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源氏物語 巻六 其の一 2008.2.20

ネタバレ警報~~


光源氏、40を目の前にし、老い先短くなったその時に、朱雀院が出家する際に心配でしょうがない愛娘、女三の宮を、ぬわんと、源氏の嫁にしてくれと頼むんです。
それも、あらゆる候補の中から、悩みに悩んだ末の依頼でして。実に不可解極まりない結論に達したなあ、と、不思議でしょうがなかったんですが。
後もない、父親ぐらいの年齢で、浮気者なのも知っていて何故?? しかも、最愛の紫の上の存在も無視してですか??
この人には「身分」の二文字しか見えていないんでしょうか。
案の定、愛娘も周りも、とんでもなく不幸になってしまうではないっすかっっ。
そんな朱雀院のセリフです。

結婚は本人の心を無視して決められることではないけれど、自分の心に染まぬ男を夫として、生涯の運命が決められてしまうのは、女としての日頃の心がけや態度が、いかに軽卒だったかを推量されてしまう。

え~~ッ? 玉鬘の君にしたって、全く本人の心など関係なしに事が進んだし、女三の宮にしたって、紫の上にしたって、まだわけもわからず13、14才で嫁に出されるのに「本人の心を無視して」決められないって、嘘だろ?と・・・。
しかも、その不幸な結果に対して、非難されるのは嫁の方ですかい??
その点、雲居の雁の君なんてのは、実に幸運だと思うのですが。
とにかく、あらゆる不幸の原因をつくったのが、この朱雀院だと思うのですが、寂聴さんの解説「源氏のしおり」には、毎度ながら非常に共感しまくりです。鋭い視点です。以下その「源氏のしおり」より、ちと長めの引用を。

 最愛の紫の上にこの不幸を与えたのは女三の宮の降嫁であり、源氏はこれ断ることが出来た筈であった。断りきれなかったのは、朱雀院の懇願のせいではなく、女三の宮が藤壷の妹の娘という点にある。あの恋しい藤壷の兄の娘が紫の上で、藤壷の俤をよく伝えていたからこそ源氏が一目で惹かれたことを忘れてはならない。同じ藤壷の姪なら、女三の宮も藤壷の俤を伝えているのではないかという興味と好奇心、それにもはや四十を迎える源氏にとっては女三の宮の十三、四という若さもまた好色心をそそのかされる要因になっていた筈である。つまり源氏は朱雀院の頼みに負けたふりをして、自分の好色心を満足させたかったのだ。聡明な紫の上はそれさえも見抜いていただろう。
 紫の上の悲劇は、源氏との結婚が略奪結婚で、正式の所顕をして社会的に認められていないというひけ目にある。正妻同様の扱いを受けつづけ、それにひけ目を感じたことのなかった紫の上は、女三の宮降嫁という現実の前に、自分の不安定な立場を痛感させられる。
 この紫の上の晩年の悲劇は朱雀院の親心の闇から生じたものである。
 女三の宮の婿選びに迷い抜く朱雀院の優柔不断さに苛々させられるが、まさか最終的に源氏が選ばれようとは読者には予想できない。
 朱雀院と朧月夜と源氏の三角関係の深刻さを知っている読者には、最愛の娘を、煮湯を呑まされた恋仇に託すという朱雀院の神経が理解出来ない。常に源氏に対して負け犬の立場にあった朱雀院が、ここに来て女三の宮の婿として、父のような源氏を、しかもその好色多情さを、厭というほど知らされている源氏を選ぶとは。


朱雀院の、この選択の誤りが、この物語をおもしろくしているのですけどね。この巻は実に筆が冴えてると思います。
巻六其の二に続きます。



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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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