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『失われた時を求めて2 第一篇 スワン家の方へ?』その5 2008.8.24

おもしろい表現だと思ったものを引用します。

スワンはまるで、道で出会ってすっかり惹きつけられてしまった女、もう二度とめぐり会えないだろうとあきらめていた女に、親しくしているサロンで不意に顔を合わせたような思いだった。とうとうしまいにその女は、先導するように、すばやく、よい香りをあたりにただよわせながら、スワンの顔にその微笑の反映を残して遠ざかった。けれども今やスワンは、この未知の女の名前をたずねることができたのである。(それはヴァントゥイユの『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ』のなかのアンダンテの部分だということだった)

ヴァントゥイユのソナタは、この小説で重要な役割りを果たしているのですが、音楽をこのように表現するのは、おもしろいと思いました。
しかし、この素晴らしい (であろう) 曲が、全くその良さがわからないオデットとの恋の曲になってしまったところは、なんとも皮肉というか・・・。
音楽に関して、次の文も素敵でした。

彼は、ピアノの思い出そのものが、音楽にかんするものの見方をゆがめていることも、また、音楽家に対して開かれている領域は、あのけちくさい七つの音の鍵盤ではなくて、まだほとんど何も知られていない無際限の鍵盤であることも分かっていた。その鍵盤ではわずかにあちこちに、鍵盤を構成する愛情、情熱、勇気、平静といった幾百万のキーのうちのいくつかが、未踏の厚い闇によって互いに隔てられており、その各々は、一つの宇宙が他の宇宙と異なるように他のキーと異なっている。それらのキーを発見したのは何人かの偉大な作曲家たちで、彼らは自分たちの見出したテーマに対応するものを私たちのうちに目ざめさせながら、こちらの知らぬうちに、私たちが空虚であり虚無であると見なしている自分の魂の、かつて足を踏み入れたことのない絶望的なる大いなる夜が、どんな富、どんな変化を隠しているかを示してくれる。

次回、この巻最終回につづきます。



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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
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