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パゾリーニ『生命ある若者』その2 2007.1.24

その1で予告したように、ハッとするほど美しい文章を、いくつか引用します。
パゾリーニにこんな面があった事に驚く方もいらっしゃるかも。ちと長いっす。(汗)

 月の光が、とても広くてむこうの柵が見えないくらいのこの畠をすみずみ照らし出していた。お月さまは今、空のうえ高くに小さく見えていた。人間の世界にはもう興味を失って、ただひたすらあっちの世界についての瞑想に耽っているというふうだった。この世にはもうお尻しか見せてやらないぞというふうにも見えた。そしてその銀色の可愛らしいおけつから壮麗な光の雨をふらせて、いたるところ、その雨の洪水だった。月の光は畠のむこう、そこかしこに立っている桃、柳、桜、にわとこなどの、鉄細工のような、硬く、それでいて、白い煙のような輝きのなかで軽やかに身をよじらせて踊っている枝々の上に照り映え、そしてさらに地のすれすれまでおりて来て、畠の面に光の泡を、まるでかすかな光の膜でも貼ったみたいにきらきらさせていた。砂糖大根やのうぜんはれんはその丸っこい顔の半分を明るい光のなかに見せ、半分を闇のなかに隠していたし、レタス畠は黄色く、わけぎやちしゃの畠は金色に光る緑に見えていた。ところどころにむ積みあげた藁束や、田吾作のしまい忘れた百姓道具が、乱雑ななかにも絵のように面白く散らばっていた。しかしそれは大地がかってにこしらえ出した一幅の絵で、わざわざ誰かが骨折ってこんな細工をしたわけじゃなかったのだ。

いやあ、なんとパゾリーニらしさを出したエロティックな美しい文なんでしょう。途中で切れなくて長い引用になってしまいました。
次のはいかがでしょうか。

みなはすっかり興奮していて、電柱の下にいる三人に飛びかかって、とっ組み合いながらころがりまわるかと思えば、他の者はタバコに火をつけて、投げ捨てたそのマッチのせいで少しばかり草を焼いてしまっていた。山の背にそって走る気まぐれな風の流れにそって、草は黒く、狂ったように身もだえしていた。
 雲は一団となって吹き抜けて行き、それを思い出したように稲妻が赤く染めていた。もうすっかり暗くなった大気のせいか、下の工場で溶接をする火花のほうがもっと速く、もっと頻繁に見えていた。そしてピエトラータやティブルティーノの貧しい生活の声は工場のモーターの音に掻き消されていた。


草の描写など、なんともエロティックな感じです。
その後に雲の描写が出てきますが、空や雲に関しての美しい描写は繰り返し出てきました。次回はその辺を引用したいと思います。




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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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