『罪と罰』再読 その4 2008.5.30



この小説の後半最大の盛り上がりが、ポルフィリーとの対決だと思うのですが、ラスコーリニコフの思想には、若い頃の自分を思い出して共感する部分もあります。
大きな声で言うにはこっぱずかしいですが、自分には何か特別な何かがあるとか、何か出来るはずだとか、そんな事ですね。大人になるにつれ、幻想は崩れ、現実が見えて、自分がいかに凡人かを思い知らされる訳ですが、ポルフィリーのセリフに爆笑しつつも、大人になった今、ラスコーリニコフを見る自分の気持ちみたいなものも、ポルフィリーの中に見出したりします。
まずはラスコーリニコフの独白より引用です。
ぼくはもう何日もの間、ナポレオンならこうやるだろうか、やらないだろうかなんて悩みとおしたんだから、自分がナポレオンでないことをはっきり感じていたわけなんだ……
続いて、ポルフィリーのセリフです。
いや、危険なのは、青年によくある、この抑圧された、誇らしい熱情なんですな! あのときはからかいましたが、いま言わせてもらえば、私はがいして、つまりアマチュアとして、青年の最初の熱情的な習作が大好きなんですよ。いちめん煙と霧が立ちこめているようでいて、その霧のなかから弦の音がひびいてくる。あなたの論文は不合理な、空想的なものでしたがね、あそこには真情から出たもの、何ものとも妥協しない若々しい誇り、向こう見ずな大胆さがちりばめられていました。
多分、次回で最後です。
うう、もっと何か書けたはずだと思うんですが、再読してから書くまでに時間が経ち過ぎてしまいました。_| ̄|○
クリックよろぴくー。


スポンサーサイト