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エウリーピデース『ヒッポリュトス』その2 2006.5.11

●パイドラーとヒッポリュトス (ラシーヌとの比較) ●

ラシーヌの『フェードル』と違い、この作品はパイドラー (フェードル) が実にかわいく描かれています。
次のセリフなど。

婆や、やっぱりまた顔を隠して頂戴
さっき口走った言葉が恥かしいのですもの。
ねえ婆や、隠して頂戴、涙が出てきて仕方がないし、
顔は恥かしさにほてるばかり。
正気にかえるって、辛いことね。
でも気の違っているのもいけないし、
一番良いのは、気がつかないうちに死んでしまうことだわ。


そして、アプロディテーの復讐の犠牲になる訳でして、この作品では一番悲劇的に描かれていると思えます。『フェードル』のように、自分から告っちゃったりもしない訳でして。
しかし、ラシーヌの『アンドロマック』におけるエルミオーヌを思い出させるようなセリフもありました。

でも私は自分も死ぬ代り、もうひとりの人にもきっとひどい目に遭わせてあげます。
私をみじめな目にあわせておいて、自分だけ大きな顔をしてはいられぬことを思い知らせてやります。
この私の苦しみを少しでも、自分で味わってみたら、
あの高慢の鼻も折れましょう。


一方、『フェードル』では実に可哀想で、いちばん悲劇的だったイポリット (ヒッポリュトス) が、こちらでは結構嫌なヤツに描かれています。ちと長いですが…次のセリフなど。

ゼウス様、どうしてあなたは人間のために、女という偽りにみちた禍いを、
 この世にお遣わしなさいました。
人間の種族を増すおつもりであったのであれば、
女によらずに、なさるべきでありました。
人間どもはあなたのお社で、
金銀銅の銭を払い、
子種をそれぞれの値で買い求める
ということも出来ましたろうに。
そうなれば、女どものおらぬ館で
のんびりと暮すこともできたわけ。
女が大きな禍いであるということは、次のことでもわかります。
生んで育てた父親が、持参金まで添えて
娘を嫁にやるのは、つまりは厄介物からのがれるため。
さて憐れなのは、この厄介な代物を背負いこんだ男、
いそいそとしてこの大変な人形を、
着飾らせるに余念なく、
ついに家財をすりへらす。
よい姻戚に恵まれれば、その代りには悪妻に悩まされ、
また良妻を得た代りには、性悪の舅を背負いこみ、二つよいことはないと諦める。
所詮こうした運命を免れぬのだ。
愚かで役にも立たぬ代りに、害にもならぬ妻を抱えた男が、まだ一番ましかもしれぬ。
とにかく私は賢しい女は嫌いだ。女の分際で賢ぶるような女を
妻には持ちたくないものだ。
とかく色恋の過ちも、賢しい女に多いもので、
甲斐性のない女は、頭の働きの遅いお蔭で、
そういう間違いを犯さずにすむというもの。
---後略---


長くなったので、次回につづきます。
  

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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