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『嵐が丘』つづきです~ 2005.1.13

※ネタバレいっぱーいです。

昨日の日記に大雑把な感想を書いたんですが、もうちょっといろいろ書きたいと思います。

いい訳と言うのは、語学力&センスだけでなく、作品に対する理解が重要だと思うのです。
私が読んだ新潮文庫の『嵐が丘』の訳者の鴻巣友季子さんの<あとがき>には、私共感しまくりでした。
この小説の魅力の1つとして<笑い>をあげているのはおもしろいと思いました。
んで、私が思うに、なにが笑えるって、語り手でもあるネリーではないでしょうか。
このオバサンがしっかりしてれば、もうちっとマシな展開になったはずなのに~と何度思った事でしょう。
をいをい、気付けよ~とか。(笑)
そして、びみょ~に一般人という感じでしょうか。こういう人は、と言うか、フツーはエドガーみたいな人が好きですよね。
キャサリンは良く思われていないのに、このネリーにいちばん信頼を寄せてしまって、可哀想でした。いっっちばん大切な事をネリーに相談するのだから。
カミュの『異邦人』で裁判の場面、ムルソーを非難する人々の中にネリーはいそうです。(笑)

キャサリンは、(映画しか観てないけど) 『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラを連想させられました。私、スカーレットもレット・バトラーも大好きなんですよ~。



それと、実在人物ですが、カミーユ・クローデルも!





キャサリンは、エドガーとの結婚が間違っている事を心底わかっていたのに、ヒースクリフへの愛の為にエドガーと結婚してしまいます。
次のセリフが全てを表わしてると思います。

「人間の魂がなにで出来ていようと、ヒースクリフとわたしの魂はおなじもの。リントンの魂とは、稲妻が月明かりと違うぐらい、炎が氷と違うぐらい、かけ離れているの」

死にかけているキャサリンと対面したヒースクリフは「ああ、キャシー! 俺の命! こんなこと、どうして耐えられるだろう?」と言います。
そうして激しく抱き合うシーンは、この小説の一番のクライマックスではないでしょうか。

キャシーが亡くなり、「自分の命なしには生きていけない! 自分の魂なしに生きていけるわけがないんだ! 」と言うヒースクリフ。なんという苦しみだろう、と思いました。

終盤で、ヒースクリフがネリーに

「もうちょっとで<俺の天国>に手が届きそうなんだ。だいたい、他人の天国じゃ俺にはなんの有り難みもないし、行きたくもないからな! 」

と言うセリフがあるんですが、前半ではキャサリンがネリーにこんな事を言ってるんです。
ネリーに「天国にいる夢を見た」と語る所です。

「天国はわが家みたいな感じがしなかった。そう云おうとしただけ。だから、地上に帰りたいって、胸も張り裂けんばかりに泣いていたら、天使たちが怒っちゃって、わたしを放り出したの。ヒースの繁る荒野の真ん中によ、この嵐が丘のてっぺんに。わたし、うれしくって泣きながら目を覚ました。」

実は見事なシンメトリーを描いてるんですね~。

それと、笑えると言ったら、キャサリンの子供のキャサリンのいじわるさもですね。
ジョウゼフは最初から最後までおもしろいし。
リントン・ヒースクリフのひ弱さもなかなかです。

思えば、胸くそ悪くなる偽善さと言うのが、この人達にはないのかもしれません。

そして、この小説の映像的な魅力について、訳者は「ずば抜けたカメラワーク」と表現してるのですが、うまいっすね!

この訳者が試みたことが、リントン家の屋敷スラッシュクロス・グレインジに「鶇(つぐみ)の辻」という和訳をつけた事だそうですが、今までの訳では片方だけ横文字だったのですね・・・
「嵐が丘」と「鶇の辻」、いいと思います。



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ジャンル : 小説・文学

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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