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『阿部定伝説』その1 2006.8.11

1936年5月、愛人を絞殺しその下腹部を切りとった阿部定の事件は、さまざまな伝説に彩られて、いま新たなブームを呼んでいる。そのゆたかな文学性のゆえに評判となった予審調書をはじめ、阿部定自筆の置手紙など貴重な資料を集成。加えて、定をモデルにした創作の中から選りすぐりの短篇三本を併せ収めて、“阿部定伝説”の発展・深化の跡をたどる。

【目次】
1 予審調書―全文/2 証言・対談・その他資料/3 阿部定ロマネスク(世相(織田/作之助)/聖淫婦(宇能/鴻一郎)/鬼灯(森/真沙子))


これがまた、なかなかおもしろい本でありました。

これにも、予審調書、「畳屋のお定ちゃん」、坂口安吾対談等等出ていたので、この辺は読んでいるので飛ばしました。

私、びっくり仰天してしまったのですが、「週間東京」1956年5月19日号の「私は石田を殺さない」。当時51才の定が語った事です。
お定よ、それはないだろう、と。2つほど引用。

 世間では、わたしが石田を殺した、とおもっているでしょうね。そう疑われても、仕方がないフシがわたしの行動にありました。しかし、わたしにはあの人を殺したおぼえはないんです。警察でも、法廷でも、「お前は石田を殺したうえ、彼の下腹部をきりとったことに間違いないか」ときかれました。そのつど私は「はい、その通りでございます」ときっぱり申しあげたことがあったんですが、あのとき死ぬつもりだったからでした。

一週間も極端な生活をつづけると、どうなるかは、ご想像におまかせする以外ありません。十七日の昼ごろから、もう二人は、なにがなんだかわからなくなってしまいました。
 こうした普通でない、ふかしぎな気持のなかで、あの人は自分の首を、自分でしめていたのです。---中略--- それからあとのことは夢中だったのでおぼえておりません。


・・・って、あれだけ具体的に供述してたじゃあないっすかっっ。そして、次々と衣裳を変えて変装して逃げてたんですぜ?
「まさき」を出てからの事も、ハッキリとすごい記憶力で供述してたじゃあないっすかっっ。
お定、とち狂ったとしか思えません。

そして、「阿部定ロマネスク」と題し、定をモチーフにした小説が三篇載っています。
織田作之助の『世相』は、天婦羅屋のオヤジの話で (いちおネタバレしないでおきます)、これは良かったと思います。
その次の宇能鴻一郎の『聖淫婦』は、あの校長先生を主役としたような話なのですか、これはダメだなーと思いました。あまり現実的でないかと。
あの先生を主役にすること事態が、間違いではなかろうかと…。
森真佐子の『鬼灯 (ほおずき) 』が、いちばんおもしろかったです。老人になった定と、その隣で暮らす若い女性の話です。やはり、女性の方が、定の事をよくわかっているのではないか知らん…なーんて思っちゃいました。

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
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