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『罪と罰』再読 その1 2008.5.20

  

旺文社文庫[特製版]江川卓訳で再読しました。
文庫本サイズだけど、ハードカバーとゆーやつでして・・・。
昔読んだ時は、とにかくばーさん殺しのシーンが鮮烈でして、あまりのリアルさに圧倒され、ドキドキしながら読みました。
今回再読してみて、そのシーンの前後がかなり長い事がわかりまして。そして、その前後がまた、おもしろいんですね。
1人1人のキャラといい、真理描写といい、サスペンス的要素もあったり、いやはや、とんでもなく凄い小説です。
それと、ドストエフスキーのいろんな小説と共通する所が、あちこちに出てくるんです。
『白痴』や『死の家の記録』での死刑直前の体験が活かされた話とか、『悪霊』のスタヴローギンの告白のような、幼女陵辱の話とか。
酔いどれマルメラードフも実に良いですね。マルメラードフのセリフより引用です。

 「よろしいですか、あなた」彼は、荘重ともとれる調子で口を切った。「貧は罪ならず、こいつは真理ですよ。いや、もっと真理なのは、飲んだくれは善行ならず、ですかな。しかし、貧乏もですよ、貧乏も度を越すと、こいつはもう罪なんですな。ただ貧しいというだけなら、人間本来の高潔な感情も持ちつづけていられる。ところが、貧乏もどん底になったら、そうはいきませんや。貧のどん底に落ちた人間は、棒で追われるのじゃない、箒でもって人間社会から掃きだされる。つまり、屈辱を思いきり骨身にこたえさせろという寸法ですな。いや、それが道理かもしれませんて。なぜって、貧乏のどん底に落ちた人間は、まず自分で自分をはずかしめにかかりますからな。つまり、酒ですよ!

ラスコーリニコフが小料理屋で、偶然隣に座った学生と若い将校の話を聞くのですが、この将校のセリフが大変重要です。
何の訳にも立たない婆さん1人を殺して、何百、何千という人達を救えるとしたら、果たして、その行為は正しいのか、「ひとつのちっぽけな犯罪は数千の善行によってつぐなえないものだろうか?」という問いかけは、実に考えさせられるものです。
そして、以下の文は、犯罪心理学として、実におもしろいです。こーゆー所もドストエフスキーの凄さ!

 最初、といっても、ずっと以前のことだが、彼はひとつの疑問に悩まされた。なぜ犯罪というものは、ほとんど例外なく、ああも簡単に嗅ぎつけられ、露顕してしまうのだろうか? 彼はしだいにさまざまな興味ある結論に達したが、彼の意見によると、その最大の原因は、犯罪をかくすことが物理的に不可能であるというより、むしろ犯罪者自身のなかにあるのだった。犯罪者自身が、それもほとんどすべての犯罪者が、犯行の瞬間に、意思と判断力の一種の喪失状態に陥り、そればかりか、判断力と慎重さがもっとも必要になるまさしくその瞬間に、めったにないこどものような軽率さにとりつかれる。

次回へつづきます。

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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