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『失われた時を求めて3 第二篇 花咲く乙女たちのかげに I 』その6 2008.9.16

「美」について、ちと長めの引用をします。

私たちはいつも美と幸福が個性的なものであることを忘れて、これまでに自分の気に入ったさまざまな顔や自分の経験した快楽などをいわば平均して、そこから型にはまった一つのタイプを作り出し、これを心のなかで美や幸福におきかえ、こうしてただ抽象的なイメージしか持ち合わせなくなるのだが、そうしたイメージは無気力で味気ないものにすぎない。なぜなら、私たちのそれまでに知ったものとは異なった新しいものという性格、美や幸福に固有のこうした性格こそ、まさにそれらのイメージに欠けているものだからだ。そして私たちは人生に悲観的な判断を下して、その判断を正しいものと思っているが、それは幸福や美を考慮に加えているつもりでありながら、実はこれを除外し、幸福や美のひとかけらもない合成物をかわりにすえてしまったからなのだ。文学通の人が、新たな「美しい作品」の話をきかされると、読む前から退屈して欠伸をするのもそのためで、それは自分が読んだすべての美しい作品の一種の合成を想像するからである。ところが一冊の美しい作品とは固有のものであり、思いがけないものであり、先行するすべての傑作の和から成っているのではなくて、この総和を完全に自分のものにしたところでいっこうに発見できはしないような何ものかで成っている。なぜならそれはまさしく、先行する作品の和の外にあるからだ。

私以前に映画『ベニスに死す』の感想で、「ひとことで言えば「抜群の美しさを持つ退屈な映画」だと思います。」と書き、美しさの中には退屈さが潜んでいるのではなかろうか、という話に発展した訳ですが、それを思い出しつつ、果たしてそうなのであろうか、と考えているところです。

巻末の、野村歓さんの『「あこがれ」のプルースト』は、この作品のおもしろさを、わかりやすく伝えてくれてます。その中から引用して終わります。

恋する者の傲岸で残酷なエゴイズムを、プルーストは驚くべき眼力によってとらえ切る。あこがれが同時に備える非常な論理をも描き込むことで、プルーストの小説は、いよいよその凄みのきいた面白さを増していく。



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ジャンル : 小説・文学

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
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