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カフカ『変身』再読 2005.6.29

*ネタバレあり

 ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、ベッドのなかで自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついた。

という出だしで始まる、とんでもなく衝撃的な、あまりにも有名なこの小説。コレ、インパクト強すぎっすよね~。カフカの発想の豊かさには、ほんとに驚かされます。

『城』を読んだ時、至る所にカフカ流ユーモアを発見し、大変おもしろく読了したのですが、カフカのユーモアには、なにか人間の悲しさがつきまといます。そして、この『変身』は、大変おもしろくユーモアに満ち、そして、とんでもなく悲しい小説です。

セールスマンであるグレゴール・ザムザが、朝起きて虫になっていた。それから焦って、早く着替えて仕事に行かねば・・・と四苦八苦する所が、もう何とも可笑しいではありませんか。
と同時に、何かサラリーマンの哀愁も漂ってきちゃいます。

<解説>に、次のようにあります。

肝心なことは、グレゴール・ザムザが冷たい雨の振りつづいている、もの悲しい天候の朝、ふと目がさめてみると、自分が大きな、一匹の毒虫に変身してしまったことを、自分の目で発見して、しかも、自分ではそれほど驚いてもいないことである。

そうなんですよね~。ここがもう、何とも可笑しく、不思議な所なんですね。

ここなんかも、なにげに笑わせてくれます。

グレゴール自身は、だれひとり気をきかせてドアを閉め、この光景と、大騒ぎを見ないですむように計らってくれる者がいないので、これまた怒りをぶちまけて、聞こえるように舌打ちをつづけた。

こーゆー可笑しさがいっぱいつまってるんですよね、カフカの小説には。

そして、何が悲しいって、カフカはいわゆるサラリーマン生活をしながら小説を書いていた訳ですが、『変身』は、そんなカフカにしか書けない、悲しい小説だと思うのですよ。
グレゴールの家族の変化していく様が、もう悲しいのなんのって。
彼におんぶにだっこで生活していた家族が、虫になったグレゴールを頼りに出来なくなるのだから、とーぜん自分達の力で生活していく事になるのですが、なんだーやれば出来るじゃん、とか思いますよね。
そして、何とも残酷なラストが・・・。
明と暗の見事なコントラストを描いています。
これは実におぞましい奇怪な物語ですが、しかし、大変リアルでもあると思うのです。
そして、描写のリアルさがまた、悲しみもおぞましさも倍増させてますよね。
グレゴールは死に、家族は本当の意味で生きる (活きる) 事になる訳なのですが、ああ、これが人生なのか・・・って感じっすよね。

角川文庫 中井正文=訳で再読しました。
こんなイマイチな表紙になってるんだ~~

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
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