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ドストエフスキー『白痴』【再読】その3 2005.5.2

ドストエフスキーという人は、心理学的にも優れた目を持った人だったと思います。
この世で最も多い種類の世間一般的な人間と言うものを、実に適格に説明しておられますので、ココ結構自分にはツボでおもしろかったので、ちょっと長い引用を。下巻の263ページあたりからです。

 実際のところ、金もあり、家柄もよく、容貌もすぐれ、教育もあり、ばかでもなく、おまけに好人物でさえあり、しかもこれという才もなく、どこといって変ったところもなく、いや、変人といったところさえなく、自分の思想をもたず、まったく <<世間並み>> の人間であることぐらいいまいましいことはないであろう。財産はある、しかしロスチャイルドほどではない。家柄はりっぱなものだが、いまだかつて世に知られたことはない。風貌はすぐれてはいるが、きわめて表情にとぼしい。教育はちゃんとしていながら、とくに専門がない。分別は持っているが、自分自身の思想は持っていない。情はあるが、寛大さに欠けている。何から何まで、こんなふうである。世間にはこうした人たちがうようよしており、われわれが想像しているよりもはるかに多いのである。彼らはほかのすべての人びとと同様、大別すると二種類に分けられる。一つは枠にはまった人びとであり、もう一つはそれよりも <<ずっと聡明な>> 人びとである。前者は後者よりも幸福である。枠にはまった平凡な人にとっては、自分こそ非凡な独創的な人間であると考えて、なんらためらうことなくその境遇を楽しむことほど容易なことはないからである。ロシアの令嬢たちのある者は髪を短く切って、青い眼鏡をかけ、ニヒリストであると名乗りをあげさえすれば、自分はもう眼鏡をかけたのだから、自分自身の <<信念>> を得たのだとたちまち信じこんでしまうのである。またある者は何かしら人類共通の善良な心もちを、ほんのすこしでも心の中に感じたら、自分のように感ずる人間なんてひとりもいない、自分こそは人類発達の先駆者であると、たちまち信じこんでしまうのである。またある者は、何かの思想をそのまま鵜のみにするか、それとも手当りしだいに本の一ページをちょっとのぞいてみさえすれば、もうたちまちこれは <<自分自身の思想>> であり、これは自分の頭の中から生れたものだと、わけもなく信じこんでしまうのである。もしこんな言い方がゆるされるならば、こうした無邪気な厚かましさというものは、こうした場合、おどろくほどにまで達するものなのである。こんなことはとてもありそうもないことであるが、そのじつ、たえずお目にかかる事実なのである。

ではまた次回に続いちゃいます。

 

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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
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