4巻からつづく「赤壁の巻」、3巻の関羽と同じく、玄徳の妻子を助ける趙雲子龍のカッコイイ事!惚れ惚れします。
そして、その趙雲子龍に惚れ込むのが、またまた曹操なのでありました。以下曹操のセリフ等より引用。
「さては、かねて聞く趙子龍であったか。敵ながら目ざましい者だ。まさに一世の虎将といえる。もし彼を獲て予の陣に置くことができたら、たとえ天下を掌に握らないでも、愁いとするには足らん。----早々、馬をとばして、陣々に触れ、趙雲が通るとも、矢を放つな、石弩を射るな、ただ一騎の敵、狩猟するように追い包み、生け捕ってこれへ連れてこいと伝えろ!」 真の勇士、真の良将を見れば、敵たることも忘れて、それを幕下に加えようとするのは、由来、曹操の病といってもいいほどな持ち前である。
彼の場合は、士を愛するというよりも、士を恋するのであった。その情熱は非常な自己主義でもあり、盲目的でもあった。さきに関羽へ傾倒して、あとではかなり深刻に後悔の臍を噛んでいるはずなのに、この日また常山の子龍と聞いて、たちまち持ち前の人材蒐集慾をむらむらと起したものであった。もうなんだか、何でも欲しがる某球団のオーナーのようではあーりませんかっ。凝りない曹操ですねえ。
しかし、人を見る目はなかなか確かであり、盲目的ではなく、驕り高ぶる事なく、部下の意見にもちゃんと耳を貸し、時には非情でもある、この曹操という人、人の上に立つのに実に相応しいと私なんぞは思ってしまいます。
そして、趙雲子龍を助ける張飛が、これまたすんごい存在感!以下引用。
----見れば、丈八の矛を横たえ、かいを脱いで鞍にかけ、馬足をしっかと踏み揃えた大武者が、物もいわず、動きもせず、くわっと、睨みつけていた。
---中略---
張飛はなお一語も発しない。双の眼は百錬の鏡というもおろかである。怒れる鬼髯は左右にわかれ、歯は大きな唇を噛み、眉、眦、髪のさき、すべて逆しまに立って、天も衝かん形相である。*
この字が出ないので、「かい」とひらがなで表記しました。
馬まで後ろへ退いちゃうんですからね。
長くなったので2回に分けます。
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