐ろしいのが国家権力なんですよね。以下引用。
七二年、ミルウォーキー出身の二十二歳、アーサー・ブレマーが大統領候補ジョージ・ウォーレスを銃撃して重傷を負わせた。押収された彼の日記には『時計じかけ~』を観て人が殺したくなった、と書かれてあったのだ。
この日記は出版され、それを元にポール・シュレイダーは『タクシー・ドライバー』(七六年) の脚本を執筆。さらに『タクシー~』の少女娼婦ジョディ・フォスターに憧れた男ジョン・ヒンクリーが、八一年にレーガン大統領を銃撃した。
『時計じかけ~』はたしかにいくつかの暴力を誘発したかもしれない。しかし、それでもやはり国家の暴力よりはマシなのだ。アルゼンチンなどの南米各国では『時計じかけ~』が上映禁止になったが、その一方で軍事独裁政権が数万人の市民を拘禁・拷問・密殺していたのだから。バージェス原作の『時計じかけのオレンジ』には、実はカットされた最終章があったらしいです。以下引用。
いったんは「元に」戻ったアレックスだが、彼はもはや不良「少年」ではなかった。かつての仲間が結婚することを知った彼は自分も定職に就いて家庭を持とうと決心する。
「若さは過ぎ去ってしまう。獣のように生きられるのは若いうちだけだ」
もちろん彼は過去の暴力を反省したわけではない。アレックスは最後に誇らしげに読者に呼びかける。
「兄弟たちよ、たまにはヤンチャだったころのアレックスを思い出してくれ」うげっ。
この結末は、編集者にもキューブリックにも却下された訳ですが、そりゃそーだろ、と。
それまでの、ハラショーなセンスはどうしちゃったんでしょってぐらい、こんな結末はドッチラケもいい所だと思いました。同じ作者が考えたとは思えんって感じ。
*タクシードライバーの事にふれたついでに。『マーティン・スコセッシの私のイタリア映画旅行』という映画、ご存知でしょうか? イタリア映画の紹介映画なのだけど、これがすんごい良いですっっ!今3のはじめの所まで観た所です。
主にロッセリーニ、デ・シーカ、ヴィスコンティ等の作品紹介なのですが、実に見事。スコセッシ見直しちゃいました。
クリックよろぴくー。
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