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『レベッカ』 2005.3.9

ヒッチの映画は、何と言ってもデンヴァース夫人が恐ろしくて大好きなのですが、小説を読むと、映画はほんのワンシーンなのだな、とわかります。(しかも、結構変えてもある)




勿論映画としては、あれは正解だと思うんです。限られた時間の中に、ストーリーまるごと、あれもこれもと詰め込みたがると、駄作にしかならないのではないかと。
ただ、この作品の場合特に、映画は観ているのだから、だいたいの事は知っているから小説を読む事をしないというのは ( ←私でした ) とんでもなく勿体無い事だと、読んでみてわかりました。
いやー、読んで良かった !
あらゆる面で楽しめる小説です。
人物描写と心理描写の見事なこと !
序盤では、ヴァン・ホッパー夫人の滑稽さが笑わせてくれるし、名無しの主人公 ( 何故か、名前についての言及があるのにもかかわらず、最後まで名前が出てこないんです。謎じゃ。) の次から次へと浮かぶ妄想もなかなか楽しい。マンダレイでのドジぶりも。

ヴァン・ホッパー夫人のつきそい人である主人公が、素敵な豪邸マンダレイの主、マキシミリアン・デ・ウィンターに求婚され・・・とここまではシンデレラストーリーにも見えます。

そしてマンダレイでは、前妻レベッカ (と言うか、デンヴァース夫人) の影に脅え、絵を描くのが好きで一人静かに過ごす事の好きな主人公は、次々とやってくる訪問客の相手をするのに苦しみ疲れ果て……
人の相手をするのは退屈なんかじゃなく、苦痛なのだと言う事をわかってくれない夫。
このあたりは、すっっごく気持ちがわかるから、涙腺じんわりしてしまいましたよ。電車や職場で読んでるんだから困る・・・
皆が忙しく動き回っている時に、何もすることがないきまり悪さなど、実に心理描写が巧いです !
大富豪のお屋敷の舞踏会なんてものは、当然行った事がなくたって、こういう場面には遭遇しますよね。もう共感しまくりです。
主人公のやることなすことのぎこちなさが、可笑しくもあり、人事じゃないという気持ちにもなり。
<あとがき>を読むと、作者のダフネ・デュ・モーリア (女流作家です) は、夫が宮廷勤めになり、

<<この夫との家庭生活は、かならずしも、しっくりとはいっていなかったようだ。ほとんど宴会や公式の集まりに明け暮れる宮廷勤めの夫と、パーティや社交が何よりもきらいだとつねづね口ぐせのように言っている妻とでは、しっくりいかなかったのも当然かもしれない。>>

とあります。
にゃるほど、その経験からの見事な心理描写なのでしょうか。

その後、俄然サスペンス色が強くなってきます。おおっ ! と驚かされます。
ここからは読んでのお楽しみ~♪
まぢな話、読む予定の方は、絶対にネタバレされないように気をつけた方がイイですぜ。

<<補足>>
ちょっとおもしろい箇所があったので引用。

<<わたしは、ふと子供のころによく遊んだ遊戯----近所のお友達は「おばあさん歩き」と言い、わたし自身は「魔法使いのおばあさん」と呼んでいた遊戯のことを思い出した。その遊戯というのは、たとえば、ひとりが、みんなに背中を向けて、庭の端のところに立つ。すると他の連中が、ひとりずつ、ちょこちょこ走りに、そっとその子のほうに近づいて行く。その子はすこしづつ間をおいて、うしろをふり向いてみる。そのとき、だれかが、まだ動いているところをその子に見つけられたら、その反則者は、うしろの線のところまでもどって、またはじめからやりなおさなければならない。>>

コレ、「だるまさんがころんだ」ではないっすかっ !

ちなみに、新潮文庫の大久保康雄訳で読みました。

 

 

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Author:吉乃黄櫻
ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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