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辰濃和男『文章のみがき方』その4 2009.11.9

良いなーと思った例文を、つらつら引用して終わりたいと思います。
作家であり詩人である中野重治は「単純に書きたい」と書いていまして、単純でない文章についてこう書いています。

 「中身がさほどでもないところへやたらに調味料を使ったようなの、肝腎の食いものより皿や皿敷きに金をかけたようなのを好まない。色づけということを拒まぬけれど、いやに毒々しい色づけは御免こうむりたい。つまりそれを自分の書くものに求めている」

上手い!

   

岡本太郎が「ものを作る」ことを人にすすめるために残した言葉が引用されてまして、コレが実に良いんです。

 「手で作るというのは、実は手先ではなく、心で作るのだ。作品の中で、自分で情熱をそこにつぎ込んで、ものを作る。楽しみ、開放感、そして何か冒険、つまり、うまくいかないのではないか、失敗するかもしれない、等々いささかの不安をのり越えながら作る。そこに生きている夢、生活感のドラマがこめられている。心が参加して、なまなましく働いていることが手づくりの本質だと言いたい」

この本は読みたいです。



最後に、タイムリーな事に、ちょうど「熊谷守一美術館」に行ってきた頃に、この部分を読みました。
著者の以下の言葉には同感です。

熊谷は、私の知る限りでは、日本が生んだ、もっとも生命力にあふれた画家だと思っています。アリやチョウやクマンバチやフシグロセンノウや、そういう小さな生きものの命を見つめ、見守り、見つづけ、その命を描きつづけた画家です。

そんな熊谷守一の文が4つほど引用されています。それを引用します。

 「下手にかけたからといって、消してもやぶいても、下手にかけたという事実は消すことはできない」
 「絵でも字でもうまくかこうなんてとんでもないことだ」
 「下品な人は下品な絵をかきなさい、ばかな人はばかな絵をかきなさい、下手な人は下手な絵をかきなさい」
 「絵でも字でも上手下手は問題ではない。どう気張ってみても、自然にその人らしさが出てしまう。上品な人は上品に、下品な人は下品になるのは当然のことでどうにもなるものではない」


そして、熊谷が嫌ったのは、下品な人が上品ぶった絵を描こうとすること、ばかな人が背伸びして才気に満ちていると思わせる絵を描こうとすることだと書かれています。
ああ、また読みたい本が増えてしまいました。表紙も最高じゃないっすかっっ!↓↓↓





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テーマ : エッセイ/随筆
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Author:吉乃黄櫻
ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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