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カフカ『城』 2005.6.14

カフカの死後に発表された未完作。
おそらく、『審判』とおなじく、不条理を主題とする、哲学的見方が主流なのでしょう。
いつまで経っても城に辿りつけないもどかしさ、永遠に辿りつけない孤独、絶望感を描いている。それは確かなのでしょう。そして見事でもあります。
昔『審判』を読んだ時に、いつ明らかになるんだ?というもどかしさと共に、結局わからずに読み終え、そして、それが<不条理>である、と言う事なのか、となんとなくわかった気になったものですが、今度の『城』、これはカフカだから、とーぜん城に辿りつけるはずはにゃい ! と、もどかしさもなく読み進んでいきました。
しかし、コレ、かなり笑える小説だったのです。こーゆーレビューは誰も書いてない?
これ、カフカのユーモア満載じゃないっすか。

バタイユの『文学と悪』では、<<子どもらしさ>>がキーワードのように繰り返し出てきたと思いますが、この小説の可笑しさは、まさに<<幼稚性>>だと思うんですよ。
それも、役人だとか、上に行く程に幼稚性が目立っています。どうしようもないダダッコですよ。赤ちゃんにしゃべる能力を付け足したら、このようになりますね。子供の気持ちを正確に説明しているような感じです。言い訳等は一切なく、明らかにそっちが悪いだろって感じなんですが、それが当然当たり前のごとく。そこがおもしろいです。
Kは、この幼稚性に、散々振り回される訳です。

ある映画を想起した引用を2つ。

役人の事務室の話です。

机の上には、大きな本をひろげて、順々にならべてあります。そして、たいていの本のそばにはお役人が立っていて、それを読んでいます。もっとも、いつまでもおなじ本のところに立っているわけではありません。しかし、それは、本をとりかえっこするのではなくて、席を交替するんです。バルナバスがいちばん感心するのは、席を交替するときにお役人たちがたがいにからだを押しつけあいながら移動する光景だそうです。ほかでもありません、場所が狭いためです。

笑えるB級ホラーの傑作、『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を思い出しちゃったではないっすか。(爆)
うろ覚えですが、会議中、いちいち席を移動したりするんですが、すんごい狭い部屋で、確か机の上這って移動してたと思うんです。
2004.11.17投稿 今日はB級ホラー話なんぞを。



そんで、コレ。

ここは、すべてが小造りだが、しゃれていた。場所は、利用できるかぎり利用してあった。廊下は、まっすぐ立って歩くのにぎりぎりの高さだった。廊下の両側には、客室のドアがほとんど切れ目なしにならんでいた。廊下の両側の壁は、天井まではなく、途中で切れていた。

これはまさに、●●●マルコヴィッチの穴●●●ではないっすかっ !

最後に…実にカフカ的な、自由についての一文です。

そのとき、Kは、これで他人とのあらゆるつながりが断ち切られ、もちろん、自分はこれまでよりも自由な身になり、ふつうなら入れてもらえないこの場所で好きなだけ待っていることができる、そして、この自由は、自分が戦いとったもので、他人にはとてもできないことだろう。いまやだれも自分にふれたり、ここから追い出したりすることはできない、それどころか、自分に話しかけることもできまい、とおもった。しかし、それと同時に、この確信もおなじくらいつよかったのだが、この自由、こうして待っていること、こうしてだれからも干渉されずにいられること以上に無意味で絶望的なことがあるだろうかという気もするのだった。

新潮文庫、前田敬作・訳で読みました。


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Author:吉乃黄櫻
ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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