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加賀乙彦『宣告』その7 2005.12.8

◆精神科医の悩み◆

あらゆる精神病の多くは、あまりにも辛い現実からの逃避の為、なるべくしてなったものであり、それを治してしまえば、またもとの辛い現実に引き戻されるという事を、私も昔から考えていました。
そんな精神科医としての悩みを近木も抱えていたようです。おそらくこれは、作者自身の悩みでもあったのだと思います。以下引用。

あの女は三人の子供を道連れに死へ旅立ちを決意し、それがすばらしい旅であることを信じて、子供たちに一張羅を着せ自分もお化粧して喪服を着こんだのに、ことのほかの手違いで子供たちだけが旅立ってしまい、自分ひとりが居残ってしまった。あの女の決意と信念を、平凡な人間の平凡な信条を成文化した法律は殺人と規定し、法務技官である自分は法律の側に立って、殺人犯であるあの女が法律のさばきを受けやすいようにあの女の意志に反して治療せねばならぬ。あの女がいまもっとも望んでいることは、死であり忘却であり狂気であり、人間としての一切の条件を棄てさることであり、いやすでにあの女は人間であることをやめてしまっているのに、裁判官も検事も区長も若い看守も法務技官である自分も、あの女を無理やりに人間の次元にひきもどそうとしている。

  

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
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