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川端康成『山の音』 2005.5.6

川端康成の『山の音』、8日の日曜日に、地元図書館で、成瀬巳喜男監督の『山の音』をやるので、観に行きたいと思いまして、その予習に読みました。
図書館での上映に関してはこちらを。

この小説、ココに書いた、2002年に発表された、「史上最高の文学百選」に入ってるんですよ。
そして、この百選が発表された時、うちの母が「山の音なんかが入ってるのね」と言っていたので、きっと、史上最高の文学百選に入る程の作品ではないんだな、と思ってました。

んで読みましたが・・・この百選、わかんねっす。なんでコレが入っていて、漱石の猫とかこころとか入ってないの~???


 

・・・とイキナリ文句から入りましたが、傑作ではあるんですよ。
老いのさびしさ、びみょーな心理を、実にうまく表現しているし、淡々とした中での、それぞれの気持ち、それぞれの人生をしみじみと味わえると言った感じでしょうか。

血の繋がったものよりも、そうじゃない者といる方が心穏やかに落ち着けるという不思議な感覚は、小津の『東京物語』を連想し、この小説全体が、小津映画を連想させられました。
言葉の美しさ等も、まさに小津 !

んで、これの映画化が、またまた原節子なんですね~。小津ではなく、成瀬ですが。
また原節子かいって感じですが・・・



そして、私が思ったのは、それぞれのそれぞれに対する愛の欠落でした。
主人公の信吾は、保子の美しい姉に憧れ、その姉が早世し、妹の保子と結婚するんですが、保子に対する愛情ってあった事があるんかいな?と言う感じだし、息子の修一は美しい菊子と結婚するが、早々と浮気。
しかし長年の浮気相手とも、結構あっさりと別れちゃったりして・・・
菊子とだって、きっと対した思いもなく、別れられるんじゃないかな、この人は。と思えたりします。
娘の房子の結婚は、もっと表面化され、本当に崩壊していたり・・・それぞれがそれぞれに対し、愛情とゆーものの軽さが感じられてしようがないのです。
そんな中で、信吾と、嫁の菊子だけが、しっかりとした愛情で結ばれているのかもしれません。
とは言え、信吾は菊子の中に、保子の姉の姿を見ていると言う感じなんですよね。

中絶と言うショッキングな場面もありますが、私は不倫の苦しみには、全く同情的でなく、不倫に対して嫌悪感さえ持ってしまいますが、宿った子供に対しての対処の仕方は、菊子よりも、浮気相手の絹子に共感できました。
この前『白痴』を読んだばかりなので、ドストエフスキーなら二人を対面させるだろうなーと思ったり。

<解説>で中村光夫が

 いわゆる嫁と義父の間の恋ぐらい醜悪な、人々の道徳感情に反撥する情熱はないと思われますが、それをこのように美しさで描くことに作者の野心があり、この小説の出来栄えは作者の自負が充分に根拠あるものであったことを示しています。

と書いてますが (岩波文庫)、全体的にエロティックなものが漂いつつ、信吾もハメをはずさない、常識的で冷静な性格であり、菊子のセリフも、常識をわきまえ、ぎりぎり一線を越えていない所が、嫌な気持ちを起こさせない理由ではないか、と思います。

そして、おそらく、敗戦直後と言う時期が、大切なポイントなのだと思います。
<愛の欠落>にも、これがなにげに影響してるのかもしれません。




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ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
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