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『アダンの画帖 田中一村伝』その4 2005.12.17

一村の一生は、本当に人間離れした凄まじいものでした。
一村は、もはや生前に認められる事は諦めていました。しかし、奄美へ渡った当初、「東京で個展を開き、絵の決着をつける」と背水の陣を敷いて、絵絹に立ち向かい、遂にとんでもない傑作を描きあげたのです。
東京の個展の夢は果せなかったものの、奄美で個展を開く事が決まっていたのです。しかしその前に、69才の全生涯を終えました。
野菜を刻んでいた時に倒れ、四畳半の部屋に、頭を西に向けてうつぶせに倒れたいたそうです。
かすかに下唇をかんだ無念そうな表情のあとが残ってはいたが、苦しんだ様子もなく、端正な死に顔には、安らかさが漂っていたとか。
せめて生前に個展を開く夢だけでも叶えさせたかったです。あまりにも不遇な天才の一生。
しかし、自ら選びとった人生でもあり、その境遇があってこその作品だとも言えるのです。

一村の目は、人を射すくめるような鋭い光を持っていたそうです。人の心の中まで見透かすような。
千葉時代の友人・高橋伊悦さんは、「一村さんの目をごまかすことは、まずだれもできなかったでしょう。たとえだまされたとしても、すべてを承知のうえで、あえて許していたのでしょう」と語っているとか。
以下引用。

 一村の目は、「格物致知」(大学)ということばに表される「物に格る」目ではなかったか。人の世では「見えすぎる目」は、かならずしも人に幸せをもたらすとは限らない。

どんなに辛い一生だったかと思います。ですが、全てを絵に賭けて、全く手を抜かずに徹底して自分の意志を貫いたその一生は、悔いのなかったものだと思います。

まだまだ紹介しきれないエピソードが沢山あります。是非『アダンの画帖』を読んでみてください。

アカショウビンについてのコメントがあったので、ちょっとそのエピソードを引用。

 有屋の借家で、アカショウビンの絵を描いているときのことだった。朱色の「火の鳥」を思わせるアカショウビンの、ぶかっこうなほど大きいくちばしの線のバランスがとれず、苦心していたところ、当のアカショウビンが、ふいに飛んできて、縁先のカキの木にとまった。そして一村に十分に観察し、スケッチする時間を与えてから、おもむろに飛び去った。「こちらが一心になれば、鳥にも心が通じるのか、あんなことをしてくれましたよ」と、そのときの喜びを一村は語った。

そのアカショウビンは、今や黒糖焼酎のラベルになっています。

   

死後も日本では、なかなか名前の売れない凄い画家がいます。
ブリューゲル的な画風に、エッシャーのような不思議さを合わせ持つ、実に緻密でおもしろいテンペラ画を描いていました。
以前埼玉近代美術館で展覧会がありました。海外での評価の方が高いと聞きます。上村次敏さんの絵が、もっともっと世間に知られるように願っています。
上村次敏

時々個展を開いている青木画廊さんのHPに、上村さんのエピソードが出ています。
こちらの【2】■自分の絵が自作の偽物にされた話■を是非読んでみてください。

この本にも、上村さんの作品が出てるみたい。
クリエイション(no.17)



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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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