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『失われた時を求めて2 第一篇 スワン家の方へ?』その4 2008.8.22

オデットの嘘について、これまた実に、そうそう!わかる~~だったので、ちと長いですが、引用します。

一時間後に彼はまた戻ってきた。彼女は家にいた。そして、さっき彼が呼鈴を鳴らしたときは家にいたが、眠っていたのだ、と言う。呼鈴の音に目をさましたオデットは、スワンだろうと感づいてすぐに駆けていったが、彼はもう帰ってしまったあとだった。そして彼女は、窓ガラスを叩いた音もちゃんと聞いていたそうだ。スワンはただちにこのような言い分のなかに、正確な事実の切れ端があるのを認めた。それは、嘘をついている人たちが不意をつかれたときに、気休めに彼らの捏造する嘘の事実のなかにはいりこませ、それによっていかにも、〈真実〉らしく見せかけたつもりになるあの事実の断片である。なるほどオデットは、何か人に明かしたくないことをやったとき、それを自分の奥の方にしまいこむ。けれども彼女が嘘をつこうとしている相手の前に出ると、混乱に襲われ、考えていたことはみながらがらと崩れて、捏造と推理の才能は麻痺してしまう。いくら探っても頭のなかは空っぽであり、それにもかかわらず何か言わねばならない。そのとき彼女は、その手の届くところにあるまさしく彼女が隠しておきたいと思った当のもの、しかも真実である故にたった一つそこに残っていたものにぶつかるのだ。彼女はそこから、それ自身はたいした意味のない小さな断片を一つとり上げ、そして、これは結局のところ本当のことで、嘘の話のような危険は少ないはずなのだから、この方がいいのだと考える。「少なくとも、これだけは本当なのだわ」と彼女は自分に言いきかせる、「だとすれば、損のあるはずがない。あの人が調べてみたっていい。これが本当だと分かるだけだもの。だからこれは絶対に、わたしを裏切るわけがないのだ」。ところが彼女はまちがえている。それが彼女を裏切るのだ。このような真実の一部は、その部分を彼女が勝手にぬき出してきた本当の事実の、これに接続する部分にしかはまらない角を持っており、それは、彼女がこの本当の事実を、どのようなでっち上げの事実のあいだにはめこもうとも、常にはみ出したり隙間が埋められなかったりして、このでっち上げの事実のあいだから出てきたものではないことを示すのである。そのことが彼女には分からない。「彼女は、私が呼鈴を鳴らし、それから窓を叩いたのが、聞こえたと白状している。またそれが私だと思い、会いたかったと言っている」とスワンは考えた、「だがそのことは、彼女がドアを開けさせなかったという事実と辻褄があわない」

そして、スワンはこの矛盾をオデットに指摘せず、さらにしゃべらせつづけます。

なぜなら、このまま放っておけばおそらくオデットはさらに何か嘘をつき、その嘘が事実のかすかな手がかりになるだろうと考えたからだ。

嘘つきは多弁です。例えばワイドショーで犯人がしゃべりまくってる図、というのは、結構見ますよね。



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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
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