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清水正『阿部定を読む』その5 2006.7.7

◆阿部定の孤独◆

これも実に言えてるなーと思いました。この事件に対する大勢の方々の反応の不思議さを、言い表しているんでないか、と思います。(2つ引用)

 阿部定の供述を読んで、彼女が吉蔵を殺したこと、彼の陰部を切り取ったこと、その陰部を胸懐に抱いて逃亡したこと、そういった言わば犯罪の事実に関して彼女が深い罪の意識に苛まれていたと感じる読者はほとんどいないのではなかろうか。彼女は吉蔵を殺した、それは紛れもない犯罪なのだが、しかしこの犯罪は妙に説得力のある自然性を獲得してしまっている。---中略---
 阿部定は自分の性愛的欲求を全肯定しているかのようである。性愛的欲求こそが人間の生きている唯一絶対の証だといわんばかりに、阿部定は吉蔵との濃密な関係にのめり込んでいった。


吉蔵殺しは金目当ての殺人でもなければ、怨念がらみの殺人でもない。阿部定は純粋に、惚れて惚れて惚れ抜いた吉蔵を永遠に所有したかった、ただそのためだけに吉蔵を殺してしまった。この <純粋> と <無垢> が、世俗の垢にまみれて生きるほかない多くの人間に衝撃を与え、感動を覚えさせたのである。

『阿部定正伝』に、出所後の阿部定の事が、わりに詳しく出ていたのですが、とても孤独な人だったんだなあ、と感じました。
次の一文は、定の孤独をよく言い表していると思います。

 生の側に一人ぽつねんと残されたのは定である。もはや吉蔵の <死> を <生> の側へと奪回することは不可能である。この不可能が阿部定にとってどうして絶望とならなかったのであろうか。それは、阿部定が求めたのが吉蔵との永遠の一体化ではなく、絶対的な征服であったからではなかろうか。


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