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はだしのゲン 1巻



こちらに書いてますが、夏に話題になった『はだしのゲン』
図書館に漫画はないだろ、と思ったらあったので(笑)、早速予約入れて、やっとこの前1巻が来て読みました。小学生の頃以来の再読です。

序盤読んでて、ギョッとした所がありまして…うわ、やっぱ結構クレイジーな作者だったの? と思ってしまった箇所が…
ゲンと弟が指噛むところと、母親が包丁持って追いかけるところ。ちょっとひいてしまいました(;´∀`)

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IMG_4155 posted by (C)SEAL OF CAIN

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うわあ、と思いつつ、なんとか読み進むと、ゲンのやさしさにじ~んと来たり、辛い生活の中にも楽しさが少し見えたり。
序盤にめげずに是非読み進んでいただきたいですっ!

原爆を落とされる前から、とにかく庶民がとことん苦しめられ、子供でさえ、ろくに食べ物も得られない状態が続きますが、もう何と表現して良いかもどかしいのですが、原爆が落とされ、瓦礫の下敷きになった家族を置いて逃げて行かなきゃならないゲンと母親、火におおわれて焼け死んで行く父と弟、一瞬にして皮膚が爛れて無惨な姿の人々、数日経ってから毛が抜け下痢を垂れ流して死んで行く人々。
これが自ら戦争を起こした訳でもない庶民だと言う事に、ただただ理不尽で腹立たしくてしょうがないです。

amazonのレビューで
「はだしのゲン以外の本では原爆は伝わらない」
という意見があり、コレだ!と思ったのですが、絵も表現力も不器用でヘタクソながらに、この地獄絵を何とか伝えなければ、という一生懸命さが伝わってくるんですね。
ヘタクソだから余計にリアルに描けているのかもしれません。

ちょうど1巻を読み終わったぐらいのタイミングで、BSプレミアムで再放送されたのをタイマー録画しといた『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』を観たのですが「戦争を終わらせる為に必要だった」のは全くの嘘だと、オリバー・ストーンは言っています。
ソ連に対してのアピールの為に原爆は投下されたのだと。
ソ連に強いアメリカを見せる為に、一般市民が、子供達が、大量に殺され苦しめられたのです。

 

思想的には左翼だとか、いろいろ言われている漫画ですが、この「原爆」という事実には目を向けるべきだと思うのです。
思想がどうこういう理由で、これだけ原爆の悲惨さがリアルに描かれている作品が読まれない事など、あってはならないのではないかとさえ思います。

それから、このタイトル、すごく良いですよね。



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はだしのゲン



小学校の頃の担任の先生が、とても熱心な方で、この漫画は先生が回してくれてクラス全員読みました。
里中満智子の戦争の漫画なんかも回ってきたと思います。
映画も観に行ったし、とにかく原爆がどんなものだったのか、物凄い衝撃で、ハッキリクッキリ印象づけられたのだけど、今話題沸騰している、残酷描写以外の思想的な事を、ほとんど忘れてしまっている状態で…Σ(゚д゚lll)ガーン

とりあえずは再読してみないことには、エラそうな事は何も言えましぇん。_| ̄|○
ネットで部分的には見たけど、ネットの情報だけでアレコレ言うのは間違っている気がします。前後関係もあるし、読んでみない事にはわからないですよね。

・・・と思うものの、買って家に置いておきたくもない気もしてしまいます^^;
まあ、絵があんまし好きぢゃないっつー事もあるのですが…。
しかし、ほんっっとに貴重な本だと思うし、戦争の事が出て来る度に、この本を思い出します。
原爆ドームを見た時も記念写真を撮る気になれなかったし。 (その時の日記こちらです)

・・・しかしフツーの図書館には漫画は置いてないし…近くのGEOには、ないだろなあ。
そんな訳で、子供に読ませたいけど家に置きたくない親御さんもいらっしゃるだろうし、 学校の図書館から消えるということは、ほんっとに読む機会が、かな〜〜〜りなくなりますよねぇ。(´ε`;)ウーン…



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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』

【ネタバレあり】

得体の知れない巨大な海の怪物の噂から始まる、この物語。
最初はラヴクラフトのような不気味さにワクワクしつつ、それが生き物ではなかったとゆーオチはどうなんだろう? と思いつつ、ノーチラス号&ネモ船長の登場に楽しく読み進んだのですが……

ジュール・ヴェルヌさん、物凄い、海・深海・魚オタクぶりを発揮します。
いやーもう、その知識たるや凄いとは思うのですが、タジタジでした。
魚の説明がはじまると、楽しかった読書が一気に苦痛に。(笑)
さかなクンみたいな人なら、目を輝かせて読むのだろうな~と思ったり。

そして、ラテン語で「誰でもない」という意味を持つ「ネモ」船長。
地上の人間を一切拒絶した謎の人物なのですが、物凄い潜水艦をつくってしまふ才能も凄すぎですが、崇高な趣味も凄い。
【解説】から引用しますが…

この船の広間と図書館は、科学技術の粋を集めた潜水艦に似つかわしくない、きわめて不可思議な雰囲気をたたえている。そこには、海から集められた稀有な産物ばかりでなく、美術館を飾るにふさわしい芸術作品が所狭しと並べられ、自然科学から人文科学まで (経済を除いて) あらゆる分野の書物が収められている。

と言うことです。
しかし、どんなに孤独な人も、自分のコレクションの共有も何も出来ないというのは、実に実に虚しいのではないか、と思います。自慢とかしたいですよねー。
絵画なんて、ダヴィンチ、テッツィアーノ、ムリーリョ、ドラクロワ、アングルなどなどの名品がドッサリなのですよ! これらを深海にもぐらせているのは犯罪ではないかとまで思ってしまいますね。世界中の人に見せるべきだし…と、なんだかもやもやした気持ちになってしまいます。
朝比奈美知子さんの【解説】で、この事を的確に表現されています。以下引用。

彼がいかなる世界を駆けめぐり、いかに貴重な秘密を集め、どれほど深く広範な知を獲得しようとも、それらはけっして外に伝達されることがない。この近代のバベルは、蓄積される知の巨大な広がりと、決定的な閉鎖性、他者の不在性という矛盾を孕んでいるのである。

魚の説明にたじたじしつつ、時々何か動きがあると楽しく読み進む、という感じで読了しましたが、謎の人物ネモ船長、ラスト近くに敵が登場したり、どうやらこの敵によって家族も何もかも失ったらしいと言う事は何となく分かるものの、詳しい事は何も分からず、消息さえも不明です。
【解説】を読むと、『海底二万里』の続編としての性格をもつ『神秘の島』で、ネモ船長の消息があきらかにされるとか。うわっやっと読了したと思ったらコレも読まなきゃじゃん!
(うわっ3冊もあるのかあ)

  

 

しかしシンドイ部分もある読書でしたが、そのシンドイ部分 (魚や海の生き物の物凄く詳しい説明等) も含めて、凄い小説だと思います。

岩波文庫 朝比奈美知子・訳 で読了しました。
この本、訳注が本文の中に入っていたので、頁を行ったり来たりのわずらわしい作業がなく、実に有り難かったです。

【追記】
今NHKで再放送されいてる『ふしぎの海のナディア』は、この小説が元になっているという事で、それと大好きなギタリストで実に優れたメロディーメーカーでもあるマイケル・シェンカー (MSG) の曲に『キャプテン・ネモ』というのがある事から、矢も楯もたまらず読み始めたのですが、この小説に出てくるのはオッサンオンリーだし、ナディアとはほとんど共通点がありませんでした。(笑)
それにしても、登場人物がオッサンオンリーで、これだけおもしろいというのも凄いかも〜

 

  











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テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

ジェームス・C・ヴァンダーカム『死海文書のすべて』その2

こちらからつづいてます。
私にとっては、この本、夜寝る前に読むと丁度良く眠くなってくれると言う類いの本でして(^▽^;) 、前回書いたように、知りたい情報は少なく、どこで発見され、どの団体が関わっているとか、 そういう事が事細かに正確に書かれている本です。なのであまり頭に入ってないと思います~(笑)
死海文書の内容について知りたかったので、完全に選本ミスでありました。
そしてWikiに書かれてあるように、死海文書を書いたのはエッセネ派説というのが以前は一般的だったそうなのですが、そのエッセネ派の「排泄物の始末」について書かれた所が、おもしろかったので、引用します。

彼らはつるはしで一尺くらいの深さの穴を掘り、そして神からの光の気を損じないよう、外衣で身をおおいながら、その上にしゃがむ。ついで彼らは掘り起こした土を穴の中にかぶせる。このために彼らは人気のない場所を選ぶ。この排泄は自然な働きであるが、彼らは、排泄の後、あたかも汚されたかのように、身を洗い清めることにしている。

こ、これはっっ!
まるで猫ではないですかっっ!

ところで、次回は死海文書に関する本とかではなく、そのものの翻訳本を読んでみたいと思っている訳ですが、訳者が使用しようとして、あまりにも読みにくいものであるためにやめたと言うのが、日本聖書学研究所編『死海文書』(山本書店、一九六三年) と言うことなので、この本は避けようかな、と思います。



んで使用したというペンギン・ブックスのヴェルメシュ訳って、翻訳本ではないのでしょうね。
この読みにくいやつ以外ないのでしょうか。(;_;)
こんなニュースもあったので、今後に期待という感じなのでしょうか。



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テーマ : 聖書
ジャンル : 本・雑誌

ジェームス・C・ヴァンダーカム『死海文書のすべて』その1

エヴァンゲリオン観てから死海文書の事が知りたくなってしまった私。
図書館にある中で密林チェックして評判の良いのを借りてみました~~



確かにレビュー通りのきちんとした本なのだと思いますが、死海文書がどこで発見されたか、だとか、背景だとかが主な本でして、知りたい情報があまりなかったと言う・・・
中身が知りたかったので、翻訳本みたいなのを探すべきでした。まあタイトル見ても、よくわからんのですが…。

そんな中でも時々は内容についての紹介もあったりしまして「戦いの書」の所を引用しようと思います。
その前にザッと説明しますと、「戦いの書」は終末論的なもので、「光の子ら」と「闇の子ら」 と呼ばれる者たちの間で戦われる四十年戦争の事が書かれているそうです。以下引用。

 これは神の民にとっては救いの時、神の一団の者たちすべてにとっては支配の時、サタンの一団のすべてにとっては永遠の破滅の時……。キッティームの支配は終わり、不正は跡形もなく消え去る。闇の[子らにとって]逃れる術はない。[義の子ら]は地の果てまで輝きわたる。闇の季節がすべて尽きるまで、彼らは輝きつづけ、そして神によって定められた季節に、その方のいやましに高められた偉大さが、すべての光の子らの平安、祝福、栄光、喜び、そして長寿のために代々にわたって輝く。

 この戦争は、他の章節においては「報復の日」とか「神の戦闘」と呼ばれたりしている。いくつかの行でも、光の子らは単独で戦うのではなく、彼らの同盟者である天使たちと戦う、と述べられている。だがあいにく、闇の子らも天使たちを味方につけるため、その衝突は最後の戦闘まで引き分けに終わる。第一欄は、光の子らが闇の子らに優勢になる三度の「割り当て」について語る。これは明らかに、どちらの側もその戦闘で三度勝利者になることを意味する。三勝三敗の戦闘の後、「七度目の割り当てのとき、神の力強いみ手が[サタンの軍勢と]彼の王国の天使たち[すべて]と[彼の一団の]成員すべてを[永遠の破滅の中に]打ち倒す」。この終末論的な戦争は、人類史における善と悪、光と闇の間で進行中の抗争を反映させる。ただ神だけが正義に味方してその均衡を破ることができる。

このくらいにしておきます。^^;
後の方に、わかりやすく要約された文が出てました。

戦いの書は光の子らと闇の子らの間の最終の戦いを評述する。どちらの側にも天使がついて戦うが、神は、頃合いを見はからってその争いに決定的な仕方で介入し、勝利を光の子らに引き渡される。

エッセネ派の排泄物の始末の所がおもしろかったので、次回コレを引用してザザッと終わりたいと思います。


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Author:吉乃黄櫻
ハードロックギタリストで作詞作曲家(まだアマチュアだけどな)吉乃黄櫻の読書ブログ。
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。
西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!

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