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江川卓『ドストエフスキー』その2 2008.7.27

◆カラマーゾフの兄弟◆
次の箇所を読んで、スメルジャコフの行為を、にゃるほど!と理解したのでありました。

しかし知識人イワンは、ここでスメルジャコフを見損なっていた。たしかに彼は「肉弾」になるかもしれない。しかしそれは、「神の創ったこの世界を認めない」という反逆の哲学を吹きこまれ、その「反逆」のたんなる実行行為者となるためだけではなかった。彼には明確に自立した意志があった。イワンをも含めて、自分を差別してきたカラマーゾフ家の人びとへの報復、またそのような「地主」一家を支えてきたロシアへの報復が、彼の意志であった。

確かにスメルジャコフは、カラマーゾフ家に見事に復讐を果たしましたよね。
最後に「あとがき」より、中学生の頃に読みふけったドストエフスキーを、「ステパン氏」という、あまり愉快でない綽名をつけられた事をきっかけに、ロシア語の原書で読み返した江川氏の、あれほど細かく謎とき本で紹介してくださった、その思いが伝わる文を紹介して終わりにします。

 そうこうするうちに、私の関心はしだいにドストエフスキーの小説テキストへの関心に収斂されていった。まず、借金と〆切に追われた「悪文」というドストエフスキー神話の一つが崩れ去った。とんでもない。これは、無意味なデテールや無駄な言葉が、ほとんど皆無に近い、驚愕すべきテキストなのだ。文字どおり一つ一つの言葉、その多義的な意味と文体の背後に、神話、フォークロア、古今の文学、時事問題にいたる、広大な地平の存在が実感できる。そしてそこに、おのずと多層的、立体的な小説世界ができあがっている。
 ドストエフスキーのテキストのそのような魅力を、私はこの本でもまず第一に伝えたかった。そこでI章では、そういう小説テキストの成立の契機に、しつこいくらいこだわってみた。?章では、日本にあまり馴染みのないロシアの神話や民族の紹介に比重をかけたが、これは、ドストエフスキーの小説テキストを新しく読み解くための、いわば基礎的なコード・ブックを提供したつもりである。?章は、広い意味で「ドストエフスキーの時代」とでも言うべきものが、文学にとっても、現代の現実にとっても、まだまだ終っていないことを確認するために書かれた。




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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
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