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増補版『カフカとの対話』手記と追想 グスタフ・ヤノーホ その1 2005.6.15

小説ではわからない、カフカその人を知る事ができる、大変貴重な感銘深い一冊です。
当時17歳の、グスタフ・ヤノーホとカフカとの対話です。
ヤノーホの父親が、カフカとは労働災害保険局での職場の同僚で、文学に没頭し、自ら詩も書く息子と出会わせます。
このお父さんがまた、実に良いんですよ。
カフカが若いヤノーホに語る言葉の中に、おもしろいアフォリズムがいっぱーーーいつまっているんです。
そして、カフカの人となりが良くわかります。実にやさしく、思い遣りに溢れた、大変な人格者だったんですね。周りの人達にも好かれていたようです。
私、偏屈な変人で一匹狼で周りにも嫌われてるタイプだと勝手に思ってました。(^^;)(^^;)(^^;)

P.308の、労働災害保険局で掃除夫として働いた人の話等。

「ドクトル・カフカは立派な方でございます。あのお方は他の人たちとはまるで違っていらっしゃる。あの方が人にものをお与えになる、そのなさり方だけでそれが分かるのです。---中略--- ドクトル・カフカは、それがなにか不味そうな塊りみたようなままになさっておくことは決してありません。葡萄や果物をお皿の上にきれいにお並べになるのです。そして私が事務室に参りますと、ただ何気なく、もしこれが入り用だったら、とおっしゃるのです。そうです。ドクトル・カフカは私を掃除婆さんのようにはお扱いになりません。立派な方でございます」

ヤノーホに対しても「これをお取りなさい、これを差し上げます」とは決して言わず、「これはもう返して下さるには及びません」と言って渡すのです。

そしてまた、小説にも表れている、孤独と絶望に苦しみ、心を閉ざした人というのも、やはりカフカの一面であったようです。
カフカの事を「親しい知人」と言うお父さんに、ヤノーホは「なぜ友人と言わないのです」と聞きますが、お父さんは
「友達づき合いするには、あの人はあまりに控え目で、あまりに自分を閉ざしている」
と言います。また、カフカ自身、次のように言っています。

「私はいつも内部に鉄格子を抱いているのです」

カフカには先見の明もあったようです。正しく鋭く物が見られ、大変な頭の良さで、適格な判断をし、先の事も見ていた節があるように思います。
第二次世界大戦を予言したような、次の会話には驚かされます。

「私たちは、 <人間インフレ> の時代に生きています。兵隊や大砲より安い民間人を絶滅すれば、それだけ儲かるのです」
「それでもなお」と父は断言した。「私は戦争になるとは思わない。大多数の人間が反対しているのです」
「それがなんの役に立つでしょう」とドクトル・カフカは諦めの表情で言った。「多数が決定するのではありません。多数とは、つねに指図されたことをするだけのものではありませんか。決定的なのは、身をもって流れに逆らう個人なのです。---後略---」


マルキ・ド・サドについて言及している所もあります。
カフカは、「サド侯爵は現代の守護神 (パトロン) の第一人者です」と言っています。

「サド侯爵は、生の歓びを他人の苦しみによってのみ勝ち取るのです----富める物の奢侈が、貧しき人々の悲惨によって購われるように」

「その2」につづきます~


カフカとの対話 (ちくま学芸文庫)

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
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