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『失われた時を求めて10 第5篇 囚われの女 ?』その5 2008.12.24

引き続き引用です。

「でも、ドストエフスキーはだれか人を殺したことがあるのかしら? あたしの読んだドストエフスキーの小説は、どれもこれも『ある犯罪の物語』って題をつけられるわ。ドストエフスキーの執念なのね。いつも犯罪のことばかり書くなんて普通じゃないわ」「ぼくはドストエフスキーの生涯をよく知らないけど、人を殺したとは思わないね。そりゃドストエフスキーだってほかの人間と同じだろうね。きっと何らかの形で罪は経験していたろうよ――たぶん法律をおかすような形の罪をね。そういう意味じゃドストエフスキーも彼の作中人物と同じにいくぶん犯罪者にちがいないよ。もっとも彼の作中人物は完全な犯罪人じゃないし、情状酌量の余地があるんだけど。

ちょいと意義ありなので、ここで一旦切ります。
情状酌量の余地なんて全くない作中人物もいます。まあ『罪と罰』のラスコーリニコフだって、そうだと思いますが、プルーストは『悪霊』を読んでるのだろうか、と思いました。
昔『罪と罰』を読んだ時、殺しの場面のリアルさに、ほんっっとにビックリして、アルベルチーヌのような感想をチラリと思いました。ってか、人を殺したことがあるのだろうか?とかは思いませんでしたが、まるで殺人を経験しているようだ、と。
それともうひとつ。処女作の『貧しき人々』なんて、まるで犯罪と関係ないですし、プルーストがどれだけドストエフスキー作品を読んでいるか知らないけど、全てが犯罪の物語ではありません。とにかく膨大な量の小説がありますからね。
では、引用つづきます。

いや、おそらくドストエフスキーは犯罪をおかす必要もなかったんだ。ぼくは小説家じゃないけど、作家が自分自身で体験しなかったある生活形態に惹かれるっていうことはあるだろうからね。もし今度約束どおりにきみとヴェルサイユに行ったら、誠実そのものの男で理想的な夫のくせにとんでもない背徳の書物を書いた人物、つまりコデルロス・ド・ラクロの肖像画を教えてあげるよ。しかもそのちょうど正面にはジャンリス夫人の肖像画があるんだけど、これは道徳的な物語を書いたくせにオルレアン公爵夫人をだましたばかりか、子供まで横どりして苦しめた女なんだ。それにしてもドストエフスキーが殺人ばかりにこだわるのはなんだか異常だね。おかげで自分とまるでちがう世界の人間みたいな気がするよ。ぼくときたらボードレールのこんな詩を聞いただけでも仰天しちゃうんだから。ほら、

  ●姦、毒薬、短刀、放火……
  ああ! それはわれらの魂が大胆でないからだ。

ボードレールの場合は本気でそう言ったんじゃないのかもしれない。ところがドストエフスキーとなるとねえ……。ああいったことは、まるでぼくとかけ離れてる気がするんだ。もっとも人は少しづつ自分を実現していくものだから、ぼくのなかに自分でも知らない部分があれば別だけれどね。


* 「わいせつ、もしくは公序良俗に反すると判断された表現が含まれています」と出たので、一部伏せ字にしてみました。
ドストエフスキー好きとしては、なんか癪に障る文だなあ、と。全作品読んでから言えよ、と。
ちなみに言及のあったラクロは『危険な関係』の作者です。未読です。
映画はジェラール・フィリップがミスキャストだと思いました。



ボードレールの詩は『悪の華』です。
悪の華改版

次回へつづきます。



失われた時を求めて

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
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