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カポーティ『冷血』その3 2006.5.3

音楽とギターを愛し、殺す瞬間に咄嗟の思い遣りを見せる、殺人犯ペリー。
彼のした事は、とうてい許される事ではないのは承知ですが、何か心を動かされてしまうのです。どーも葛藤のようなものが残る小説でした。
殺された家族の人柄を描き、どんなに残酷な事件だったかを克明に描きつつ、この犯人への思い。これがこの小説の醍醐味と言えるのではないでしょうか。

そのペリーの精神分析が実におもしろく、全文引用したいぐらいなのですが、そこをぐっとこらえてさわりの部分だけ。

彼は他人にたいして猜疑心と不信感を抱き、他人は自分にたいして差別待遇をすると感じる傾向を持ち、また、他人は自分にたいして不公平であり、自分を理解していないと感じているのです。他人が自分にたいして行なう批判には過度に敏感であり、人からからかわれるのにはがんまができません。彼は他人が口にする事柄のうちに侮蔑とか侮辱とかいったものを鋭く感じとり、しばしば善意の言葉を曲解することもあります。彼は友情とか理解とかいったものを自分が大いに必要としていると感じてはいますが、他人に心を打ち明ける気になれず、いざ打ち明ける場合には、誤解されること、さらに裏切られることすら予想するのであります。他人の意図とか感情とかを評価するに当って、真実の姿を自分の心理的投影から分離する能力がきわめて乏しいのであります。

この後がおもしろいんですが(^^;)、2ページ入力すんのもあれなんで…とにかく読んでみていただきたいですっっ。
ペリーの最期の言葉には、心を揺さぶられました。
それは、刑事デューイー、また作者のカポーティーも同じ気持ちだったのかもしれません。以下引用。(処刑はディック→ペリーの順で行なわれました)

最初の処刑のときには、彼は心をかき乱されなかった。ヒコックにはあまり好意を持っていなかったからである----デューイーにとって、彼は「空虚な価値のない暗闇から這い出てきた三流詐欺師」のように思われた。だが、スミスは----彼こそ殺人者であったのだが----別の反応を起させた。というのも、ペリーは一種の特性を備えていたからである----傷つきながらさまよい歩く動物が持っているような霊気、それを刑事は無視することができなかった。

次回最終回につづきます。

 

1家4人惨殺事件はなぜ起きたのか。緻密な取材で犯行のすべてを再現し、絞首台まで事件のすべてを描ききったノンフィクション・ノベルの最高傑作が新訳で蘇る。発刊40年、世界中の作家、ライターに影響を与えた冷酷な犯人の人間像描写を今一度味わうチャンスだ。(松)

カンザスの村で起きた一家四人惨殺事件。五年余を費やして綿密な取材を敢行し、絞首台まで犯人を追った本書は四十年を経た今なお、輝きを放ちつづける。捜査の手法、犯罪者の心理、死刑制度の是非、そして取材者のモラル。人間の魂の暗部を抉りつくし、後進の作家たちに強烈な影響を及ぼした暗黒の教典、待望の新訳成る!


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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
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