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『失われた時を求めて1 第一篇スワン家の方へI』その2 2008.8.7

ヴァントゥィユ父娘の逸話は、この小説の大きなテーマである〈同性愛〉を扱った最初の箇所ではないかと思うのですが、大変印象的でよく覚えていました。次の文には、にゃるほどでした。

彼女のようなサディストは、悪の芸術家である。そして心の底からの悪人だったら、悪の芸術家にはなれまいものだ。なぜならそのような人間にとって、悪は外部のものとはなりえず、ごく自然な本性のように思われて、自分自身と区別すらできなくなるだろうから。そして美徳とか、故人の追憶とか、子としての愛とかは、本人がそのようなものへの信仰を持ちあわせていなければ、それを汚したところで冒涜の快楽を味わうこともないだろう。

次のも。

もし彼女が自分にもまたすべての人のうちにも、他人の惹き起こす苦悩に対するあの無関心があること、どんな別の名称をも与えようとも、この無関心は残忍さの持つおそろしくまた耐久的な形態であることを見抜いていたならば、おそらく彼女は悪がこんなに稀で異常な見慣れない状態だとは思わなかっただろうし、悪の国に移住することをこれほど心安まるもののように考えはしなかったことだろう。

次の「恋」の話なんて、おもしろいじゃないっすかっっ。

私たちが一人の女を恋するためには、ちょうどスワン嬢がそうしたと私が思いこんだように、ある場合には女が軽蔑をこめてこちらを眺め、私たちがけっしてこの女をものにできないと考えるだけで充分なのだが、またある場合には、ゲルマント夫人のやったように、女が好意をこめて眺め、こちらは、いつか彼女が自分のものになるかもしれないと考えるだけでも充分なのだ。

この本の素晴らしさは、再読によってよりわかるのだ、と思いました。
あの有名な、プチット・マドレーヌを口に入れたとたん、幼年時代の記憶が蘇って、その世界にタイムスリップしていくように、現代と過去と時代が錯綜する様子が、全体の話がわかって読んでみると、よりよくわかるんです。
巻末には、全体のあらすじが出ていたり、登場人物100人の紹介の所でも、かなりのネタばれがあり、ハードカバーで最初に読んだ際にも、同じように先のネタばれをたくさんされて、ああ、知らないで読みたかった!ってな所もたくさんありました。
全体をつかんで、読みやすくする為には良いのだろうけど、ちと疑問でありました。
今回再読の際には、いろいろなシーンが鮮やかに思い出されて、それも、なかなか有り難いのでありました。

  

失われた時を求めて

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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