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アポリネール『聖公爵』 2006.3.28

河出文庫の『一万一千の鞭』に入ってる作品で、二十世紀になってのサド再評価の先駆の一つとなったそうです。
ここの所、生田耕作氏の薦める近代エロス文学をいくつか読み、それらに見られるサドの影響の凄さを実感してます。まずはサドありき、という感じ。
エロだけに限らず、サドの無神論哲学も、多大な影響を与えています。
やはり ! と思いましたが、この本によると、ニーチェがサド侯爵の抒情的哲学と精力的思想をわが物にしてみせると憚らず語ったそうです。
サドについて書いたものはこちらから~。

ド・サドその人は、執政政治と帝政の上級裁判権の裁判外の犠牲となった人間の原型なのである。との文が印象的でした。

アナトール・フランスは「サド侯爵のテクストをパスカルのそれと同様に扱う必要はない」と蔑んで書いたそうですが、エミール・シュヴェという人はすでに1882年に、サド作品の、ある力と偉大さを認めていたそうです。その『男らしさ』という作品が引用されています。

  侯爵よ、君の著書は強烈だ、だから将来なんぴとも、
  これほど卑しく汚濁に身を沈めることはないだろう、
  魂の毒素をごっそり集め、こんな花束にまとめてしまう芸当は、
  君のあとなんぴともできるものでない……

  ……少なくとも、君、淫猥を見るその眼力のしたたかなことよ !
  強姦、親殺し、近親相姦それに掠奪が
  君の文章に充満し、だからわれわれ人間は、この横腹に君の人喰いミューズの吼え声を聞く……


澁澤龍彦の『サド侯爵の生涯』も是非読んでみてくださいね。ココココに感想UPしてます。

ところで、解説に、アポリネールはローランサンと恋仲だった事が出ています。
そして、ぬわんと、私の大好きなアンリ・ルソーが、アポリネールとローランサン絵を描いてるんですよ !
「詩人に霊感を与えるミューズ」という絵です。コレですよん。
私の部屋にはルソーの「ライオンの食事」のポスターが貼ってあります。

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詩人アポリネールが書いた変態エロ小説

 「ミラボー橋の下をセーヌ川が流れ われらの恋が流れる わたしは思い出す 悩みのあとには楽しみが来ると」・・・・・堀口大學の名訳で知られるアポリネールの「ミラボー橋」は、シャンソン歌手レオ・フェレの歌でも有名だが、私にとっては、「ミラボー橋」の詩人とし…

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
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