ココで、偏屈オヤジ入道が好きだと書きましたが、周りの幸せを思って自分独り残って余生を過ごすなど、なかなか出来ることではありません。私はこの人には大変心打たれたのですが、そんな入道へのこの悪口は許せませんっっ!う~~~っ!!
「ただ世間並みの受領の娘と思われるだけで、目立たないでいたとしたら、こうした身分違いの縁組みも世間にまんざら例のないことでもないと見過されもするだろうが、世にも稀なあの偏屈者の父入道の評判などが、全く困ったものだ。この人の人柄などは、これで結構なのに」ネタバレしますが (ってか今迄も時々していてスミマセン) さらに苛酷な運命が明石の君には待っていたのでありまして、子供を引き離され、紫の上のもとで育てられることになります。
この家族の気の毒さと言ったら!!
そして、瀬戸内さんが、解説「源氏のしおり」でズバリと書いています。
こういうむごいことをあえてする源氏の心の内は、姫君の将来の幸福というより、自分の地位や権力の安定を望んでいる男の野心と利己心である。そんな惨い目に会わされた明石の君に対してのこの言い様はなんなんだ、と・・・。
大堰の山里の明石の君も、どうしているかと絶えずお気にかけていらっしゃいますが、ますます御不自由さを増す今の御身分では、大堰へのお出かけは、なかなか難しいのでした。
「あちらでは自分との仲を味気なく情けないものと思いこんでいるようだが、どうしてそうまで思いつめることがあろうか、気軽に京に出て来て、ありふれた暮しはしたくないと思っているらしいが、それは思い上がりというものだ」そんな源氏にも呆れますが、「薄雲」の章には、とんでもない呆れた坊さんも登場しまして、坊さんとしても人間としても信じられん!って感じでした。
巻四其の二に続きます。
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