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『失われた時を求めて10 第5篇 囚われの女 ?』その6 2008.12.26

引用つづきます。
*『カラマーゾフの兄弟』のネタバレあり

ドストエフスキーの場合は、いくつかものすごく深い井戸があると思うよ。でもそれは人間の魂のばらばらに孤立した地点に掘られているんだ。それでもやっぱり偉大な作家だよ。まず第一に、ドストエフスキーの描いた世界は本当に彼のために創り出されたように見えるからね。レーベジェフとかカラマーゾフとかイヴォルギンとかセグレフなんていう道化役者が次から次へと妙ちきりんな行列を作って出てくるだろう? あれはレンブラントの『夜警』にあふれている人物よりもっと異様な連中だね。でもことによると、ドストエフスキーの人物もレンブラントのと同じように、照明と衣裳の効果で異様に見えるのかもしれない。結局はよくいる連中なのかもしれないよ。いずれにしてもこれは真実性に満ちた、深い、ユニークな人たちだし、ドストエフスキー独自の人物なんだ。こういった道化連中を見ると、まるでもうなくなった役柄といったところがあるだろう? 古代喜劇の登場人物みたいにさ。それでもああいった人物は、人間の心の真実の姿を実によくあらわしているじゃないか! うんざりするのは、ドストエフスキーについてしゃべったり書いたりする連中の仰々しさだよ。ドストエフスキーの人物のなかで、自尊心や高慢さの演じる役割にきみは気がついた? 彼にとっては、愛情と狂ったような憎しみ、善意と裏切り、臆病さと傲慢さ、こういったものがそれぞれまるでたった一つの性格の両面にすぎないみたいだね。その自尊心や高慢さのために、アグラーヤだの、ナスターシャだの、ミーチャがひげを引っ張ったあの大尉だの、アリョーシャの敵でも味方でもあるクラソートキンだの、そういった連中の「正体」が見えなくなってしまうんだよ。でもドストエフスキーの偉大さはそれだけじゃない。ぼくはほんの少ししか彼の本を知らないけれど、父親のカラマーゾフが気のふれた哀れな女を妊ませるという罪をおかしたかと思うと、相手の女は知らず知らずに運命の復讐の手先にされるとともに、ぼんやりした母性本能にも従ったんだろう、いやひょっとすると自分を犯した男に対する恨みと肉体的感謝のまじった気持ちにも従っているのかもしれない、ともかく父親のカラマーゾフの家に忍びこんでお産をするなんていう、ああいった説明のつかない神秘的で動物的な心の動き――こういうものはまるで彫刻のモチーフみたいだろう? 単純で、古代芸術にふさわしいようなモチーフだよ。<復讐> だの <贖罪> だのが次々とくりひろげられて、切れてはまた始まってゆく小壁 (フリーズ) の彫刻そっくりだ。これが第一の挿話だね。オリヴィエート大聖堂の彫刻にある <女> の創造みたいに、神秘的で偉大でおごそかな挿話だよ。それに対して第二の挿話は二十年あまりたってからのことになるんだ。父親のカラマーゾフが殺されて、あの気のふれた女の生んだスメルジャコフがカラマーゾフ一家に汚辱を加える。しかもそのすぐあとに、父親のカラマーゾフの庭でお産をするのと同じように説明のつかない、神秘的な彫刻を思わせる行為、しかも同じように謎めいてはいるけれども自然な美しさを備えた行為が続くんだ。つまり犯罪をなしとげたスメルジャコフが首をくくるのさ。

しかし、スメルジャコフの父親がフョードル・カラマーゾフだとはっきりしている訳ではないんですけどねえ…。
「うんざりするのは」のくだり、オマエモナー、って感じが。
レンブラントの「夜警」もオランダで見てきました~~
ココのどこかに感想書いていたかな? (すんまへん。探してる時間なくて~)
次回へ続きます。



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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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