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チボー家の人々『エピローグ』その2 2005.10.7

*相変わらず重要なネタバレ警報*

毎日忙しく働いて、自分を見つめる事もなく生きてきて、病気によって、自分を見つめたり、物事を考える時間が出来たアントワーヌ。
いつも「兄さんにはわからないんだ」と言われつづけてきた彼が、今ならジャックの事をもっとよく理解できたのに、と思う所が、何とも切ないです。以下引用。

もし戦争がなかったら、おれはあやうくだめになるところだった。ぜったいそうした中毒からのがれられないところだった。おれは、どんなものでも金で買えると思いかけていた。---中略--- うまい汁を吸う人間、おれはあやうくそうしたものになりかけていた ! 金銭によって人をおさえてやることのたのしみ、おれはそれを知ったのだった……金銭によって人から尊敬されるたのしみ、おれはそれを知ったのだった……そしてあやうく、そうやって尊敬されるのを当然のことのように思い、金銭によって優越さまであたえられるもののように思いかけていたのだ……

そして彼は、初めて列車の三等に乗るのです。

前回書いたように、ジェンニーとジゼールは、ジャックの遺児ジャン・ポールを一緒に育てているのですが、同じ部屋に、ジャン・ポールを真ん中に寝ているのです。そして、その部屋には友人の画家が描いたジャックの肖像画があります。
これを見ながら、アントワーヌは、ジャックの最期について思い巡らします。

 じっと肖像をながめていたアントワーヌは、ジェンニーの話を聞きながら、自分もまたその高地での一夜のこと、運命の飛行機の到着したときのこと----あのばかばかしい最期のことなどを考えつづけていた ! 彼は、そうしたヒロイズム、さらにその他のヒロイズム、そしてほとんどすべてのヒロイズムの無意味さについて考えていた。彼の心には、崇高であるとともに空疎なさまざまな戦争の思い出がよみがえってきた。<<ほとんど常に>> と、彼は思った。<<ああした勇ましい狂気は、誤った判断のうえに立っている。すなわちそれは、はたして最高の自己犠牲に値するものであるかどうか冷静に考えたことのない、ある種の価値にたいする、夢のような信頼に過ぎないのだ……>>

これはココで引用した、作者の思想そのものですよね。

まだつづくんかい、と思いつつ、<その3>へとつづいちゃいます~

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ジャンル : 小説・文学

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Author:吉乃黄櫻
ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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