スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ミルトン『失楽園』その3 2005.3.7

3回シリーズとなりましたミルトン『失楽園』感想です。
こちらこちらにつづいてお読みくださいませ。

結局イーヴはアダムにも林檎を薦めるのですが、イーヴの犯した原罪を知り、アダムは大変悲しみます。
自らの意思、食べたいと言う欲望からではなく、愛するイーヴと共にいよう、共に堕ちようと、禁断の果実を口にするアダムは素敵だと思いました。

「わたしは自分の絆が自分を引きずってゆくのを感ずる。わたしの肉の肉、
わたしの骨の骨、それがお前なのだ。お前の境涯からわたしは絶対に
離れないつもりだ、----幸、不幸いずれの場合にしてもだ ! 」


愛が深い事って素敵じゃあないっすか。しかし、神の教えは違いました。そんなアダムに向って神はこう言います。

「神の声を無視してこの女の命令に従ったというのは、この女が
お前の神だったからというのか? 自分の男としての資格と、
お前から造られお前のために造られた女の上に、神によって
置かれていた自分の地位を、この女に譲ってしまったのは、
相手がお前より上位の、少なくとも同等の、導き手だったから
というのか? お前の価値は、その真の威厳という点においては、
彼女の価値より遙かに完璧なものであった。いかにも彼女は
美しく装われており、また愛らしく、お前の愛情を惹くに足る
ものであったが、隷属を強いるものではなかったはずだ。彼女の
資質は支配されてこそ見栄えがするが、自ら支配権を揮うなど
とは、見苦しい限りなのだ。お前が自分自身を正しく知っていた
ならば、支配することこそ、お前の任務と役割りであったはずだ」


また、訳注によれば、<<「自分の妻に対しても情熱的な愛をそそぐことは姦淫罪に等しい」という理念が中世においては流布していた。>>そうです。

それと、神様わけわかんねーと思った所が1つ。
サタンは蛇を利用してイーヴを騙す訳ですが、蛇って全然悪いことしてないですよね?むしろ被害者ですよね?ところが神様は蛇に罰をくわえるんですよ。
蛇はこれまで違った姿をしていたのですが、この罰により、一生地をはって歩くようになったとか何とか。

後半は、天使ミカエルの長い長い説明で終ります。ココはちと退屈。
『カンタベリー物語』のラスト思い出しました。コレもそれまで実に楽しい話だったのが、このラストのお説教がとっても長くて退屈・・・
ちなみにパゾリーニの映画では、パゾリーニ監督が作者のチョーサー役で出演してます~↓↓↓


<パゾリーニ・コレクション>カンタベリー物語[オリジナル全長版] [DVD]<パゾリーニ・コレクション>カンタベリー物語[オリジナル全長版] [DVD]
(2003/02/21)
ピエル・パオロ・パゾリーニ

商品詳細を見る


  

自殺をしようと思うイーヴに対して、アダムの言うセリフ、いつの時代にも通じるセリフだと思いました。これを最後に引用しておこうと思います。

「イーヴよ、お前が生命と楽しみを軽く見ているということは、
お前の軽蔑しているもの以上の何か崇高で尊いものが、
確かにお前のなかに存在している証拠だと思う。だが、
自ら死を求めるということは、お前のうちにあると思われる
その尊いものを、否定することになる。また、生命と楽しみを
軽く見ているというよりは、むしろ過度に愛している、従って
それを失うことへの苦悩と悲しみを示している、といわなければ
ならない。それとも、死にさえすれば、もうそれ以上悲惨な目に
逢わなくてすむ、だから死を求め、そうすることによって
宣告された罰を免れるのだ、などと考えるのであれば、それこそ
誤った考えだ。---以下略---」


 

この大叙事詩、ダンテの『神曲』ともリンクしたり、ホメロスやウェルギリウス、オウィディウスからの影響もかなり見られ、そして、パロディー小説とも言えると思うのです。
パロディー小説の凄いのと言えば『ユリシーズ』ですが、17世紀 (1667年です) のこのミルトンの叙事詩は、その基礎とも言えるかもしれないです。
ダンテやホメロス、オウィディウスを読んでいた私は、その点なかなか楽しめました。ただ、ウェルギリウスの『アエネーイス』が訳注にかなりの頻度で登場していたんです。コレは読んでないのでした。う~読みたい。

*その後読了し、感想UPしてます。こちら


アエネーイス (西洋古典叢書)アエネーイス (西洋古典叢書)
(2001/04)
ウェルギリウス

商品詳細を見る


クリックよろぴくー。
人気ブログランキングへ

スポンサーサイト

テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

来訪者数:

現在の閲覧者数:

検索フォーム
プロフィール

吉乃黄櫻

Author:吉乃黄櫻
ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

メインブログ黄櫻御殿
映画の部屋も( `・∀・´)ノヨロシク

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR

アフィリエイト・SEO対策


国内格安航空券サイトe航空券.com


FC2ブログランキング


[PR]アクセスカウンター
[PR]東京 税理士

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。