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亀山訳『カラマーゾフの兄弟』1巻 その2 2008.4.6

とにかくフョードルのセリフがおもしろい1巻でして、付箋を貼った箇所もほとんどソレです。
そんな中で、大変おもしろいゾシマ長老のセリフを引用です。

 自分に嘘をつくものは、他のだれよりも腹を立てやすい。なにしろ、腹を立てるというのは、時としてたいそう愉快なものですからね。そうではありませんか? なにしろ、本人からしてわきまえているのですよ。自分を傷つけたものなどだれもおらず、本人が勝手に傷をこしらえ、体裁をつけるためにほらを吹き、絵としてさまになるように誇張し、他人の言葉尻をつかまえては、針ほどのことをまるで棒のように触れまわっていることを。でも、それでもやはり当人は腹を立てるわけです。胸のつかえが下りるまで、より大きな満足感が得られるまで腹を立てる。まさにそういうことを繰り返しているうちに、ついにほんものの敵意が生まれることになるのです……。

つい比べてみたくなっちゃいまして、これの原卓也訳です。

おのれに嘘をつく者は、腹を立てるのもだれよりも早い。なにしろ、腹を立てるということは、時によると非常に気持ちのよいものですからの、ではありませんか? なぜなら本人は、だれも自分を侮辱した者などなく、自分で勝手に侮辱をこしらえあげ、体裁をととのえるために嘘をついたのだ、一つのシーンを作りだすためにおおげさに誇張して、言葉尻をとらえ、針小棒大に騒ぎたてたのだ、ということを承知しているからです。それを自分で承知しておりながら、やはり真っ先に腹を立てる。腹を立てているうちに、それが楽しみになり、大きな満足感となって、ほかならぬそのことによって、しまいには本当の敵意になってゆくのです……

お次はまたフョードルですが、いやあ、この心理状態のおもしろい事!

以前にいちどこう訊ねられたときのことを、彼は今さらながら思い出した。「あなたはどうして、そうまで人を憎むのですか?」そしてそのとき、道化役者らしい破廉恥な思いにかられて答えたものだった。「つまり、こういう理由なのですよ。たしかに彼はわたしに何も悪いことはしなかった、でもかわりにこちらから、とてつもなく恥知らずな嫌がらせをひとつしてさしあげたのです、で、それをすると、たちまちわたしはそのことで彼が憎らしくなったんです」

原卓也訳も引用です。

いつだったか、もっと以前に一度、「あなたはどうして、だれそれをそんなに憎んでいるんです?」ときかれたときのことを、ふいに思いだした。そのとき彼は、日ごろの破廉恥な道化ぶりの発作にかられて、こう答えたものだった。「つまり、こういうわけでさ。そりゃたしかに、あの男は何もわたしにしませんでしたよ、その代りわたしのほうが恥知らずないやがらせをしてやったんでさ。しかも、やってのけたとたんに、それが原因であの男が憎らしくなったんですよ」

まだ続きます。

    

  

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
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