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三島由紀夫『サド侯爵夫人』 2005.11.7

『サド侯爵夫人』はまさに、澁澤龍彦の『サド侯爵の生涯』から生れた戯曲です。
三島自身が次のように書いています。

 澁澤龍彦氏の『サド侯爵の生涯』を面白く読んで、私がもっとも作家的興味をそそられたのは、サド侯爵夫人があれほど貞節を貫き、獄中の良人に始終一貫尽していながら、なぜサドが、老年に及んではじめて自由の身になると、とたんに別れてしまうのか、という謎であった。この芝居はこの謎から出発し、その謎の論理的解明を試みたものである。そこには人間性のもっとも不可解、かつ、もっとも真実なものが宿っている筈であり、私はすべてをその視点に置いて、そこからサドを眺めてみたかった。

これは、私も、『サド侯爵の生涯』を読んで、実に不可解に思った事で、また大変興味を覚えた事でありました。

そして、この戯曲、女性しか出てこないのです。女性6人による戯曲です。
登場人物で実在したのは半分の3人。あとの3人は三島による創作の人物です。
以前、三島由紀夫脚本の映画『黒蜥蜴』を観て、なんと言う見事なセリフの美しさだ、とびっくらこいちゃいましたが、この『サド侯爵夫人』も、セリフの流れるような美しさに驚かされます。
そして、三島の創作である、サン・フォン伯爵夫人は、これはもう、私は丸山 (現・美輪) 明宏としか思えません。丸山明宏以上にピッタシに演じられる人がいるだろうか、と。
しかし、1965年11月14日より、紀伊国屋ホールで、松浦竹夫氏演出によって初演されたそうなのですが、サン・フォン役は、真咲美岐さんという方が配役されています。
自由奔放な感じのサン・フォンとは正反対のシミアーヌ男爵夫人との会話が実におもしろいです。そこには三島独特の個性的な美学があり、以前まろさんが「この人の描く女の人は、この人の想像の中の女の人なんだな」と思っていました。と書いていらしたように、三島の世界の中での女性達という感じがします。

さて、『サド侯爵の生涯』でのルネ・ペラジー サド侯爵夫人についての疑問についてですが、以下のセリフが、三島が考える答えのようなものと言えるのでしょうか。

良人が悪徳の怪物だったら、こちらも貞淑の怪物にならなければ、と思いますの。

そして、長年の獄中生活にやっと終わりを告げてサド侯爵が戻ってくると、ルネ夫人は永遠にサドに会う事なく、修道院に入ってしまうのです。
結局は、謎は謎のままという気もしますが、なんとなくわかる、という気もするのです。
ルネ夫人は、獄中で身動き出来ないサドに奉仕する自分が、もしかしたら好きだったのではないでしょうか。相手が閉じ込められていたからこそ、あれだけ尽す事が出来たのかもしれません。その状態が崩れてしまう事に、恐怖を感じていたのではないでしょうか。
もう1つ考えられるのは、長年待ち望んでいた夢が、いざ叶うとなると、途端に恐くなるのが人間と言うものだと思います。


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60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
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