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ヘンリ・ミラー『北回帰線』その2 2005.4.16

コレのつづきです。
今日は引用特集って事で。
結構読み終えるのにしんどい本だったんですが、所々おもろい箇所もありました。
なんだかなーと思いつつも、いつの間にやら惹かれているよーな作家かもしれません。

例のインド人のセリフ、おもろいっすよね~。あと、お互いを「ジョー」と呼び合うのも笑えました。
インド人の出てくる所は、ほんと好きです。この場面が終わると、パッタリと出なくなってしまうのは惜しい。

事実----女なんてものは、みんな似たりよったりだね。服を着ているときの女を見ると、あらゆる事を想像する。個性みたいなものがあると誰でも考えるが、むろん、そんなものはありはしない。両脚のあいだに割れ目があるだけのことさ。そいつに男はみんな夢中になるんだ----ところが、誰も、そいつを時間の半分も見るわけじゃない。あれがあすこにあるのだと知って、考えることといえば、ただそのなかに銃杖をさしこむことだけだ。まるでペニスが代りに考えてくれてるようなもんさ。

ロシアのユダヤ人女性のタニアの出てくる場面。
元気じるし (死語?) とか、底抜けの明るさとか、そーゆーのがひじょーに苦手な私は、ここには共感しました。

ロシアでは悲しい顔を見るのをいやがる。人が陽気で、熱狂的で、快活で、楽天的であることを欲する。これはぼくには、すこぶるアメリカに似ているように思えた。ぼくは生れつき、そのような熱狂さをもっていなかった。

それにしても、<アメリカ的>と言うのは不思議だと思います。
アメリカってのは、世界各国の人たちの集まっている国ではないですか。だけど、独特のある種の個性がありますよね。
以前甥と一緒に観た『ファイティング・ニモ』のニモのオヤジのセリフなんて、実にアメリカ的なつまんないアメリカンジョーク連発な感じでした。


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民俗的に言えば、ネイティヴインディアンこそがアメリカなんですけどね。

そして、この小説には、フランスに憧れるヘンリー・ミラーの「所詮自分はアメリカ人」だと言う気持ちが漂ってる感じがしました。

この人が傾倒したと言うドストエフスキーについて触れている所を。

 たとえばスタヴロギンについて考えてみる。するとぼくは、何か神聖な怪物が高いところに立って、おのれの臓腑を引きちぎってわれわれに投げつけている光景を思いうかべる。憑かれた狂気のなかで大地は震撼する。それは架空の個人にふりかかる災厄ではなくて、人類の大部分が埋没し、永久に抹殺される大天変地異である。スタヴロギンはドストエフスキーであり、ドストエフスキーは、人間を麻痺させ、ないしは頂点へ引きあげるそれらいっさいの矛盾の総和である。彼にとっては、あまりにも低いがゆえに入りこめぬ世界というものは存在せず、あまりにも高いがゆえに登るのが怖ろしいという場所もなかった。彼は深淵から星にいたるまで、全世界を通りぬけた。神秘の核心に身をおき、その閃光によって闇の深さとひろがりとをはっきりとわれわれに照らしだしてくれる人物に二度とふたたびめぐりあえる機会がないのは残念である。

何か自分にとって嫌なものを感じてしまうのは、この人の性質が、私の好きなものとは対極にあるせいかもしれません。
訳者大久保康雄の解説によれば、彼は不思議な処世の才にめぐまれていたとか。友人をつくる才能です。貧乏な彼に、いつも誰かが食うものと寝る場所を提供してくれたとか。
これはブコウスキーとは全く逆な面だと思うんですよ。
人と関わるのが苦手な孤独な一匹狼が好きなんですよね~私は。
とは言え、完全無視はできない作家と言う気も少ししてるのです。

そして、この小説は『北回帰線』が最初読者にあたえるのは、おそらく一種不可解な、混沌として捉えがたい総体という印象であろう。と解説にありますが、その通りでした。そして、ヘンリー・ミラーに影響を受けたロレンス・ダレルの『黒い本』を数年前に読みましたが、これはさらに輪をかけて読みにくかったよーな記憶が。

解説にはこのように書かれてましたが・・・

(前略) この大作は、後世プルースト、ジョイスの後をつぐ二十世紀文学の金字塔の一つとして評価されるのではないかと期待される。

それは絶対ないと思います。(笑)

新潮文庫の大久保康雄・訳で読みました。


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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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